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2017年発売のLEICA M10をライカ純正Mマウントレンズで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のレンズを使用した。
- LEICA SUMMILUX M 50mm F1.4 ASPH.
- LEICA SUMMICRON M 35mm F2 with Goggle
- LEICA ELMARIT M 28mm 1st
- LEICA SUMMILUX M 35mm ASPH.
- LEICA NOCTILUX 50mm F1 3rd
レビュー


1.概要
LEICA M10は、2017年にリリースされた「ライカM」の正式なナンバリングを引き継ぐカメラだ。タイプ表記も残っており、型番は「typ 3656」となる。
ライカMシリーズというカメラの特性上、撮影機能に大きな進化はなく、細部のブラッシュアップが主な改良点となっている。
前モデルのM Typ 240からの大きな変更点としては、ボディのトップカバーの厚みがM6などのフィルムカメラ並みとなり、カメラの重量も少し軽くなったことだ。しかし、フィルムカメラよりも液晶ディスプレイ部分が厚いという、デジタルカメラならではの欠点が残っている。
カメラの心臓部であるイメージセンサーの画素数は、M typ 240から変化がなく2400万画素である。しかし、ライカは改良された新型センサーとアナウンスしているため、センサーが変更されたことは間違いない。その一端として、撮影の基準ISO感度が、LEICA M typ 240のISO 200から、LEICA M10ではISO 100に変更されている。
ライカは、M typ240まではセンサー情報に関する情報を公開していたが、M10以降のカメラに搭載されるセンサーについては、設計・製造に関わる会社名を公表しなくなった。
M typ 240で不要と言われたビデオ録画機能は廃止されたが、ライブビュー機能は残されている。また、背面液晶のほかに、240万ドットの電子ビューファインダー「VISOFLEX(18767・typ 020)」が提供されている。このVISOFLEXは、ライカTシリーズやレンズ一体型カメラのライカXでも使用できる。また、M11と同時に発売になった359万ドットのVISOFLEX 2もM10で使用できるが、利用にはファームウェアのアップデートが必要で、さらに使用時にはVISOFLEX 2の中央部240万ドットしか使えないという制限がある。
レンジファインダー部の仕様として、重要なファインダー倍率は0.73倍でフィルムM6の0.72倍と同等のスペックとなった。ブライトフレームのLEDファインダー方式は引き続き採用されている。先行機種のM typ 240の0.68倍から0.73倍と少し上がったものの、M typ 240と比較してファインダーの見え方に大きな変化は感じられない。
ライカM10は、外観をフィルムカメラに近づけることに注力したカメラであり、バッテリー容量には妥協が見られる。
M10が採用した薄型のBP-SCL5というバッテリーは、容量1100mAh、電圧7.4Vで、LEICA M typ240とLEICA M11のバッテリー(容量1800mAh、電圧7.4V)の2/3の容量となっている。このため、ライブビューを使わない場合でも、M typ240とM11に比べて撮影枚数が少なくなる。
2.使用感
LEICA M10の操作上の改良点は、ISO変更ダイヤルがカメラトップの左肩に新設されたことだ。また、LEICA M typ 240までは設定が少々面倒だった露出補正が、ダイヤルに割り当てられるようになった。
しかし、その事実を認識する前に、LEICA M10を手放してしまった。
それでも、LEICA M8、M9、M Typ 240では露出補正が必要な場面でフルマニュアルかAE(Automatic Exposure、自動露出)ロックで撮影していたため、M10でもそれが当たり前のように使っていた。
日本カメラ式の露出補正ダイヤルの割り当てはユーザー要望に応えた結果だと思われるが、ライカも商売上ニーズの多い機能は取り込まなくてはならないのだろう。明示的にダイヤルを新設しないのはライカのプライドだろうか。
描写性能については、LEICA M Typ 240の2,400万画素から据え置きなので、低ISO感度で使っている限りその写りに違いは感じない。これは、旧カメラから買い換えたユーザーが色バランスに悩まないための措置と考えられ、歴史を積んできたカメラとしては妥当な進化と言える。高感度に関しては、ISO 800ですらほとんど使わない低感度優先の撮影者なので、違いはわからない。
本ページを作るためにSUMMILUX M 50mm ASPH. の画像を眺めていると、F1.4までのレンズを使うのであればピント精度も十分で、問題なく撮影できることがわかる。しかし、さらに大口径のNOCTILUXやMs-optics ISM-GAなど、絞り開放値がF1のレンズで二重像合致により確実にピントを合わせることは、撮影者の修行不足もあるだろうが、困難であった。
ピントを合わせる速度という点では、レンジファインダーの二重像合致式は撮影者の技量次第で素早いピント合わせが可能だ。しかし、厳密なピントを求める場合、二重像合致によるピント精度は十分とは言えない。カメラの特性を理解し、人間側で微調整を行うようなアナログ的な技術が求められる。
もちろん、M10に後付けできるVISOFLEXを購入した。しかし、LEICA M10にVISOFLEXを装着するとカメラのスタイルが悪くなるし、後付けのVISOFLEXを使用するとカメラのレスポンスに悪影響があり、レンジファインダーを使っているときと撮影感覚が異なるため、違和感を覚えた。そのため、M10にVISOFLEXを付けて使うことはほとんどなかった。
また、LEICA M10では、LEICA M8から続くバッテリー収納用のカメラ下面カバーの運用方法が変更され、下面カバーを装着しなくてもカメラが動作するようになった。このため、一部のレザーケースでは、下面カバーを装着しない運用を前提としてケース下部に開閉式の扉が設けられ、下面カバーを外さずにバッテリーを交換できるようになっている。
3.まとめ
LEICA M10をまとめると、現在の二重像合致方式を使う限り、画素数は十分である。高画素化と二重像合致方式を続けるならば、技術のブレークスルーによるピント精度の向上が必須であると考えられる。
バッテリーには改善の余地があり、後継機のM11では容量が向上している。
ボディサイズについては、液晶ディスプレイの厚みをなくすか取り除くことで、フォルムMライカと同じ厚みのカメラの登場が待たれる。これはM10-Dで実現されている。
Leica M10以降のカメラは、画素数アップがメインになり買い換えるモチベーションがなくなった。そのため、Leica M10は私が使用した最後のデジタルレンジファインダーカメラであり、その使用に区切りを付けさせてくれたという意味で印象に残っている。
仕様・考察など
この思想を推し進めたLEICA M11は、フィルム時代からの伝統である下面カバーを廃止した。ライカの個性と言われていた下面カバーだが、2006年のLEICA M8の発売から11年の歳月を経て廃止されたことになる。このギミックに固執したのはライカのこだわりと思われるが、もっと早く廃止されても問題はなかった。
M10とEVF搭載カメラを併用して違和感を感じたのは、以下の4点とその理由である。
- EVFの優位性
- EVFのピント拡大機能でフォーカス位置を確認すると、大口径レンズではフォーカスリングをわずかに回転させるだけで、ピント面が変わっていくことを肉眼で確認できる。拡大位置も任意に選択でき、手ブレがなければ、ピント位置で失敗する可能性は低い。
- 外付けEVF
- デジタルMには外付けEVFを装着できるが、EVF一体型のカメラと比べるとデザイン的に統一感に欠け、カメラバッグへの収納時に邪魔になる。
- レンジファインダー精度
- M3から使われている技術の延長上にあるため、機能的な進歩が見られない。二重像合致では、EVFと同等のピント精度を求めるのは難しい。
- 高価格
- レンジファインダーの機構を搭載するコストを削減することは難しいため、EVF搭載のSLシリーズやHASSELBLAD、FUJIFILMの中判デジタルカメラよりも高価である。
そして、2025年にライカMシリーズ初の電子ビューファインダー内蔵カメラ「ライカM EV1」がついにリリースされた。ファインダー部分が電子ビューファインダーとなったことで、二重像の呪縛から解き放たれた代わりに、単なるミラーレスカメラになった。
価格はアナログファインダー搭載モデルとほぼ同じに設定されているため、ユーザーがアナログファインダーと電子ビューファインダーをどのように評価し、販売比率がどのように変化するのかを測る、試験的なカメラであることがわかる。
| モデル名 | M10 | M10-R | M11 |
| カメラ有効画素数 | 2400万画素 | 4089万画素 | 6030万画素 |
| 記録画素数 | 5,976 x 3,992 | 7,864 × 5,200 | 9,528 x 6,328 |
| 映像素子 | CMOS | CMOS | CMOS |
| センサーサイズ | 35mm Full size 35.8 x 23.9mm | 35mm Full size 35.8 x 23.9mm | 35mm Full size 35.8 x 23.9mm |
| 最低感度 | 100 | 100 | 64 |
| 背面液晶サイズ | 3.0 104万ドット | 3.0 104万ドット | 2.95 233万ドット |
| 液晶カバーガラス | ノーマルガラス | ノーマルガラス | Gorilla®ガラス |
| ファインダー倍率 | 0.73 | 0.73 | 0.73 |
| EVF | VISOFLEX VISOFLEX2*1 | VISOFLEX VISOFLEX2*1 | VISOFLEX2 |
| 最高シャッター速度 | 1/4000 | 1/4000 | 1/4000 |
| 内蔵メモリー | なし | なし | 64GB |
| バッテリー | BP-SCL5 *2 | BP-SCL5 *2 | BP-SCL7 *2 |
| タッチスクリーン | なし | あり | あり |
| メディア | SD,SDHC,SDXC | SD,SDHC,SDXC | SD,SDHC,SDXC |
| リリース年 | 2017.01.28 | 2020.7.24 | 2022.1.21 |
| サイズ | 139×80×38.5 | 139×80×38.6 | 139×80×38.7 |
| 重量(g)(バッテリー含む)・ブラック | 660 | 660 | 530 |
| 重量(g)(バッテリー含む)・シルバー | 660 | 660 | 640 |
オプション
- LEICA M10 ハンドグリップ(下面カバーを取り替え)
- VISOFLEX / VISOFLEX2
- サムズアップ
参考情報
- WikipediaによるLEICA M10の説明ページ
- LEICA M system・公式ページ
- LEICA M10-R・公式ページ
- LEICA M11・公式ページ
- LEICA SUMMILUX M 50mm F1.4 ASPH.・Shige’s hobby
- LEICA SUMMICRON M 35mm F2 with Goggle ・Shige’s hobby
- LEICA ELMARIT M 28mm 1st ・Shige’s hobby
- LEICA SUMMILUX M 35mm ASPH. ・Shige’s hobby
- LEICA NOCTILUX 50mm F1 3rd・Shige’s hobby
- LEICA M typ240・Shige’s hobby
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更新履歴
- 2025.4.28
- 2024.8.6
- 2024.04.07


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