ゴーグル付き8枚玉 SUMMICRON 35mm

ゴーグル付き8枚玉 SUMMICRON 35mm

LEICA SUMMICRON M 35mm F2 ゴーグル付き(8枚玉)のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA M10

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

SUMMICRON 35mm F2メガネ付きはライカM3向けに作られたレンズで、M3の50mmファインダーを35mmに変換するメガネを装備している。

そのためM型ライカに装着したとき、ファインダー表示枠は50mmになるようにツメが作られており、M3以降のM型ライカボディにおいてもレンズを装着すると50mmの枠が表示される。

ゴーグル付きレンズは、LEICA M8、LEICA M8.2、LEICA M9、LEICA M typ240、LEICA M10、LEICA M11などのデジタルM型ライカボディへ装着でき使用に問題はない。

メガネ付きは最短撮影距離が0.65mとなっており、眼鏡なしの0.7mより5cm寄れる利点である。

レンズフードは鏡筒が初代ズミクロンと同一なので、フード名称:IROOAが使える。ストッパーがあるためフードの逆付けができないのは、ゴーグルなしのズミクロンと同じである。

with LEICA M10

2.使用感

SUMMICRON 35mm F2メガネ付きの描写は八枚玉そのもので、絞り開放の柔らかさから、絞って芯をだしても硬すぎない、絶妙な感じが味わえるレンズだ。

古いレンズなので、逆光時はフードをしていないと、ゴーストやフレアが発生することがあった。

逆光対策のフーとはSUMMICRONといえばIROOAだ。純正から互換品までたくさんの種類が売られている。
互換品の遮光性は形状の完全コピーなので問題なく、数個手に入れただけだが互換品IROOAで粗悪品にあたったことはない。眼鏡とストッパーがあるため逆付けはできない。

ゴーグル付きレンズも外観に関しては、塗装、ストッパーの手触りなど通常の8枚玉と同じで、違いは眼鏡のため見た目が仰々しくなるだけだ。

この眼鏡部分の縮緬塗装は仕上げも美しく、塗装皮膜も丈夫なようで、販売後の経年と入手してから頻繁にカメラバックから出し入れしているにもかかわらず剥げてくることはなかった。

3.まとめ

結論として、SUMMICRON 35mm F2メガネ付きをまとめると、伝説のM型8枚玉を安価に体験できるレンズ。
フィルムM型ライカ、デジタルM型ライカのすべてで装着互換性があるため、所有ボディを問わずに撮影を楽しむことができる。

2020年代に入り、ライカレンズ全般の価格が上昇していることもあり、このレンズも例に漏れず価格上昇している。

仕様・シリーズレンズ比較

8枚玉ズミクロンと非球面ズミクロンを比較してみた。変形ガウス型の8枚玉と最新設計の非球面ズミクロンのレンズ構成がまったく異なることがよくわかる。
非球面ズミクロンの図にあるold表記は、鏡筒形状についてフードがフック式の古いモデルをトレースしたのでoldと表記している。
また、6枚玉、7枚玉のレンズ構成図を見ると、この2つは8枚玉からコストダウンに重きをおいて作られていることも分かる。

Before imageAfter image

それぞれのズミクロンについて簡単に記す。

  • 6枚玉は玉数が少ないにもかかわらず人気が低いためかどの時代でもたのズミクロン35mmより安価で流通している。
  • 7枚玉は5万本と比較的製造されている割りには価格が高く次の非球面タイプと同程度の価格を維持している。
  • 非球面タイプは2024年現在も現行レンズで息が長く製造本数も多く、ライカの販売定価が上昇しているため中古価格もそれに合わせて上昇している。
  • アポタイプは完全に別世界のレンズで100万円オーバーとなっており、貧者のライカ使いには縁が遠くなっている。
項目ズミクロン(初代)6枚玉7枚玉非球面APO
焦点距離3.5(cm)35(mm)35(mm)35(mm)35(mm)
最大絞り22222
最小絞り1616161616
絞り羽根1010101011
レンズ構成6群8枚4群6枚5群7枚5群7枚5群10枚
最短撮影距離(m)0.7
眼鏡=0.65
0.70.70.70.3
レンズ長(mm)
マウント面からの距離
29332634.540.9
レンズ最大径(mm)5151525353
フィルターE39E39E39E39E39
フードIROOA12504
12585
12524
12526
12504
12585
12524
12526
12504
12585
専用ねじ込み
マウントMMMMM
重量(g)195 *170 *160 *255 *320 **
リリース年1958~ *1696〜 *1979〜 *1996〜 *2021〜
製造本数3.8万本程度 *2.8万本程度 *5万本程度 *11万本以上 *不明
*:数値はライカWikiより転載、値は細かな仕様違いについては載せていない
**:公式には重量の数値が発表されていない

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2025.5.10
  • 2024.12.16

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