MS-Optics APOQUALIA 1.3/35 SLIM
APOQUALIA 1.3/35 SLIM(MS-Optics / 宮崎光学)をLeica M / HASSELBLAD X2Dデジタルカメラで使用した記録
目次
<ギャラリー>
APOQUALIA 1.3/35 Ⅱ 写真例(Leica M-P / HASSELBLAD X2D)
<レンズの印象>
初代APOQUALIA 35mm / F1.4もそうであったが、絞り開放では四隅の減光が目立つ。
絞り開放はピンと位置が本当に難しく、二重像の合致ではほとんど会うことは無く、EVFのピント拡大で合わせても本当に合っているかは疑わしい像が出てくることがある。F2に絞ればずいぶん改善するが、明るい開放F値がほとんど使えないのは残念なところである。
また、逆光時には派手なフレアがでることがある。
2代目APOQUALIA 35mm / F1.3は絞り操作レバーの位置がレンズ鏡筒付け根に移ったため、不本意な絞り地の変更はなくなったが、若干操作性が悪くなってしまった。
また、エルマー50mmに似た外観の沈胴構造を持つレンズは、沈胴ギミックのためと思われるが洗練度が少し足りないデザインになってしまったのは残念である。
レンズは沈胴させることができるが、元々がコンパクトなのでその必要性を感じることは少なく、野外でこれを元に戻すのは結構面倒なので、沈胴させずに固定状態で使用している。
HASSELBLAD X2Dの中判デジタルセンサー(44mm*33mmセンサー)で使用したところ、完全にイメージサークルが足りていない。絞っても変化が無いためX2D、GFXなど中判センサーカメラでで使うのは仕様範囲外の使い方となる。
絞り開放の画像で、どの程度の範囲が使い物になるかを1例検証したところ、X2Dのオリジナルピクセル11656x8742のうち、9045x6783が使用に耐えそうな範囲であった。センサーサイズに換算すると、34.1mm x25.6mm程度と計算できた。この計算から本レンズのイメージサークルは35mmフルサイズセンサー(36mm*24mm)に合わせてあることがわかる。

Ms-opticsにとって大口径35mmはなかなか難産だったようで、どのレンズもそれなりに問題がある。
例えば、手元にある初代APOQUALIAは絞りリングが緩く、油断していると不本意に絞り位置が変わっていることがある。
Ms-opticsの大口径35mmシリーズでは、MAPCAMERAがMs-opticsに依頼して作成したREIROAL 35mm / F1.4が、外観の美しさ、絞り操作、ピントリングの操作性などすべての面で完成度が高い。価格はMAPCAMERAの取り扱い分が上乗せされていることもあり、REIROALはAPOQUALIAよりも高価だった。




<レンズの特徴と仕様>
大口径広角レンズでレンズ形式にガウス型を採用する。旧型のAPOQUALIAは絞り開放F値が1.4で、本レンズは旧型とレンズ構成は同じで、レンズの見直しによりF1.3とより明るくなった。非常にコンパクトなレンズで沈胴させたときの厚みは10.2 mmと非常に薄くなリ収納性がとてもよい。
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 35.8 | |
最大絞り | 1.3 | |
最小絞り | 16 | |
レンズ構成 | 4群6枚 | ガウス型 |
最短撮影距離(m) | 0.6 | ∞から0.8mまではカメラ距離計連動 |
レンズ長(mm) | 21 | 沈同時 10.2mm |
レンズ最大径(mm) | 50 | |
フィルター径(mm) | 34 | ネジピッチ 0.75mm / 逆付け |
重量(g) | 72 |
<参考文献・リンク>