MINOLTA M ROKKOR 28mm F2.8
和製エルマリートと呼んでくれるな
ミノルタ・Mロッコール 28mmのレビューと写真作例
- ページに表示される広告をクリックすることによりサイト管理者に報酬が発生する。
広告の詳細はリンク先に記載
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M8.
レビュー
M ロッコール 28mmは、ミノルタがMINOLTA CLE用に開発した広角レンズ。
このレンズはMINOLTA CLE向けに作られたため、M型ライカカメラで使うときは互換性に少々難があり、M型ライカカメラに本レンズを装着すると28mmファインダー枠が表示さず、35mm枠が表示される。
その理由は、MINOLTA CLEはファインダー枠の28mmと90mmの表示を分離するために、ファインダー枠表示の爪長さの中でCLEが使用していない35/135mmのところに28mmを割り当てている。
MINOLTA CLEのファインダー枠を表示するMマウント爪の長さと表示するファインダー枠の関係を下表に示す。
ファインダー枠 | 爪長さ | MINOLTA CLE | ライカ M |
28/90 | 長い | 90 | 28/90 |
50/75 | 中間 | 40/50 | 50/75 |
35/135 | 短い | 28 | 35/135 |
M型ライカのファインダー枠の表示はMマウントの4本爪のマウント側から見て一番左にある爪の物理的な爪長さに依っており、最も長い爪は28/90を表示して、中間長が50/75、最も短い爪が35/135を表示する。
このレンズをM型ライカボディに装着すると28/90は表示されないため、爪の長さが足りないことがわかる。28mmを表示するためには、ファインダー枠操作レバーのついたカメラならレバーを動かすか、ファインダー枠を決める爪を大きくする必要がある。
昔は爪を延長する改造をしてくれる業者もあったと記憶しているが2023年現在そのような話は聞かなくなった。素人仕事では爪を削るのは簡単だが爪を延長するのはそうとう難しいと思う。下手な仕事で爪がとれてカメラ室内に落ちてシャッター幕に絡まると目も当てられないので、そこまでリスクを負う必要は無いと感じる。
EPSON R-D1、フォクトレダーのベッサシリーズはファインダー枠をユーザーがレバーで決めるのでこのレンズを使うことに問題は無かったが、ファインダー枠を自動で表示するLEICA M8 /M9では少しの違和感があった。
MINOLTA合併するKONICAはMマウントの互換性を重視していたようで、KONICA Mマウントレンズにはファインダー枠の問題は存在しない。
このレンズは和製エルマリート28mmなどという若干失礼な異名もあるが普通によく映るレンズだと思う。
所有していた個体は、ヘリコイドのトルクも適切でスムーズにピント合わせをすることができた。
LEICA CLEに装着すると、コンパクトな広角スナップカメラとして使用することができた。
専用フードは金属製だが材料に肉厚が薄くペラペラなので、中古でゆがんだフードを見かけることがある。レンズ硝材、バルサム材のためか曇りやすいのが弱点で、価格の安い場合はほぼ曇りありだ。ミノルタがそれを補修したレンズは、曇りづらいが状態の良いレンズは高価になる。
CLE用のレンズは、28mm、40mm、90mmの3本でシンプルなラインナップである。
普通の撮影者であれば3本で大抵の用途に対応できるだろうし、ファインダー枠の問題があるが、CLEはMマウント互換なので他社レンズが使えるのでレンズ遊びは困らない。ミノルタをはじめ日本の古いレンジファインダーカメラ、レンズを提供していたメーカーはレンズラインナップがシンプルであった。
ライカとキヤノンは他社とは異なり、多彩な焦点距離のレンズを供給していた。
仕様・比較
項目 | ELMARIT 5th 前期 | KM HEXANON | M ROKKOR 28 | G ROKKOR 28 | GR 28 |
焦点距離(mm) | 28 | 28 | 28 | 28 | 28 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 | 2.8 | 3.5 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 | ← | 16 |
レンズ構成 | 6群8枚 | 7群8枚 | 5群7枚 | 5群5枚 | 4群7枚 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 10 | 9 | 10 |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 | 0.8 | 0.8 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 30 | 40.4 | 35.5 | 19.5 | 23 |
レンズ最大径(mm) | 52 | 52 | 51 | 51 | 49.5 |
フィルター径(mm) | 39 | 46 | 40.5 | 40.5 | 40.5 |
フード | 角形・フック式 | 円形・スリット入り・ねじ込み | 専用バヨネット | ラッパ型・ねじ込み | ラッパ型・ねじ込み |
重量(g) | 180 | 230 | 135 | 110 | 180 |
リリース年 | 2006 | 1999 | 1981 | 1998.9 | 1997 |
製造本数 | – | – | – | 2000 | 3000 |
定価(¥、税別) | – | ¥113,000- | – | ¥110,000- | ¥98,000- |
参考文献・参考リンク
- MINOLTA CLE WIKI
- 世界のライカレンズ P156に紹介記事あり(リンク先はアマゾンアフィリエイト)
更新履歴
- 2024.03.20
- 2023.12.20