HASSELBLAD HCD 4.8/24

HASSELBLAD HCD 4.8/24のレビューと写真作例

目次

<レビュー>
HC/HCDレンズとして9本目に入手したレンズ。
作例などは、X1DIIとX2Dで使用しているが本記事はX1D、X907にも適用可能である。
入手したレンズをX1DIIでレンズ情報を調べたところ、入手時のファームウェアは18.0.0でシャッター回数は4000回であった。X1DIIでAFを使用するためにファームウェアを19.1.0にアップデートした。
鏡筒にオレンジドットがついた新型レンズで、レンズシャッターの最高速度は1/2000、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でAF(オートフォーカス)が使用できるファームウェアを適用できることを確認して購入した。
レンズ単体重量が810gであり、同カテゴリーの広角レンズ、HC 3.5/35mmと比較するとレンズ長で25mm小さく、重量は165g軽い(HCD28mmmより少し全長が短く、重量が軽い)ため、持ち運び、撮影時の取り回しはとても良い。

HCD 24mmは中古市場で見かけることが少ないが、XH-converter 0.8を使用すると、最大約16mmの焦点距離を得ることができるのはとても便利で頼もしい存在だ。
2つのレンズアダプター/コンバーターを使用してもPhocusで現像する限り歪みや周辺減光を感じることはない。撮影中のEVFでは若干の歪みが認識できることがあるのでソフト補正がはいっているのは間違いないが、それでも十分なクオリティの画像を得ることができる。
AFはHC/HCDレンズの中では、合焦速度が早いほうで、AFのくせをつかむと合焦精度も高く、思い通りのピント位置を得ることが出来る。
最短撮影距離が全域で38cmでHCD28mmより寄れない、そしてExtension Tubeが使えないので近接撮影能力はHCD28mmより劣る(広角レンズなのでそこまで寄る必要があるのかは別問題)。
レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。

ほぼ同じ焦点距離になる、XCD 21mmを所有していたが、そちらのほうがPhocusを通しても歪みが気になることがあった。専用品なのでXCD 21mmの方が軽くて取り回しは良い。AF速度はそれほど変わらない。

<仕様>
HCD 4.8/24はHASSELBLAD Hシリーズカメラ用の焦点距離24mmの広角レンズ。
HCDレンズシリーズなのでセンサーサイズは48 x 36mmサイズのセンサーに最適化されており、それより大きいサイズのセンサー53.7 x 40.2mmではレンズのイメージサークルが足りず周辺部がけられる。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備え、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備える。
X1D/X1DIIでは、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由してHCレンズを使用できる。

x0.8コンバーターを使用した場合、レンズのイメージサークルが足りず周辺が少しけられるため、撮影画像の現像用ソフトウェアPhocusでは自動で周辺が少しクロップ(トリミングされて約18mmの焦点距離)される。クロップ前の15.55mm全イメージはPhocusの画像メニューから【クロップ解除】を実行すると確認することができる。

本レンズはLEICA SのS-Hアダプターに対応しておらず、本レンズをアダプター経由でLEICA S typ007に装着すると電源入りAFは動作するが絞り値を変更することができず、絞り開放で撮っていてもカメラがたびたびフリーズする。物理的に装着可能なだけにファームウェアアップで対応して欲しいが、LEICAにはその気は無いようだ。
*リンク先はrakutenのMapcamera

項目備考
焦点距離(mm)24.3
最大絞り4.8
最小絞り32
レンズ構成11群14枚レトロフォーカスレンズ
リアフォーカス
最短撮影距離(m)0.38
レンズ長(mm)99
レンズ最大径(mm)100
フィルター径(mm)95
重量(g)810
HCD 4.8/24 レンズ仕様書(英語)

<アクセサリー互換性>

  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
  • レンズのイメージサークルは中判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。
  • Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
  • 拡張チューブはすべて(H13/H26/H52)使用できない。

<AF対応について>
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,907Xに装着しAF(オートフォーカス)を駆動させるためには、レンズファームウェアの領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズ(シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズ)についてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。しかし、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のファームウェアを確認するのが最も確実である。
古いシリアルナンバーでも修理時にユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする

Shige's hobby