NIKON H.C 5cm f2 with LM
SレンズをLEICA Mボディで使う(1)
NIKON H.C 50mm f2をHEXAR RF limitedで使うレビューと写真作例
- このレンズの使い方はイレギュラーな使い方であり、同様の撮影をおこなう場合は撮影者の自己責任でおこなっていただくように注意を記しておく。
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はHEXAR RF limitedとLOMOGRAPHY Lady Grey B&W 400を使用した。
レビュー
1.概要
NIKON H.C 5cm f2は1950年にリリースされた、ニコンSマウントの焦点距離50mmの標準レンズだ。
このNIKON H.C 5cm f2レンズをライカMマウントカメラで使用する場合、ヘリコイド機能と距離計連動機構を持ったマウントアダプターが必要になる。
今回は、中古で購入した、ブランド不明のニコンS-ライカM用ヘリコイド+距離計連動機構付きアダプターを使用して、NIKON H.C 50mm f2をHEXAR RF Limitedに装着して撮影した結果をレポートする。
レンズの主な仕様は、3群6枚のゾナー型レンズで、絞り羽根10枚、となっている。最短撮影距離はマウントアダプター側によって制約され0.9mだ。
写真のレンズは、1956年以降に作られた、鏡筒を軽量化し黒色塗装されたレンズだ。
フィルムはLOMOGRAPHY LADY GREY B&W 400を使用した。
2.使用感
所有するHEXAR RF limited、ニコンSアダプター、レンズの組み合わせは、距離計連動機構に問題はなく、絞り開放においても、狙った位置でピントをあわせることができている。
ファインダー枠は、爪位置が35mm枠になっているため、50mmのレンズを使う場合、ヘキサー RFの枠切り替えレバーを押して、50mm枠を表示するか、なんとなくで撮影するか、外付けファインダーを利用することになる。
フィルムはモノクロフィルムを1本通しただけだが、緻密な解像感とメリハリのきたコントラストはISO 400のフィルムでも十分に感じることができる。まだ撮影していないがカラーネガフィルムでどのような撮影結果になるかは後の楽しみだ。
このレンズとアダプターの組み合わせで、最初に戸惑うのは、ニコンSのヘリコイドの回転方向は無限遠から左回しで近接方向へ移動となっており、ライカMのヘリコイドの回転方向と逆になっていることだ。ライカMレンズは無限遠から右回しで近接方向へ移動する。
このレンズだけを使っているときはさほど気にならないが、ライカMレンズとニコンSレンズ+アダプターをいっしょに持ち出すと、若干操作に混乱をきたすので、Sレンズ+アダプターを使うときはライカMレンズはいっしょに持ち出さないようにしている。
3.付加情報
ニコンSレンズについて、極簡単に解説を記すと、ニコンSレンズには、ヘリコイドをレンズに持たない内爪レンズと、ヘリコイドをレンズ側に持っている外爪レンズがある。
今回紹介している、NIKON H.C 5cmはヘリコイドをレンズに持たない内爪のレンズだ。このレンズを使うカメラ、NIKON-Sシリーズは内爪レンズのために、レンズをくり出すためのヘリコイドをカメラ側に持っている。下図のカメラ中央部分がレンズ繰り出し機構(ヘリコイド)になっている。
マウントアダプターを使う際は、常に言えることだが、メーカーの想定していない使い方をしていると言うことを自覚して、慎重に取付などの確認が必要だ。
ライカM向けヘリコイドと距離計連動機構の備わったアダプターは、海外産がほとんどで、個人もしくはショップの輸入ではいってくることが多い。価格は総じて高価になりがちだ。
とくに距離計連動機構を備えたアダプターは、距離計連動機構とカメラの相性によって、距離計がズレてピントが微妙に合わないなどの問題が発生する可能性があるため、現物で状態を確認する、所有するカメラと合わない場合の返品ルールを確認しておくのが安全だ。
ニコンS-ライカMマウントアダプターには以下の2種類がある
- ニコンS-ライカM向けヘリコイド+距離計連動機構付き(内爪+外爪レンズ共用)
- ニコンS-ライカM向け形状変換のみ(外爪レンズ専用)
- ニコンS-ライカM向け形状変換のみ(内爪レンズ専用)
ニコンSとコンタックスCの互換性については、参考リンクに信用できる情報と考えられるリンクをのせている。
仕様
項目 | NIKON H.C | NIKON S.C |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 2 | 1.4 |
最小絞り | 16 | 16 |
レンズ構成 | 3群6枚 | 3群7枚 |
絞り羽根 | 10 | 12 |
最短撮影距離(m) | 0.9 | 0.9 |
レンズ長(mm) | 38 Mマウント込み | 38 Mマウント込み |
レンズ最大径(mm) | 51 | 51 |
フィルター径(mm) | 40.5 | 43 |
フード | ラッパ型・バネ止め | ラッパ型・バネ止め |
重量(g) | 211 Mマウント込み | 225 Mマウント込み |
リリース年 | 1946 | 1950 |
製造本数 | – | – |
定価(¥、税別) | – | – |
参考文献・参考リンク
- https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0034/index.html
- ニコンSマウントレンズの一覧・Wikipedia
- ContaxとNikonのフランジバック・カメラ修理屋の気まぐれBLOG
- Nikon Sマウントとコンタックスマウント その互換性・本当に大切なものは見えない
- 旧コンタックス・ニコンSレンズ→ソニーEマウントアダプター 内蔵ヘリコイドでのピント合わせ可能
更新履歴
- 2024.2.4
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