HASSELBLAD HC Macro 120mm II

中判デジタル対応・等倍マクロレンズ
ハッセルブラッド HC マクロ 120mm 2型のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 撮影カメラはHASSELBLAD X2D
レビュー


1.概要
HASSELBLAD HC 120mm F4 Macro IIはハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離120mmのマクロレンズ。
中判カメラHシリーズで使用する場合、中判645フィルム、デジタルセンサーサイズは 40.2×53.7mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約82.5mmになる。
このハッセルブラッド Hシリーズの120mmマクロは、古いI型と改良されたII型が存在する。
ハッセルブラッド Xシリーズデジタルカメラ、X1D、X1DII、907X、X2Dで使用する際はXH AdapterかXH CONVERTER 0.8を経由して本レンズを使用できるが、いずれの場合もオートフォーカスは使用できず、マニュアルフォーカスでのみとなる。
- XH Adapterを使用した場合、焦点距離は約96mm F4
- H CONVERTER 0.8を使用した場合、焦点距離は約76mm F3.5
本レンズはI型同様にテレコンバーター(CONVERTER H1.7X)に対応している。
テレコンバーターを利用した場合、焦点距離は長くなり、最短撮影距離は変わらないため、少しレンズは暗くなるが少ない画像劣化でより拡大した撮影ができる。ただし、CONVERTER H1.7Xを使う場合、X2DのIBIS・ボディ内手ぶれ補正に対応していない。
HC 120mm Macroはテレコンバーター(CONVERTER H1.7X)を使用可能で装着した場合は以下の焦点距離となる。
- XH Adapterを使用した場合、163mm F6.3
- H CONVERTER 0.8を使用した場合、129mm F5
2.使用感
HASSELBLAD HC 120mm F4 Macro IIは、フジノンブランドのI型 120mmマクロを下取りにだして差額を払って入手した。この中古で入手した2型レンズはシャッターユニットが交換されており、撮影カウント34回とほぼ未使用の状態であった。手元にやってきたレンズの重量感や取り回しはI型と変わりなりなかった。
II型を入手した理由は、I型で使用できないxh-converter0.8を使うためで、これにより焦点距離76mmのマクロレンズとなりレンズの使用範囲が広がる。
繰出し量を稼ぐ必要のあるマクロレンズなのでレンズ本体は大きく重量は重い。本レンズとHC 35-90 4.5-5.6ズームレンズがほぼ同じ重量である。
操作性は、I型と同じ形状の幅広フォーカスリングはマクロ撮影時の微妙な操作に適している。
ゴムのローレットが先端に向かって弧を描いて細くなっていく個性的な鏡筒をしている。
II型の描写は絞り開放でぼかした背景のボケに2線ボケは感じられず、まろやかで美しいボケを見せる。APO仕様では無いけれど色滲みを感じることも無い。
I型では被写体によっては絞り開放時にEVF越しにパープルフリンジが見られたが、II型ではそれが無くなっており、絞り開放時の性能の向上を実感できる。I型のパープルフリンジもPhocusを経由するとほぼ気にならなくなるので問題は無いと思うが、ファインダーのみえが良いことは重要であると考える。また、I型は背景にすこしうるささを感じる場面がある。
II型を最初に持ち出したときレンズ状態の確認が足りず、購入時のファームウェア18.8.7のまま使ってしまい、絞り値F3.5〜F6.8でシャッタエラーを発生して難儀した。ハッセルブラッドジャパンに不具合報告のメールを完成させてから、ファームウェアを確認していないことに気がついて、レンズのファームウェアを確認したところ古いファームウェアであったため、最新のHCレンズ・ファームウェア19.1.0に変更すると、どの絞り値でも問題も無く使用することができた。
3.まとめ
結論としてHASSELBLAD HC 120mm F4 Macro IIをまとめると、マイナーチェンジした等倍マクロレンズ。
新型と旧型の差はわずかで絞ればほぼ同じと言われている。しかし、使ってみないとわからないことも多いので買ったことに悔いは無い。
○アクセサリー互換性
- Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
- Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
- イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。
○AF対応について(HC120)
HC マクロ 120mmレンズは、I型、II型ともに旧ファームウェア(v17以前)、拡張ファームウェア(v19.1)を搭載したレンズのいずれでも、X1D、X1DII、X907、X2DでAFは動作しない。LEICA S Typ007はAFの動作は可能である。
○FUJINONレンズについて
- HC マクロ 120mmレンズはフジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
仕様・比較
レンズ名 | APO MAKRO PLANAR | HC120II | アポマクロズマリット S |
焦点距離(mm) | 120 | 120 | 120 |
最大絞り | 4 | 4 | 2.5 |
最小絞り | 32 | 45 | 22 |
レンズ構成 | 5群8枚 | 9群9枚 | 7群9枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.39 | 0.57 |
レンズ長(mm) マウント面からの距離 | 104 | 166 | 128 |
レンズ最大径(mm) | 86 | 96 | 91 |
フィルター径(mm) | 72 | 67 | 72 |
重量(g) | 796 | 1410 | 1135 1205(レンズシャッターあり) |
リリース年 | 1999 | – |
参考情報
更新履歴
- 2025.6.4
- 2024.9.14
- 2024.03.22:改稿
- 2022.11.09:初稿
広告
- ハッセルブラッド・Ads by Amazon
- ハッセルブラッド・書籍・Ads by Amazon
- XH adapter・Ads by Amazon
- XH CONVERTER 0.8・Ads by Rakuten
- Xシリーズバッテリー・Ads by Rakuten
はじめまして、コメントさせて頂きます。
I型とⅡ型では、絞りを16など絞った場合、写りに差は無かったでしょうか?
XH CONVERTER 0.8を使用できるのは魅力的ですね。
はじめまして、コメントありがとうございます。
そうですね、絞った場合の撮影結果は差を感じ無いと思います。
ページにも書いてますが、I型はパープルフリンジがEVFで見えることがありますが、撮影結果はほとんど目立ちません。
旧型を使っていたとき、XH CONVERTER 0.8が使えないのを知りがっくりしているときに、II型中古があったので買い換えました。
それが無ければ旧型でも不満はなかったと思います。F4>F3.2のマクロレンズになるのはよいですが、重いのが難点ですね。