HASSELBLAD HCD 35-90mm F4-5.6

ハッセルブラッド HCD 35-90mm F4-5.6のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

ハッセルブラッド HCD 35-90mm F4-5.6はハッセルブラッド Hシリーズカメラ用のズームレンズで35mm判換算の焦点距離35mm〜90mmをカバーする。インナーフォーカス、インナーズームレンズでズーム操作、フォーカス操作時にレンズ長は焦点距離、ピント位置で変化しない。
延長チューブ、H13、H26、H52は使用可能だが、H1.7テレコンバーターは使用できない。

HCDレンズシリーズなのでセンサーサイズは48 x 36mmサイズのセンサーに最適化されており、それより大きいサイズのセンサー53.7 x 40.2mmではレンズのイメージサークルが足りず周辺部がけられる。
オレンジドットのついたレンズは最高速度1/2000のレンズシャッターを備え、無印のレンズは1/800のレンズシャッターを備える。

X1D(4116 edtion)、X1DII、X2D、X907は、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由して本レンズを使用でき、使用するアダプターによって、35mm判換算の焦点距離は異なり、以下の通りである。

  • X H Lens Adapter*を使用した場合、焦点距離28mm 〜 72mmになる。
  • XH CONVERTER 0.8*を使用した場合、焦点距離23.3mm 〜 56mmになる。

x0.8コンバーターを使用した場合、レンズのイメージサークルが足りず周辺が少しけられるため、撮影画像の現像用ソフトウェアPhocusでは自動で周辺が少しクロップ(トリミング)される。クロップ前の全イメージはPhocusの画像メニューから【クロップ解除】を実行すると確認することができる。

HC/HCDレンズとしては3本目に導入したレンズで、中古だがシャッター回数3回のほぼ新品であった。
鏡筒にオレンジドットがついた新型レンズで、レンズシャッターの最高速度は1/2000、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*で、ファームウェアを19.1.0にすると、オートフォーカス(以下、AF)が使用できることを確認して購入した。

*リンク先はrakutenのMapcamera

AF合焦速度はHC/HCDレンズの中では早いほうで、AFのくせをつかむと合焦精度も高く、思い通りのピント位置を得ることが出来る。最短撮影距離が全域で65cmであるため、50mm以上の焦点距離では被写体に寄れる印象となる。
レンズ単体重量は1.4kgと重量級で、カメラシステムにすると3kg近い重量になるが、カメラ装着時のバランスがよいためか、長時間の撮影に使用してもそれほど苦にならない。

レンズには立派なフードが付属しているが、普段の使用ではフードをしなくても逆光耐性が十分であることから装着することは少ない。この逆光耐性と1/2000のレンズシャッターを搭載しているため野外撮影でも活躍する。図体がでかいので持って行く場所によっては非常に目立つのが難点だ。

HASSELBLAD HCD 35-90mm HASSELBLAD X1DII

仕様

項目備考
焦点距離(mm)35 〜 90
最大絞り4(5.6)
最小絞り32
レンズ構成11群13枚
最短撮影距離(m)0.65
レンズ長(mm)167
レンズ最大径(mm)102.5
フィルター径(mm)95
重量(g)1410
HCD 4-5,6/35-90 ASPHERICAL レンズ仕様書(英語)

アクセサリー互換性

  • Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる(エクステンションチューブのデータシートには記載が無いが実機では使用できた)。
  • Converter 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できない。
  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できない。
  • イメージサークルは中判フィルム(41.5 x 56mm)をカバーしない。

AF対応について

HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。

レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。

しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。

シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。

上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。

FUJINONレンズについて

  • HCD 35-90mmレンズは、フジノンブランドを市場で見たことが無いのでおそらく存在しない。

参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.23:改稿
  • 2022.02.12:初稿

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