LEICA M typ240

迷い多いデジタルMの異端児

LEICA M typ240のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影レンズはズミルックス M 35mm ストッパー付き

レビュー

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1.カメラ概要

ライカM typ240は35mm判フルサイズセンサーを搭載したライカMマウントのデジタルカメラの2代目となる。

問題のあったライカ M9のコダックセンサーから、センサーメーカーを変更して、新しい世代の2400万画素CMOSセンサーを搭載した。

M typ240はカメラ厚みが話題になるが、トップカバー部分が39mm、最大厚みが42mmと凹凸のないフラットなデザインが、カメラをより厚く感じさせる。これはカメラの基板や機構を納めるために必要な容積を確保するためと考えられる。

カメラ名カメラ厚み(mm)
フィルム M33.5~38
ライカ M8、M937(トップカバー厚)
ライカ M、M-P39(トップカバー厚)
42(最大厚)
ライカ M10、M10-P33.7(トップカバー厚)
38.5(最大厚)
ライカ M11、M11-P33.7(トップカバー厚)
38.5(最大厚)

このライカMのネームはM9のあとのモデルでM10になるかと思っていたら、M単体表記となりtyp240というサブネームがついた。サブネーム方式は後継のカメラでも使われているが、その表記は徐々に小さくなり、型番表記には残っているが、表にでてくることはほとんど無く事実上廃止されている。これはライカ社によくあるネーミングのブレだろう。

ライカ M typ240シリーズは、M10以降のカメラに搭載されなくなるビデオ録画機能がついており、フルHD画質のビデオを撮ることができる。ただし、同じM型番の液晶モニターを持たないLEICA M-D Typ262はビデオ録画機能も省かれている。

ライブビューに対応しており、背面液晶を利用するほか、EVF2と呼ばれる電子ビューファインダーも提供された。これはオリンパスのVF2と同じもので、信号処理などもまったく同じのようでオリンパス製をそのまま使うことができる。後継のVF3、VF4とは互換性なないため利用できないので注意が必要である。また、ビデオ撮影機能と同様にLEICA M-D typ262はEVF端子が無いためEVFの使用ができない。

レンジファインダー部の仕様で重要なファインダー倍率は0.68倍であるが、フィルムM6の0.72倍と比べて小さく見えるようには感じられなかった。ブライトフレームは採光式からLED式に変更され、カメラ前面にはファインダー窓、距離計窓だけになり採光窓が無くなっている。

イメージセンサーはライカ M typ240シリーズに関しては、デジカメWatch の記載に「ベルギー、CMOSIS社の有効2,400万画素CMOS「LEICA MAX 24 MP CMOSイメージセンサー」」とあり、設計はCMOSIS社で、製造はSTMicrosystemsとの情報が確認できる。
M10以降のカメラに関してはセンサーの設計、製造に関する会社名が出てくることは無くなった。

2.使用感

2400万画素のセンサーを積んでいるので、日常の仕様にはまったく不満はない。
カメラのレスポンスも電源を入れてから撮影可のになるまでの時間は、レンジファインダーで使うかぎり問題はない。ただし、EVFのLeica EVF2を装着して、EVFを使用しながら撮影していると、撮影レスポンスがあきらかに悪くなる。ライカ Rマウントの母艦として使用していたが、LEICA SL typ601で使うのとは雲泥の差で、こちらでライカRマウントレンズを使うことは止めてしまった。

カメラの心臓部であるセンサーをCMOSセンサーへ変更したことが、一部のCCDセンサー愛好家には不評であるが、撮影した結果をみると調整次第で画像の味付けは変えることができるので大きな問題ではないだろう。

しかし、このカメラもすでに10年以上前の物になり、全体的な仕様に古さが感じられる。最低感度はISO 200スタートで若干高感度だが、正しい設定で撮ればハイライト部に飽和を感じることもなかった。

このカメラの問題と感じたのは、後玉がセンサー付近に近いレンズ、たとえばスーパーアンギュロン M 21mmなどのレンズで、画像周辺に派手なカラーキャストが発生することだ。画面周辺に現れるシアン色は背面液晶では目立たないがPCモニターでも見るとはっきりわかるので、撮影後にがっかりすることがあった。

M9から引き続く、0.68倍のファインダーは可もなく不可もなくという感じで大きな不満はないが、絞り開放F値が小さなレンズではピント精度に不安がある傾向は変わっていない。

落下や擦り傷からカメラを保護のために、撮影時はボディケースを装着していた。そのため、もともと分厚いボディが、さらに厚くなり軽快感のないカメラを使っていた。この状態でのカメラ厚みは小型の一眼レフ程度になる。しかし、重厚なカメラの極にいるLEICA S typ007と比べると厚みは薄い。

比べる対象が超巨大ボディのカメラというのはライカ製デジタルカメラの中でM typ240よりも分厚いのは、SLシリーズとV-LUXシリーズくらいしか無いためだ。

ライカM typ240シリーズが好きで、ノーマルのM typ240、M-P サファリモデル、M-P シルバーと3台を使った。先述したとおり、分厚く感じられるボディはユーザーの評判はいまひとつで、中古市場においてもデジタルM型ライカの中では安い部類に入る。しかし、この厚めのボディに感じる剛性感と、凹凸のないミニマルなデザイン、手になじむ形状は気に入っている。
カメラとして、洗練されているとは言いがたいが、M10、M11よりアナログ臭さが残っているところは気に入っている点の一つだ。

3.デジタル時代の迷い

<作成中>

仕様・比較

モデル名M9M typ240M10
カメラ有効画素数1800万画素2400万画素2400万画素
記録画素数3,916 x 2,6345,976 x 3,9925,976 x 3,992
映像素子CCD
KODAK KAF-18500
CMOS
センサーサイズ35mm Full size
35.8 x 23.9mm
最低感度160200100
背面液晶サイズ2.5
通常ガラス
3.0
92万ドット
3.0
104万ドット
ファインダー倍率0.680.680.73
EVFなしEVF2VISOFLEX
VISOFLEX2*1
最高シャッター速度1/4000
バッテリー Leica 14464BP-SCL2 *2BP-SCL5 *2
タッチスクリーンなし
メディアSD,SDHCSD,SDHC,SDXC
リリース年2011.6.302013.3.202017.01.28
サイズ139 x 80 x 37142.0 x 88.5 x 39.5139×80×38.5
重量(g)(バッテリー含む)585680660
*1 最新ファームウェアへの更新が必要、表示は240万ドットに制限
*2 楽天アフィリエイトリンク

オプション

  • LEICA M ハンドグリップ(下面カバーを取り替え)
  • LEICA M マルチファンクションハンドグリップ(下面カバーを取り替え)
  • サムズアップ

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.06.13

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