SUMMILUX-M 1.4/35 ASPH.
ズミルックス-M 35mm ASPH.をライカMデジタルカメラで使用した記録
目次
<ギャラリー / LEICA M10>
<レンズの印象>
非球面化されたSUMMILUX-M 35mmの2代目、チタンカラーバージョン。
写りは絞り開放からよく解像し、鮮やかな発色、歪曲、湾曲もよく補正された隙の無い描写は50mm F1.4ASPH.に通ずる雰囲気がある。過去の写真データを見ていると、雨の日に持ち出すことが多かったようで、雨の艶っぽさを上手に表現してくれるレンズだと感じる。
レンズ構成は、前玉が凹レンズで、前群の4枚と、非球面レンズを除く後群の4枚で対象型をとっている。このレンズ以降の新型はフローティング機構が採用され、近接撮影時の画質が改善されていると言われている。
レンジファインダーレンズの中では、最後の一本に限りなく近かったレンズ、ズミルックス35mmは球面タイプも所有しており、どちらを残すか悩んで球面タイプを残した。
非球面タイプは非球面タイプとくらべると、絞り開放から使えて最短撮影距離が0.7mと優れている。レンズ本体が大きめでデザインが平坦なこと、ヘリコイドのフィーリングが今ひとつだったのが個人的には不満点だった。
M9/M/M-P/M10とフルサイズデジタルライカ、M6とフィルムでの撮影、かなり使い込んだ思い入れがあるレンズだ。
所有していたレンズは、フードがバヨネット式の旧型で、フードがねじ込み式になった新型はフローティング構造で近接時の写りが良くなったとの情報を見たことがあるが、新型を使っていないので真偽は不明である。新型はブラックとシルバーがリリースされている。
入手はM6チタンボディと一緒に、おなじくチタンカラーのSUMMILUX-M 50mm / F1.4とこの35mmの3つを同時に購入した。3つで50万円を切っていたので、現在の価格からするとかなり安い価格で購入できた。
初代のASPHERICAL表記のSUMMILUX-Mもこのレンズを購入した当時はギリギリ買える値段だったけれど2本ほど見送ったら、いまに至りとても買える値段ではなくなっている。
撮ることだけを考えると28mm/35mm/50mmとSUMMILUXで揃えたらあとは何もいらないという気がする。
2010年に3代目にリニューアルされたSUMMILUX-M 35mmは2022年に4代目へリニューアルされた。4代目の売りは、ミラーレスカメラでの使用を考慮し最短撮影距離が0.4mに短縮されたことだ。フードは組み込み式で引き出し後にねじって固定するSUMMILUX-M 50mm ASPH.と同じ機構に改められ、絞り羽根も11枚に増えている。レンズ構成はこの2代目から変わっておらず、レンズコートの進化や機構のブラッシュアップ程度と考えられる。お値段は約80万円。


<レンズの仕様>
焦点距離35mmのライカ M マウントレンズ。
1994〜2010年までつくられた。
マウント形状が新しいためレンズ認識用6bitコードを付加する公式改造は可能である。
ブラック、シルバー、チタンの3色がリリースされており、合計2万本近く製造されている。そのうち、シルバーは3000から4000、チタンは1000〜2000程度とリストからは読み取れる。
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 35 | |
最大絞り | 1.4 | |
最小絞り | 16 | |
レンズ構成 | 5群9枚 | |
絞り羽根枚数 | 9 | |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 全域カメラ距離計連動 |
レンズ長(mm) | 34.5 | マウント面からの距離 |
レンズ最大径(mm) | 53 | フォーカスレバーは除く |
フィルター径(mm) | E46 | |
重量(g) | ブラック:250 | シルバー・チタン:415 |
<参考文献・リンク>