SUMMILUX & 35mm FF LEICA Q typ116

LEICA Q typ116 のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
レビュー

1.概要
LEICA Q typ116は2015年にリリースされた、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサー、SUMMILUX 28mm F1.7レンズ、368万ドットEVFを搭載したレンズ一体型コンパクトデジタルカメラ。
主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。
- 2420万画素・35mmフルフレームセンサー
- SUMMILUX 28mm F1.7レンズ
- ビューファインダー 368万ドット LCD
- 背面ディスプレイ 3.0インチ(固定)104万ドット
- 最短撮影距離 マクロモード時0.17m
- バッテリー BP-DC12
- フィルター径 49mm
2.使用感
LEICA Q typ116の描写はM型ライカ、ライカ SLで定評のある2400万画素の35mmセンサーを積んでおり、安定した描写をする。レンズのイメージサークルにも余裕があみられ、画面隅まで破綻のない描写をする。
撮影機能も充実しており、ライカMと同様にシャッタースピード設定ダイヤルは独立しており、それに加えて、露出補整設定などが使える多機能ダイヤルを1つ備えている。背面のボタン配置もすっきりしているため、操作に戸惑うことは無い。
オートフォーカス(以下、AF)とマニュアルフォーカス(以下、MF)の切り替え、マクロモードはレンズ鏡筒の指掛かりにあるノッチでおこなう。
AFの合焦速度はマクロ域以外はそこそこのスピードと精度をもっている。しかし、すこし複雑な背景で撮影すると、ピント位置が狙ったとおりのところを捉えられないことがあった。
また、背面液晶の表示は拡大しないと厳密なピント位置が確認できないため、プレビューを見て安心しているとPCで拡大すると、狙ったところとは違うところにピントが合っておらず、がっかりすることがあった。過去のデータを見返すとピント位置が残念な写真が散見される。
カメラは手ブレ補正を装備しているので、スローシャッター、室内、夜景などの暗所で手ブレに悩まされることはほとんどなかった。35mmフルフレームセンサーを搭載しているため、高感度にも強く、夜景や暗所でも安心して撮影できる。
スペックとスタイルが気に入ったので発売後少しして製品供給が安定した頃に購入した。
センサーはリリース時期と仕様からM typ240と同じセンサーと思われるが、専用レンズと画像処理のマッチングから、より最適化された画像を得ることができるのだろう。M typ240でQと張り合おうとするとかなり高級なレンズを用意する必要がある。
オリジナル焦点距離28mmに対して、35mmと50mmのクロップ機構を備えているが、撮影結果のJPEG画像は指定サイズでトリミングされた結果で保存されるが、RAW画像はオリジナルの28mmで保存される仕様となっている。RAW画像の記録もメニューから指定したクロップサイズでの保存を選択できれば良いと思うがそのような機能はなかった。
LEICA Qのバッテリーの型番はBP-DC12でCL typ7323、V-LUX4、V-LUX(typ 114)、V-LUX5と共通となっている。このバッテリーのオリジナルはパナソニックのDMW-BLC12で、シグマのBP-51も同じ形状と電池スペックを持っている。そのため、互換バッテリーも多くリリースされており、電池の入手に困ることは無い。
LECIA Q2はライカオリジナルのBP-SCL4となり、純正バッテリーのみで互換製品はない。
出張や旅行のときには、ライカ SL typ601と同等の画質を持ち運べるため重宝した、組み込みレンズのスペックが優秀で焦点距離28mm、F1.7のレンズを搭載して、このサイズを実現しているのは称賛しかなく、レンズ交換式の単焦点レンズの場合このスペックでこの価格を実現するのは難しいと思う。
ミラーレスカメラのライカ SL向けズミクロン・28mm F2は、このレンズの3倍くらいの大きさで、価格はこのカメラが買えるくらいの価格になっている。
LEICA Q2発売直前に言い方は悪いが部品の在庫処分のような形でLEICA Q-Pが発売された。このカメラは外装に赤バッチが無いという外観の違いのみで撮影機能の差はQ typ116と違いは無い。
2025年現在、LEICA Qは30万円以上で安定しており、LEICA Qを所有していた当時、LEICA M typ240、LEICA SL typ601と併用していたので、カメラの持ち出し機会が限られてしまい、使用頻度が上がらないため何かを買うために売ってしまった。20万円くらいなら買い直してもよいと思っていたが、円安やライカ製品の値上がりにつれて中古価格も下がらなくなり買い戻しが現実的ではなくなっている。
3.まとめ
結論としてLEICA Q typ116をまとめると、M型ライカにEVFと高性能レンズを装着した高性能デジカメ。レンズ一体型カメラが持っていると嬉しい機能が詰まったレンズ一体型デジタルカメラで、明るいレンズを搭載しているため、レンズ部分は比較的大柄だけれど、カメラ製品としてよく考えられた構成をしている。
バッテリーにパナソニックなどと互換の比較的汎用な角形バッテリーを採用しているため、バッテリーの入手に困ることがない点が良い。
仕様・考察
LEICA Qシリーズに関してはQ2の頁で記したので、こちらでは同様のコンセプトのカメラとしてソニーから発売されたRX1シリーズについて記す。
ソニー RX1シリーズで始めてリリースされたカメラは、2012年発売のRX1となる、その1年後にローパスフィルターを取り除いたRX1Rが発売される。RX1とRX1Rの違いはローパスフィルターの有無だけである。
初代RX1はLEICA Q typ116より3年早くリリースされ、カメラ特徴はQシリーズ同様に35mmフルフレームセンサーを搭載しているけれど、レンズの焦点距離が35mmとQシリーズの基本である焦点距離 28mmより望遠寄りのレンズを採用している。そして、大きな違いはEVFが標準で搭載されておらず、マルチインターフェースシューにオプションで装着する236万ドットのEVF 型番:FDA-EV1MKが用意されている。このEVFはα NEX-5Nなどいくつかのカメラで使える汎用的なEVFだ。
両カメラのサイズを比較するとRX1が小さいけれど、前述のとおり初代RX1はEVFは未搭載だ。
しかし、後継のRX1R II、RX1R IIIは、初代RX1とほぼ同サイズでEVFを内蔵しているため、総じてRX1シリーズはQシリーズと比べてコンパクトと言える。
RX1シリーズの問題点としては、カメラ体積を減らすために容量の小さなバッテリーを採用していることだ。
これはソニーが自社の省電力技術に自信からくるものと推察されるが、初代RX1のバッテリー NP-BX1はバッテリー容量が4.5Whで、LEICA Q typ116のBP-DC12は8.7Whなので容量は6割程度だ。
バッテリー容量が小さくても、カメラの消費電力が少なくて撮影枚数が実用的であれば、それは問題にならない。
仕様によると初代RX1の公称撮影枚数は270枚となっており、より大容量のバッテリーを積んでいるLEICA Q typ116と同じ枚数である。しかし、この270枚という数字はEVF未装着時の枚数であり、EVFを搭載したRX1R IIの仕様を見ると、撮影時にEVFを使用すると撮影枚数が30枚程度減ることから、RX1 / RX1Rにおいても外付けEVFを装着して使用すると撮影可能枚数は270枚から240枚以下に減ることが予想される。それでも、200枚撮れれば36枚撮りで5本分の枚数なので、通常のスナップ撮影では十分な枚数と言える。
RX1R IIも採用バッテリーはRX1と同じNP-BX1である。その後継となる13年越しの2025年8月8日に発売されるRX1R III(DSC-RX1RM3)において搭載するバッテリーが更新された。
採用したバッテリーは古いミラーレスカメラα7シリーズのNP-FW50だ。このバッテリー容量は7.3Whとなっている。
このバッテリー採用について考えると、RX1R IIIのような趣味性の高いカメラを購入するユーザーはメインカメラとしてα7RIII以降の新しいミラーレスαを使用していることが多いのではないだろうか?そちらで採用されているより高容量16.4WhのNP-FZ100を採用しないことについて、バッテリーサイズを比較するとNP-FZ100は W38.7× H22.7 × D51.7mm、NP-FW50はW31.8 × H18.5 × D45mmで、NP-FZ100はNP-FW50と比べて幅と奥行きが6mm、高さが4mm程度大きいことがわかる。ソニーとしては、カメラサイズをRX1シリーズで揃えたいという意図を優先したため、NP-FW50を採用したと考えられるが、やはりより高容量のNP-FZ100を採用したほうが、よりベターなカメラになったと思われる。
また、RX1R IIIは35mmレンズを踏襲しているが、6000万画素に向上しているため、画像切り出しをおこなっても残る画素数がかなりあるので、希望としては焦点距離24mmのレンズを搭載し、48mm相当、72mm相当でクロップできれば嬉しい。望遠側はクロップで対応できるけれど、広角側はワイドコンバーターを取り付けるという手間がいるため、最初から焦点距離が短い方が望ましい。
LEICA Qシリーズと比べると、SONY RX1 / RX1Rは10万円程度から中古があり安価に購入できる。RX1RM2は20万を切ることはないため高値安定の状態である。2025年にRX1RM3が発売され中古の価格が下がるのかは興味がある。
RX1シリーズを購入していないのは、焦点距離35mmに魅力を感じないためである。FUJIFILMのF100もLEICA Xシリーズも使用してみたが、焦点距離35mmには魅力を感じなかった。レンズ一体型カメラの場合は28mmより広角なレンズを搭載したカメラに惹かれる。
RX1とRX1M2はEVFを内蔵したことにより若干レンズのレイアウトが変わっている。センター位置がRX1M2の方がカメラ中央に寄っている。3つめに比較画像を置く。






- カメラ画像は各社の公式ページから引用した。
項目 | LEICA Q | RX1 / RX1R |
レンズ | ズミルックス | ゾナー |
レンズ構成 | 9 群11枚 非球面レンズ:3 枚 | 7群8枚(AAレンズ含む非球面レンズ3枚) |
焦点距離 | 28 | 35 |
開放F値 | 1.7 | 2 |
最小F値 | 16 | 22 |
絞り羽根 | 9 | 9 |
最短撮影距離 | 0.3cm~∞ 0.17cm~∞(マクロ) | 0,3m-∞ 0,2m-0,35m |
疑似焦点距離 | 35/50 | スマートテレコンバーター 1.4倍(50) / 2倍(70) |
画素数(MP) | 24.2 | 24.3 |
センサー | 35mm フルサイズ | 35mm フルサイズ |
ファインダー | 368万ドット LCD | 後付け 235万ドット FDA-EV1MK |
液晶 | 3.0(固定) 104万ドット | 3.0(4:3 固定) / 123万ドット |
シャッター | 30~1/2000 秒 | 30秒-1/4000秒 F2=上限1/2000秒 |
電子シャッター | 1/2500~1/16000 秒 | – |
フィルター径 | 49 | 49 |
バッテリー | BP-DC12 7.2V 1200mhA 8.7Wh | NP-BX1 3.6V 1240mhA 4.5Wh |
公称撮影枚数(枚) | 270 | 270 |
ワイヤレス給電 | – | – |
メディア | SDXC | メモリースティックDuo SDXC |
サイズ(幅 x 高 x 奥)mm | 130 × 80 × 93 | 113.3 x 65.4 x 69.6 |
重量(バッテリー込み)g | 640 | 482 |
リリース年 | 2015.6.20 | 2012.11.16 |
カラー | 黒、シルバー、チタン、サファリ、etc | 黒 |
オプション
- グリップ
- 革ケース
- サムレスト
- 角形フード
参考情報
- Leica Q review by Photo yodobashi
- BP-DC12・ライカ公式ページ
- BP-SL4・ライカ公式ページ
- BP-SL6・ライカ公式ページ
- SONY NP-FW50・ソニー公式ページ
- SONY RX1・ソニー公式ページ
- SONY RX1M2・ソニー公式ページ
- SONY RX1M3・ソニー公式ページ
- LEICA X1・Shige’s hobby
- LEICA X2・Shige’s hobby
- LEICA X・Shige’s hobby
- LEICA Q・Shige’s hobby
- LEICA Q2・Shige’s hobby
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- 2025.7.21
- 2025.3.21
- 2024.04.08
- 2023.7.16
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