Ms-Optics SONNETAR 50mm F1.1

宮崎ゾナーの極み

SONNETAR(ゾンネタール) 50mm F1.1のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • SONNETAR 50mm F1.1 写真例(Leica M-P / M10)

レビュー

1.使用感

ゾンネタール 50mm F1.1はMS-Optics(宮崎光学)の大口径標準レンズ、レンズ形式にゾナー型を採用する。昨今のなんちゃってゾナーではなく、4群5枚、後玉3枚が貼り合わせという伝統のゾナー形式である。

このレンズは2010年代のMs-Optics製品の中では、外観、写りなどクオリティが高いレンズの一つで、
カラーバリエーションは、ブラック、シルバー、ブラックペイントの3色がある。

全長36mmと大口径標準レンズとしては極めて短いレンズで、径よりも長さが短いのはこの種のレンズとしては異例である。しかし、このコンパクトな設計故に周辺部の描写は少々厳しいものがあり、撮影シーンによっては周辺減光が目立つ、像の乱れが目立つこともあるが、そこは使い方の工夫で解決するべきであろう。

設計者・宮崎氏は「道具は現場に持ち運んでこそ生きる」とおっしゃっており、これは、でかくて重く持ち出しに躊躇するレンズよりは、ある程度性能は割り切りつつ軽さを追求することに意義があるという主張で、このゾンネタールは氏のレンズ設計ポリシーを端的にあらわしたレンズだ。

作例をご覧いただいても分かるように、開放からコントラスト低下の少ないしっとりとした描写をするレンズだ。宮崎光学の50mmの中では一番バランスが良いレンズだと思う。

2.概要

SONNETAR 50mmは、Ms-optics(宮崎光学)が最初にリリースした改良ゾナー型レンズ、MS-MODE-S 50mm F1.3を改良し、開放絞り値F1.1まで大口径化したレンズで、SONNETARという名称は本レンズから用いられることとなる。

主な仕様は、4群5枚、レンズ長36mm、レンズ最大径55mm、重量190g

レンズフィルターは通常と逆方向に装着、ラッパ型の円筒フードが付属する。

宮崎氏はゾナー型のままF1.0の設計をおこなったようだが、氏が満足する性能が得られなかったようで、50mm F1.0という当時もっとも明るい50mmレンズはガウス型のISM-GAという形で実現することになる。

3.比較

このゾンネタール 50mm F1.1と同スペックのレンズとして、コシナ・フォクトレンダーのノクトン 50mm F1.1(重量:428g / レンズ長:57.2mm)がある。ゾンネタールはノクトンと比べて重量が半分、レンズ長は2/3と圧倒的にコンパクトである。

描写はノクトンはレンズ径が十分なこともあり、周辺光量は豊富で描写に余裕を感じる。

仕様

項目SONNETAR 50mm F1.1NOKTON 50mm F1.1
焦点距離(mm)51.750
最大絞り1.161.1
最小絞り1616
レンズ構成4群5枚6群7枚
絞り羽根1410
最短撮影距離(m)0.851.0
レンズ長(mm)35.757.2
レンズ最大径(mm)5569.6
フィルター径(mm)5558
重量(g)190428
発売日2013.62009.6.29
価格(定価・税別)¥108,000-¥131,250-

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.10.12
  • 2024.02.16:改稿
  • 2022.04.06:初稿

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