HASSELBLAD HC Macro 120mm II
中判デジタル対応・等倍マクロレンズ
ハッセルブラッド HC マクロ 120mm 2型のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
1.使用感
HC マクロ 120mm F4 2型は、フジノンブランドの1型 120mmマクロを下取りにだして差額を払って入手した。
この中古で入手した2型レンズはシャッターユニットが交換されており、撮影カウント34回とほぼ未使用の状態であった。手元にやってきたレンズの重量感や取り回しは1型と変わりなりなかった。
2型を入手した理由は、1型では使用できないxh-converter0.8を使うためで、これにより、焦点距離76mmのマクロレンズとなるため、レンズの使用範囲が広がった。
1型同様の幅広のフォーカスリングはマクロ撮影の微妙な操作に適している。ゴムのローレットが先端に向かって弧を描いて細くなっていく個性的な造形だ。
2型を持ち出した初日はレンズ状態の確認が足りず、購入時のファームウェア18.8.7のまま使ってしまい、絞り値F3.5〜F6.8でシャッタエラーが発生し難儀した。ハッセルブラッドジャパンに不具合報告のメールを完成させてから、ファームウェアを確認していないことに気がついて、レンズのファームウェアを確認したところ古いファームウェアであったため、最新のHCレンズ・ファームウェア19.1.0に変更すると、どの絞り値でも問題も無く使用することができた。
1型では被写体によっては絞り開放時にEVF越しにパープルフリンジが見られたが、2型ではそれが無くなっており、絞り開放時の性能の向上を実感できる。1型のパープルフリンジもPhocusを経由するとほぼ気にならなくなるので問題は無いと思うが、ファインダーのみえが良いことは重要であると考える。
2型はX H Lens Adapterを使用したときに、絞り開放でぼかした背景のボケが美しく、2線は感じられずまろやかでとても良い印象だ。これは被写体と光線状態に左右されるので、1型が必ず悪いわけでもないだろうが、1型は背景にすこしうるささを感じる場面があった。
本レンズは1型同様にテレコンバーター(CONVERTER H1.7X)に対応しているのがとてもありがたい。X H Lens AdapterにH1,7Xを挟んで本レンズを取り付けると、最短撮影距離0.39mそのままで、6.3/202mmの望遠マクロになる。コンバータのページで紹介しているが、少しレンズは暗くなるが少ない画像劣化でより拡大した撮影ができる。ただし、CONVERTER H1.7Xを使う場合は、X2DのIBISに対応していない。
繰出し量を稼ぐ必要のあるマクロレンズなのでレンズ本体は大きく重量は重い。本レンズとHC 35-90 4.5-5.6ズームレンズがほぼ同じ重量である。
2.レンズ概要
HC マクロ 120mm F4 2型はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離120mmのマクロレンズ。
120mmマクロは、古い1型と改良された2型が存在する。
中判カメラHシリーズで使用する場合、センサーサイズ 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約82.5mmになる。
X1D、X1DII、907X、X2Dでは、X H Lens AdapterかXH CONVERTER 0.8を経由して本レンズを使用できるが、いずれの場合もオートフォーカス(以下AF)は使用できない、マニュアルフォーカス(以下、MF)でのみ使用できる。
- X H Lens Adapterを使用した場合、焦点距離は約96mm F4
- XH CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離は約76mm F3.5
HC 210mmはx1.7テレコンを使用可能で装着した場合は以下の焦点距離となる。
- X H Lens Adapterを使用した場合、163mm F6.3
- XH CONVERTER 0.8を使用した場合、129mm F5
3.アクセサリー互換性
- Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
- イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。
4.AF対応について(HC120)
HC マクロ 120mmレンズは、1型、2型ともに旧ファームウェア、拡張ファームウェア(v19.1)を搭載したレンズのいずれでも、X1D、X1DII、X907、X2DでAFは動作しない。LEICA S Typ007はAFの動作は可能である。
5.FUJINONレンズについて
- HC マクロ 120mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
仕様・比較
レンズ名 | APO MAKRO PLANAR | HC120II | アポマクロズマリット S |
焦点距離(mm) | 120 | 120 | 120 |
最大絞り | 4 | 4 | 2.5 |
最小絞り | 32 | 45 | 22 |
レンズ構成 | 5群8枚 | 9群9枚 | 7群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.39 | 0.57 |
レンズ長(mm) マウント面からの距離 | 104 | 166 | 128 |
レンズ最大径(mm) | 86 | 96 | 91 |
フィルター径(mm) | 72 | 67 | 72 |
重量(g) | 796 | 1410 | 1135 1205(レンズシャッターあり) |
リリース年 | 1999 | – |
参考リンク
更新履歴
- 2024.9.14
- 2024.03.22:改稿
- 2022.11.09:初稿
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はじめまして、コメントさせて頂きます。
I型とⅡ型では、絞りを16など絞った場合、写りに差は無かったでしょうか?
XH CONVERTER 0.8を使用できるのは魅力的ですね。
はじめまして、コメントありがとうございます。
そうですね、絞った場合の撮影結果は差を感じ無いと思います。
ページにも書いてますが、I型はパープルフリンジがEVFで見えることがありますが、撮影結果はほとんど目立ちません。
旧型を使っていたとき、XH CONVERTER 0.8が使えないのを知りがっくりしているときに、II型中古があったので買い換えました。
それが無ければ旧型でも不満はなかったと思います。F4>F3.2のマクロレンズになるのはよいですが、重いのが難点ですね。