HASSELBLAD HCD 24mm F4.8
HASSELBLAD HCD 24mm F4.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
レビュー
ハッセルブラッド HCD 24mm F4.8はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離24mmの広角レンズ。
HCDレンズシリーズであるため、対応センサーサイズは48 x 36mmサイズに最適化されており、それより大きいサイズの53.7 x 40.2mmセンサーではレンズのイメージサークルが足りず周辺部がけられる。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備え、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備える。
X1D、X1DII、X907、X2Dは、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由してHCDレンズを使用できる。
- X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離19.44mmになる。
- XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離15.55mmになる。しかし、レンズのイメージサークルが足りないため周辺が少しけられる。撮影画像の現像用ソフトウェアPhocusは自動で周辺を少しクロップし、焦点距離18mm程度の画像が表示される。クロップ前の15.55mm全イメージはPhocusの画像メニューから【クロップ解除】を実行すると確認することができる。画像フォーマット4:3の四隅がすこしかける程度なのでそのまま利用できる場合もある。また、3:2にトリミングすると画像の横幅はまったく問題ない。
本レンズはライカ SシリーズでHC/HCDレンズを使用するための、S-Hアダプターに対応しておらず、本レンズをアダプター経由でLEICA S typ007に装着すると電源入りAFは動作するが絞り値を変更することができず、絞り開放で撮ることになる。また、使用したところカメラがたびたびフリーズした。物理的に装着可能なだけにカメラ側のファームウェアアップデートにて対応して欲しいが、Sシリーズが終焉を迎えた2024年現在、その希望は叶いそうにない。
作例は、X1DIIとX2Dで使用しているが本記事はX1D、X907にも適用可能である。
入手したレンズをX1DIIでレンズ情報を調べたところ、入手時のファームウェアは18.0.0でシャッター回数は4000回であった。X1DIIでAFを使用するためにファームウェアを19.1.0にアップデートした。
鏡筒にオレンジドットがついた新型レンズで、レンズシャッターの最高速度は1/2000、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でAF(以下、オートフォーカス)が使用できることを確認して購入した。
レンズ単体重量が810gで、HCシリーズの広角レンズ、HC 35mm F3.5と比較するとレンズ長で25mm小さく、重量は165g軽い(HCD28mmmより少し全長が短く、重量が軽い)ため、持ち運び、撮影時の取り回しはとても良い。
HCD 24mmは中古市場で見かけることが少ないが、XH-converter 0.8を使用すると、最大約16mmの焦点距離を得ることができるのはとても便利で、広角に被写体を捉えたいときに頼もしい存在だ。
2つのレンズアダプター/コンバーターを使用してもPhocusで現像する限り歪みや周辺減光を感じることはない。撮影中のEVFでは若干の歪みが認識できることがあるのでソフト補正がはいっているのは間違いないが、それでも十分なクオリティの画像を得ることができる。
AFはHC/HCDレンズの中では、合焦速度が早いほうで、AFのくせをつかむと合焦精度も高く、思い通りのピント位置での撮影結果を得ることができる。
弱点としては、最短撮影距離が38cmでHCD28mmより寄れない、そしてExtension Tubeが使えないので近接撮影能力はHCD28mmより劣る。広角レンズなのでそこまで寄る必要があるのか撮影者によると思う。レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。
ほぼ同じ焦点距離になる、XCD 21mmを所有していたが、そちらのほうがPhocusを通しても歪みが気になることがあった。専用品なのでXCD 21mmの方が軽くて取り回しは良い。AF速度はそれほど変わらない。
*リンク先はrakutenのMapcamera
仕様
項目 | HCD 24 | HCD 28 |
焦点距離(mm) | 24.3 | 28.9 |
最大絞り | 4.8 | 4 |
最小絞り | 32 | 32 |
レンズ構成 | 11群14枚 | 9群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.38 | 0.35 |
レンズ長(mm) | 99 | 102 |
レンズ最大径(mm) | 100 | 100 |
フィルター径(mm) | 95 | 95 |
重量(g) | 810 | 850 |
アクセサリー互換性
- HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
- レンズのイメージサークルは中判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。
- Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
- 延長チューブはすべて(H13/H26/H52)使用できない。
AF対応について
HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。
レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。
しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。
シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。
上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。
ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。
FUJINONレンズについて
- HCD 24mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。
参考リンク
更新履歴
- 2024.03.22:改稿
- 2022.04.05:初稿
広告
- いくつかの外部リンクは広告となっており、クリックするとサイト管理者に収入が発生する可能性がある。本ウェブサイト維持のためご理解とご協力をお願いする。