LEICA S-E / S2

ライカ製デジタルカメラ・LEICA S-E / S2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

LEICA S2のボディはでかい、弁当箱を抱えているようなサイズ感。
シャッター音はそれほど大きくないが、巨大なミラーが上下する振動は感じる。
ハッセルブラッドのレンズシャッター付きレンズを使用しているが、カメラの測光がミラー経由なので、シャッターを切ると最初にミラーアップ、レンズシャッター動作なので、通常のメカシャッターを使っている感覚とあまりかわらない。カメラの仕様上ミラーレスカメラのような、レンズシャッターのみ使う運用は無理なので、このようになるのは仕方が無い。ストロボシンクロの用事以外では積極的にレンズシャッターを使うことは無い。
シャッターモードの切り替えは、電源ボタンの位置で変化し、電源レバーをCS(セントラルシャッター)へ選択するとレンズシャッターを使用、FPS(フォーカルプレーンシャッター)を選択するとボディのシャッターを使用する。
標準添付のバッテリーチャージャーを使う場合、バッテリーの四角いくぼみに充電器の端子を突っ込む形式で、昔のDMR(Digital Module R)と似た感じだ。
LEICA Sは純正でマウントアダプターが提供されており、ハッセルブラッドHレンズを装着する、16030 ライカSアダプターHを購入した。
純正アダプターはとても精巧に作られており、Hレンズをがっしりと受け止める。
ファームウェア2.5があるようだが、LEICAサイトに見当たらない。ファームウェアはユーザー登録したところからしか入手できないとの情報を見かけた。S3通常のWebサイトからダウンロードできるようなので、ポリシーがかわったのかも知れない。ライカの製品登録をしてみたがファームは見つからなかった。
アメリカのダウンロードサイトに、S2/S typ006/S-E typ006/S typ007のファームが落ちているサイトを見つけた。

到着直後に手持ちのHレンズを動作させた結果を載せる。
*1のHCD24mmは動作リストに無いが普通に使用できたが、絞りとレンズ情報が伝達されないようでExifにも記録が残らない。
HC35mmはFUJIFILMブランドだが問題なく動作した。
動作リストにあるように、エクステンションチューブH、テレコンバーターH x1.7を使用すると、レンズ認証が出来なくなり、正常に動作しない。

レンズ名AFシャッター
HCD24mm○*1○*119.1
HCD28mm19.1
HCD 35-90mm19.1
HC35mm(Fuji version)9.0
HC50mm-II19.1
HC 50-110mm10.0
HC80mm10.0
HC100mm19.1
HC120mm Macro-II19.1
HC150mm10.0
HC210mm12.0
HC300mm19.1


HASSELBLAD Xシリーズではオレンジドットと呼ばれる新レンズしかAFは使えないが、LEICA-S-EはS-Hマウントアダプターを使うと古いHレンズでAF動作可能である。
Xシリーズでは、どうやってもMF以外動作しない、HC120mmIIもAF可能なことに驚いた。
手持ちのレンズでは△三角マークのHC 50-110mmとHC210はAFが不動でレンズを認識しなかった。レンズに問題があるのかと思ったが、National photoのWebサイトで以下の注意書きを見つけた。3項目目に当てはまっているようである。
ファームウェアを調べたところ、それほど古くもないので、レンズのAFモーターが死んでいるような気もする。

  • 最新のカメラボディファームアップが必要です。
  • ハッセルブラッド・ティルトシフトアダプターHTS 1.5は使用できません。
  • ファームの古いハッセルHCレンズで、動作不具合や認識しない可能性があります。
  • FUJIFILM GX645レンズは未サポートです。動作不具合や認識しない可能性があります。
  • 距離計目測はズレる設計であると当社では判断します。

ライカSシリーズの情報を載せているサイトは日本国内では数える程度で情報量は少ない。
いくつかの個人サイトとカメラ屋のサイトで紹介がある程度だ(参考リンク参照)。

購入に至る経緯

とうとうSシリーズに手を出した、きっかけは地図の店で、S-Hマウントアダプターが75%オフだったのだ、Hレンズはコンプリートしているため、こいつとボディがあればシステム完成。
Hレンズを他のプラットフォームで利用する魅力に抗えなかった。
他のプラットフォームでHasselblad Hレンズを使用する場合、選択肢は3つ、純正のXシリーズ、FUJIFILMのGFXシリーズ、そしてLEICA-S、GFXはメカシャッターを装備しているが、センサー的にはX1D/X2Dとそれほど違いは無いので候補からは外れていた。
マウントアダプターをポチッたあとに中古市場でボディを探したところ、なかなかの状態のLEICA S-Eがあるではないか、これはこいつに呼ばれたと思うしかあるまい。ライカEモデルのグレーカラーも好みで、金策を考えつつポチッとボタンを押したが、LEICA S-EはCCDセンサー搭載の最終モデルでセンサーカバー剥離の危険性があり実際に剥離がでた場合は回避策を考えないといけない。
使用して数ヶ月で症状が現れたらしょうが無いかとも思っていたが、初日からセンサー剥離の疑いを発見、ミラーアップしてセンサー表面を確認するとあきらかに剥離している、到着後数日なので販売元に相談したところ、返品処理させてくれとのことで、残念ながら販売元に帰って行った。
ボディはなくなり、LEICA S用のHASSELBLADマウントアダプターだけが手元に残った。

それなりの中古価格でS2を見かけて懲りずに購入したが、センサークリーニングモードで見ると、先のS-Eよりもひどくセンサーコートはまさにぼろぼろ、しかも素人が拭き拭きしたあとも見えまくり、試しに白壁を撮ったが、センサーコート劣化の写り込みがすぎて野外に行く気にもならないので即返品。
最近の通販業界はせどりだけで全くチェックもしていない業者が跋扈しており、懸念点について確認し、返品の確約をとってからでないと買えない。今回も確認後に返品覚悟で買ってみたが敗れ去った。それなりに対応はまともな業者で無事に返品と返金はできたので結果オーライだが、あまり博打は続けたくない。最初からジャンク扱いで超安だとコート剝ぎに挑戦してもヨイ気はする。

センサー剥離については、2021年頃はLEICA FORUMで盛んにやりとりされていた。集めた情報には以下の通りである。

  • 交換済みのセンサーなら剥離しないはず。(古い投稿によるとオリジナルと同じものに交換されるので、結局時間が経てば剥離する)
  • センサーが交換されているかはライカカスタマーが把握しているので問い合わせると教えてくれる。
  • 実際にライカカスタマーで通販にでているボディについて、センサー交換したかを問い合わせると、結果を教えてくれた。
  • ライカカスタマー曰く、剥離するのはまれ(ホンマカイナとは思う)。
  • 保証期間をすぎたら、センサー剥離への対応は有償対応で各国の窓口の金額で対応する。
  • 修理は40万以上は見る必要があるとのこと。
  • S2/S,S-E typ006を元手に、S typ007への交換を狙うのがおすすめ

このセンサー問題のため、古いS2 / S-Eを使うのは厳しい感じがする。2023年現在、2009年のカメラを使う価値があるのかという問いをしているスレッドを見みたが、私はそのカメラに興味があり、正常に動作するなら、古い機種であれ使うことに意味と価値はあると思う。
ライカに関しては、Mシリーズは冷却期間、LシリーズはTシリーズのディスコンとSL2から進展がないので見送りムードで、Sを使ってみたかったが敗れ去った感がある。
パナS5IIのライカモデルがでると良いなとは思うがその望みも薄いと感じる。
日本製カメラの方が圧倒的信頼感と安心感はあるが、不安定でいい加減なカメラを使い慣れてくると、駄目な子を愛する心境とでも言おうか、これはこれでクセになる。

仕様

中判デジタルセンサー搭載一眼レフカメラ。
KODAK製CCDセンサー(KAF-37500)を搭載している。
レフの名の通り、シャッタ前にミラーを装備している。
レンズシャッターを使うこともでき、ライカ、ハッセルブラッドHのシャッター付きレンズでは、そちらのシャッターを使うことができる。撮影時にミラーアップをするので、レンズシャッターによるブレ軽減の恩恵をあまり受けることができない。

ItemsS2S/S-E(Typ006)S(Typ007)S3
有効画素数3750375037506400
センサータイプCCDCCDCMOSCMOS
記録メディアCF/SDHCCF/SDXCCF/SDXCCF/SDXC
重量1410126012601260
リリース年2009/102012/201420152018

オプション

  • 16038 ライカ SアダプターC
  • 16024 ライカ S アダプター V 
  • 16030 ライカSアダプターH
  • 16026 ライカ S アダプター P67
  • Metabones HV to L/S
  • Metabones P67 to L/S
  • 16011 ライカSシステム用 プロフェッショナルバッテリーチャージャーS
  • 16039 ライカ S用 バッテリー BP-PRO1

参考リンク

  • https://maenomeri.tokyo/leicas_living_1/
  • https://ichirophoto.org/category/leica/s/
  • http://photo.yodobashi.com/gear/leica/camera/s/index.html

更新

  • 2022.02.28:初稿

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