LEITZ SUMMITAR 5cm F2
生き残れなかった標準レンズ(3)
ズミター 5cm F2のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M9
レビュー
ズミター 5cm F2はライツ(ライカ)社が1938年にリリースした標準レンズ。
レンズ構成は先代のレンズ・ズマールと同様のガウス型レンズだが、一番前の玉が貼り合わせレンズとなっており、ズマールより1枚ガラスが多い特徴がある。
撮影結果は中央部分の描写はズマールと同程度だが、周辺部は整った描写をしており、ズマールより年数を経た進化を感じさせる。それでも、少し高い程度で購入できる沈胴タイプのズミクロンには及ばないと感じるため、実用的な50mm F2を求めるのであれば、少し高価でもズミクロンを選択するのがよいと考える。
ズミターはフィルターを装着するためのネジがレンズ前部から少し奥まったところに、36.5mmと特殊な径で切られており通常のフィルターを装着することができない。
ライカからは専用のフィルターが売られており、中古市場でもときどき見かける。
サードパーティーからは、36.5→39mm変換リングも売られており、こちらを使用すると一般的な39mmフィルターを装着できる。また、このフィルター部分はシュタインハイルのオルソスティグマット 35mmがおなじ規格を採用しており、ズミターのフィルター・アダプターリングが流用できる。
もちろん、いろいろなレンズを使ってみたいというニーズに対しては、中古市場に多く存在するため、レンズ状態を選ぶもことも容易で、レンズ価格が安価であるため、お試しで使ってみて気に入るとそれはそれでけっこうなことだと思う。
ズミターの製造本数は17万本であり、先代のズマールは12万本製造を上回る。これよりも多い製造数のレンズとしては初代ズミクロン50mm F2が総数25万本であるが、ズミクロンはさまざまなタイプが混在しており沈胴式、固定式、眼鏡付きなど大きく分類するとそれぞれの製造数は数万本となるだろう。レンズの特徴である沈胴式レンズの鏡筒を持つレンズとしては、このレンズの製造数が最も多いと推測される。
仕様
項目 | ヘクトール | ズマール | ズミター | ズミクロン |
焦点距離(mm) | 50 | ← | ← | ← |
最大絞り | 2.5 | 2 | 2 | 2 |
最小絞り | 18 | 12.5 | 12.5/16 | 16 |
絞り羽根 | 6 | 6/10 | 6 | 10/16 |
レンズ構成 | 3群6枚 | 4群6枚 | 4群7枚 | ← |
最短撮影距離(m) | 1.0 | ← | ← | ← |
レンズ長(mm) マウント面からの距離 | 32 | – | – | – |
レンズ最大径(mm) | 47 | 47.8 | 47.8 | 47.8 |
フィルター径(mm) | A36かぶせ | ← | 36.5 | 39 |
フード | FIKUS | FIKUS / SOOMP | SOOPD | SOOFM / IROOA / ITDOO |
重量(g) | 190 130 | 205 180 | 240 | – |
リリース年 | 1930 | 1933 | 1938 | 1951 |
製造本数 | 5,600 | 127,950 | 172,390 | 253,314 |
参考文献・参考リンク
- Leica Wiki Summitar 5cm F2
- クラシックカメラ選書 19 ライカレンズの見分け方(朝日ソノラマ)・アマゾンアフィリエイトリンク
- 仕様の記載と仕様の違いが記述されており、レンズ描写への言及はない。
- 付録にレンズ構成図が載っている。
- ライカのレンズ(写真工業社)・アマゾンアフィリエイトリンク
- ズミタールはP100に後藤九氏のレビューあり
更新履歴
- 2024.05.24
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