LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. S-R24105

F4通しの標準ズームレンズ

パナソニック製LUMIX S 24-105mmのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はLEICA SL typ601

レビュー

レンズ写真はパナソニック公式サイトより引用

1.使用感

LUMIX S 24-105は、LUMIX S1のバンドルレンズとして売られたレンズで、単体で購入した人は多くないと思われる。絞り開放値はズーム全域でF4の通し、光学式手ぶれ補正も搭載しており、バンドルレンズとしては贅沢な造りだ。

ライカ SL typ601(以下、SL)は、2020年頃にライカRマウントレンズの救済のために購入して使っていた。ライカRマウントレンズなのでマニュアルフォーカス(以下、MF)レンズしかないため、SLのオートフォーカス(以下、AF)性能を試すために、レンズを1本くらい持っていてもよいとの気持ちになり、候補を探したところ、ライカ純正の標準ズームレンズ、バリオ・エルマリート 24-90mmは高価で費用効果に見合わなかったのでパスして、ちょうどLUMIX S1発売後少したった頃でこのバンドルレンズが中野のフジヤカメラに数本並んでいたので購入した。

LUMIX S 24-105をSLで使った感想は、フォーカスの合焦精度、合焦速度とも並み、遅いとは思わないがすごく高速と感じなかったが通常使用においては十分な性能だった。後に使用したライカ純正のLマウントのAFズームレンズと比較しても速度や精度は同等であった。

当初の目的のとおりSLはライカRマウントレンズで使うことが多いため、このレンズはあまり使う機会もなく売ってしまった。中古市場にそれほど流通しているわけではないが、人気がないためか探せば在庫が見つかるレンズである。ただし、中古価格と新品価格にほとんど差がないため、どちらを買うかは悩ましいかもしれない。

2.レンズ概要

LUMIX S 24-105は、パナソニック初のLマウント 35mmフルサイズセンサー搭載カメラ、LUMIX S1のバンドルレンズとして発売された。F4通しのフルサイズセンサーをカバーするズームレンズで、ズームレンズのワイド端が24mmからはじまり105mmまでの4.4倍ズームとなっている。

レンズは24mmが最も短く105mmが最も長くなる、廉価ズームでよく採用される構造をしている。前述の通り、レンズの絞り開放値はズーム全域でF4となっており、レンズ側に光学式手ぶれ補正機構を搭載している。

最短撮影距離は、ズーム全域で0.3mとなっている。

3.パナソニックのカメラ事業

こちらの内容は、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 S-R2060とLUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. S-R24105で共通。

他社の事業戦略に対しては大きなお世話なわけだが、一パナソニックファンとして2024年現在にたいして思うところを記しておく。

パナソニックのSレンズはレンズ性能は悪い物ではないのだが、レンズデザインを見て、欲しいか問われると、それほどでもないというのが正直なところだ。

撮影者に向けてレンズを売りたいなら、中華を含めアジアのカメラメーカーにさえ見劣りするデザインは致命的欠陥であり、レンズ鏡筒に派手なデコレーションはいらないが、街中やフィールドで一目でSレンズと認識できる意匠は必要と考える。

そして、これはすでにタイミングを逸しているが、Lマウント35mm・フルサイズミラーレスカメラを発売するときに、S1発売時点で負のイメージを背負ってしまっているLUMIXブランドはマイクロフォーサーズ専用ブランドとして、新しいカメラシステムに新しいブランド名でスタートして欲しかった。

カメラという趣味性の高い製品において、ブランドとデザインはマストで、これが確立できていない状態で他社と販売量を競うことは非常に不利になる。そんなことは重々承知で現在の状況になっているはずなので、なんとも冒険ができない会社の体質がここに透けて見える気がする。

そして、パナソニックの参画しているLマウントアライアンスは、ブランド力のライカ、低価格のシグマがいる状況で、パナソニックはその中間価格帯を狙わざるをおえず、これも中途半端な立ち位置から脱却できない苦境の一因と考えられる。実際現在のLUMIX Sブランドは、高級でもなく安くもなくと非常に不安定なポジションに嵌まっている。

また、このレンズのプレスリリースにある月産50台というのは悲しい数字で、バンドル狙いのレンズにしても少なすぎる数字であり、ここにもパナソニックのカメラ事業の苦しさが現れている。正直なのはよいことだが、あえてこのような数字は出さない方がいいと思える。

ミラーレスカメラで飛躍したソニーに対して、デジタルカメラ市場において低空飛行を続けるパナソニックは、シグマやライカの裏方に回った方が幸せな気さえしてくる。

撤退の2文字が常に漂っているように感じられるパナソニックのカメラ事業はどこにむかうのかウォッチは続けようと思う。

2024年6月にエントリー向けの35mmフルサイズセンサーを搭載した、LUMIX S9を発売したが、BCNの「デジタル一眼カメラ」売上げランキング、2024年09月23日~09月29日で50位にランクインしていないので先行きは暗そうだ。S9がデジタル一眼に分類されていないということであればランクインしていないこともわかるけれど、S9は「デジタル一眼カメラ」だと思う。

仕様・比較

レンズ名S-R24105VARIO-ELMARITS-PRO2470
焦点距離(mm)24-10524-9024-70
最大絞り42.8-42.8
最小絞り222222
レンズ構成13群16枚15群18枚16群18枚
絞り羽根枚数9?11
最短撮影距離(m)0.30.3-0.45
(24-90)
0.37
レンズ長(mm)118138140
レンズ最大径(mm)848891
フィルター径(mm)778282
重量(g)(レンズのみ)6801140935
リリース年2019.32015.11.282019.9
定価(円・税別)160,000円¥650,000-221,000-

参考文献・リンク

更新履歴

  • 2024.10.12

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