28mm初代・薄型大口径 Ms-APOQUALIA-G 28mm F2

28mm初代・薄型大口径 Ms-APOQUALIA-G 28mm F2

Ms-APOQUALIA 28mm F2-Iをフルサイズ&APS-Cミラーレスカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

写真はクリックして拡大可能

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

Ms-APOQUALIA 28mm F2-Iは、MS-Optics(宮崎光学)が2016年にリリースした焦点距離28mm、開放F値=F2の大口径レンズ。コンパクトな筐体で大口径絞り開放F値=2、焦点距離=28mmを実現している。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 2
  • レンズ構成 4群6枚・ガウス型
  • 絞り羽根 10枚
  • 最短撮影距離 0.8m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.8m
  • フード 28mm径・専用ネジ込み
  • レンズカラーバリエーション シルバー、ブラック、シルバーロジウム、クラシックニッケル
  • レンズ長 10mm
  • 重量 70g

2.使用感

Ms-APOQUALIA 28mm F2-Iの描写を確認するために、ギャラリーに35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーを搭載したLEICA M-P typ240とSONY α7Siiの作例をギャラリーの1〜4枚目に載せている。
作例を見て分かるとおり絞り開放は青空を撮影すると周辺減光が顕著で周辺部の滲みも確認できる。

APS-Cサイズセンサーの作例として、LEICA T typ701とSONY α NEX-7の撮影結果を掲載した。
ギャラリー5〜7枚目がそれで、こちらでは周辺部が強制的にカットされるためフルサイズセンサーの周辺部の描写におけるネガティブは目立たなくなる。

ボディキャップ並みに厚みのレンズは、APS-Cサイズセンサーカメラ、マイクロフォーサーズカメラの小型カメラとのマッチングが良く、装着するとレンズ一体型のコンパクトカメラを持ち歩いている感覚でカメラバックへの収まりもとてもよい。

このレンズは基本的に中心部画質に性能をふったレンズで、絞り開放は周辺部分の画質の悪化が目立つシーンもあるが絞ることによってある程度は改善していく。コンシューマー向けのレンズは絞り開放においても画像全面で均一的な解像度となることを目指すレンズが多い。しかし、Ms-opticsはレンズのコンパクトさ明るさを重視するため、このような仕様となっている。

上述のとおり、周辺部の画質が落ちることは設計意図であるため、これを理解していないと不良品と勘違いすることになる。またレンズコンセプトが作者の感性に負うところが多分にあるため、好みに合わない場合は使わないことが一番だ。

α NEX-7のセンサーは、レンズ後端がセンサーに近いレンズを使用すると、センサー周辺部に入る光の波長によって、下写真にあるように、カラーキャストをおこし青空が朱色に変化しているのが目立つことがある。
前モデルのα NEX-5の1400万画素センサー、後継モデルのα NEX-6の1600万画素センサーではこのような現象は見ていないため、α NEX-7のセンサーと本レンズの相性問題と考えられる。

Before imageAfter image

3.まとめ

結論としてMs-APOQUALIA 28mm F2-Iをまとめると、コンパクトな筐体で重量が軽いため小さなカメラによく似合うレンズ。最短撮影距離が0.8mと長いため、寄りたい場合は補助ヘリコイドを利用して最短撮影距離を縮める必要がある。2代目、3代目はレンズ単体で0.35mまで寄れるのでそちらの方が汎用性が高い。

ガウス型だがレンズ後端がセンサーに近いため、カメラの搭載するセンサーによっては周辺部でカラーキャストが発生する場合があるので注意が必要だ。

仕様・考察など

描写の傾向は好みの問題が大きいが、アポクオリアは周辺部に難を感じることがあるため、3枚玉のPERARの方が抜けが良く安定した描写をしている。これは好みの問題になるが、周辺光量が豊富なガウスタイプも悪くはないけれど、中心部が先鋭に描写されるPERARの方が好みの描写だ。

本レンズはI型、II型、III型とリリースされた長寿レンズで、3代それぞれに異なる意匠を持ち、とくに2型はカラーバリエーションが豊富で漆塗りを含めカラフルなレンズになっている。

性能的な違いは、I型は最短撮影距離が0.8mでレンジファインダーカメラの距離計連動範囲と同じで、2型、3型はレンジファインダーカメラの距離計連動範囲は0.8mと変更はなく、ミラーレスカメラの普及に合わせて0.35mまでレンズをくり出しすことが出来るため、背面液晶にライブビュー表示、電子ビューファインダーを使用できるカメラであれば、正しいピント位置で近接撮影が可能である。

2023年に同じシリーズの4代目として絞り開放値をF1.7に変更したAPOQUALIA 28mm F1.7をリリースされた。このレンズはレンズ構成は同じ4群6枚だが、レンズ添付の仕様書を見たところレンズを明るくするために中央のガラスを薄くする変更が加えられている。

レンズ名PERARAPOQUALIA-IAPOQUALIA-II/IIIAPOQUALIA
焦点距離(mm)28282828
最大絞り4221.7
最小絞り16161616
レンズ構成3群3枚4群6枚4群6枚4群6枚
絞り羽根10101010
最短撮影距離(m)0.8
0.8mまでカメラ距離計連動
0.75
0.9mまでカメラ距離計連動
0.35
0.8mまでカメラ距離計連動
0.4〜0.6
0.8mまでカメラ距離計連動
レンズ長(mm)99.89.810.2
レンズ最大径(mm)50505050
フィルター径(mm)19282828
重量(g)45707060
リリース年201220162018〜20202023
価格(税別)¥45,000¥90,000¥90,000〜120,000-¥100,000−

広告

参考情報

更新履歴

  • 2025.8.8
  • 2024.12.3

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA