CONTAX G1
フィルムカメラ・コンタックスG1のレビューと写真作例
<ギャラリー>
写真作例のレンズはPLANAR 35mm、フィルムはAGFA CT Precisa100を使用
写真作例のレンズはHOLOGON 16mm、フィルムは富士フイルムASTIA 100を使用
<レビュー>
コンタックスG1は京セラ/コンタックスが1994年にリリースした35mmフィルムカメラ。
専用レンズ28mm、45mm、90mmの3本が同時にリリースされた。
コンタックスは一眼レフカメラのオートフォーカス化(以下、AF)に遅れをとったためか、ミラーを持たないカメラシステムに測距システムを組み込まず、AFに代替させるといういささか強引な方法でカメラシステムを構築することを選択した。この選択はG1、G2で終わってしまったので成功したシステムとは言いづらいと思われるが、根強いファンがいるようだ。
G1のAF精度は測距展がはっきりした被写体ではそれなりに使えるが、一眼レフでも難しいような、藪越しやフェンス越しのシチュエーションではけっこうな確率でピントを外していた。とくに長焦点距離の90mmの合焦精度はなかなかきびしいものがあった。
G1はカメラとしては、自動化が行き届いており、シャッターレスポンスはよくカメラはAFは合焦したと表示してくるため、それを信じて小気味よく撮って現像すると、それなりにピンボケが混じるという結果を経験した。当時も今もメインの被写体である猫はフェンスの向こうにいたり、ヤブの中にいたりとG1にはいささか厳しい被写体だった。
当時のAFセンサーで人の思うところにピントを合わせるのはどうにも無理だったので、プロが使うには躊躇しただろう(それでも使っている人はいたみたいだけれど、飯を食うことを考えると歩留まりの悪いカメラは賢い選択とは思えない)し、アマチュアにしても1ショットのコスパを考えると確実性のある一眼レフを選択するのは仕方が無いことだと思える。
G1はG2とともにリリースされた、21mm、35mmレンズを使うためには、メーカーによるカメラのアップデートが必要で、アップデート後の個体にはフィルム室に緑のラベルが貼られている。16mmのホロゴンはマニュアルフォーカスで絞りもないので非アップデート版G1でも問題なく使える。35-70ズームはG2専用レンズでG1では使用できない。
G1,G2に共通するチタンゴールドの外装は手触りもよく所有と使用する満足度は高かった。G2にはレンズとセットになったブラックボディが存在している。それに合わせてホロゴン16mm以外のレンズは黒鏡筒のレンズも発売されているが製造本数が少ないため、中古市場ではチタン色の通常レンズよりも高価である。手元にはブラック鏡筒でMマウントに改造した28mmと90mmがある。
デザイン的にはG1とG2は似ているが、G1はカメラとして必要最低限の機能を装備してスッキリとしたミニマルなスタイルが個人的にはとても好みで、G2も使っていたがボディが少し大きくなり、前面にマニュアルフォーカス用のダイヤルが増えたのはデザイン的にマイナスだと思う。
G1はフイルムカメラの末期だと一万円台で買えたが良品固体が減ったためか、2024年ではずいぶん値を戻して定価近くになっている。G2も5万円くらいで買えた。物の価値は変動するということが実感できる。
レンズは、16mm、21mm、28mm、35mm、45mm、90mm、35-70mmと必要な焦点距離のレンズは揃っている。一眼レフカメラと比べると少し寂しいレンズラインナップだが、普通に写真を楽しむならこれだけあれば十分だろう。マウントアダプタ GA-1経由でヤシカコンタックスのレンズも使えるが、AFは使えないため測距機能を使用してピント位置を設定するためあまり実用的ではない。
<仕様>
項目 | CONTAX G1 | CONTAX G2 |
ファインダー | 実像式ズームファインダー | ← |
ファインダー倍率 (無限遠、45mm、視度-1D) | 0.57倍 | ← |
視野率 (無限遠、45mm、視度-1D) | 90% | ← |
AF方式 | パッシブ コンティニュアス非対応 | パッシブ/赤外線アクティブ併用 コンティニュアス対応 |
連続撮影速度 | 秒2コマ | 秒4コマ |
シャッター | 電子制御・縦走行フォーカルプレンシャッター | ← |
シャッター速度 | 1/2000〜16秒(絞り優先) 1/2000〜1秒(マニュアル) | 1/6000〜16秒(絞り優先) 1/4000〜1秒(マニュアル) |
バッテリー | CR2-3V 2本 | ← |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 133 × 77 × 42 | 139 x 80 x 45 |
重量(g) | 460 | 560 |
定価 | 143,000円 | 163,000円 |
<専用レンズ>
焦点距離 | 名称 | リリース年 |
16mm | HOLOGON 16mm | 1994年 |
21mm | BIOGON 21mm | 1996年 |
28mm | BIOGON 28mm | 1994年 |
35mm | PLANAR 35mm | 1996年 |
45mm | PLANAR 45mm | 1994年 |
90mm | SONNAR 90mm | 1994年 |
35-70mm | VARIO SONNAR 35-70 | 1999年 |
<オプション>
- マウントアダプター GA-1
- データバック GD-1
- パワーパックアダプター GP-1
- パワーパック P-8
- フラッシュ TLA140
- フラッシュ TLA200
<参考文献・リンク>
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