NIKON COOLPIX 990
ニコン製デジタルカメラ・クールピックス990のレビューと写真作例
<目次>
<ギャラリー>
<カメラの印象>
某カメラ屋のジャンク市で4桁円で売られていたので捕獲した。クールピックスはソリッドな形状が美しい初代の900,ブラックボディに赤ラインが印象的な950まではリリース時に購入した。990は画素数は上がったが、カメラのボディ色がグレーになり、アクセントが紫色へ変更され、全体的に微妙でリリース時に買うことはなかった。
余談だが日本のメーカーでありがちだが、毎回デザインや配色を変えないと気が済まないのかはわからない。海外のようにしつこく良いデザインを続けるのもブランドとして必要なことだと思う。
また、時期的にもデジタル一眼レフカメラ、レンジファインダーカメラに傾倒していたことも大きい。今に続く大きなセンサーサイズ好きゆえのデジカメ変遷である。
スイバル式クールピックスの持つ光学式ファインダーはズーム式で撮影範囲は変わるが、撮影範囲の確認だけでピント位置は確認できない、フィルムカメラ時代のAFコンパクトカメラと同じ方式である。背面液晶はライブビューなので撮影範囲、ピントが確認できるが、モニターサイズが1インチと小さく解像度も10万ドットなので、正確さにはかける。
クールピックス990までは、単3電池四本でカメラは動作し、エネループなどの比較的電圧の低いニッケル水素電池でも動作する。おそらく一本の電池電圧が1.2V程度で駆動するように作られている。
起動時間は比較的のんびりしており、電源を入れてから撮影可能になるまで2〜3秒程度間があく、スリープ復帰も遅いので、電源を再投入した方が早いと感じる。
記録メディアはコンパクトフラッシュ、画像保存形式はTIFFとJpegで、記録画質はHI/FINE/NORMAL/BASICの4種類から選択できる。HIはTIFF保存となり、1枚10MB程度と大きなサイズになる。FINEがJPEGで1MB程度なのと比べるとファイルサイズが10倍となり、書き込みも10秒程度待つ必要がありかなりの忍耐を要求される。
写りは古いデジタルカメラなので、昨今のスマートホンにも遠く及ばない画質で、ISO100の昼光時でも写真は若干眠く緩い感じがし、夜間のISO400は激しくノイズが発生し解像感も落ちる。夜間は手ぶれ補正機構もないため手ぶれの影響も大きい。AF速度もかなりゆっくりした物で、とっさの場面ではまったくフォーカスが追いつかない。最近のカメラになれた身には相当堪える仕様と思う。
ニコンのカメラオプションは比較的長く売られることと、様々な機種で使えるように設計されているため、0.63倍ワイドコンバーターと2倍、3倍テレコンバーターを入手した。テレコンバーターはほとんど使い道がないのだが、値段が安かったのでおまけとして購入した。
0.63倍のワイドコンバーターは、周辺が少しけられるが、24mm相当の画角になるのは、広角レンズ好きとしては必須といいたいところだが、カメラがとても大きくなってしまうのは欠点だ。
フィッシュアイは品数が少なく高価なのことと、2倍テレコンは3倍テレコンと機能がかぶるため手に入れていない。さらに調べていると、TC-E3PF(位相フレネルレンズ採用)などという変態コンバーターも発売されていた。これはキヤノンでいうところのDOレンズ(積層型回折光学素子)と同じ原理の製品で、レンズに特殊な加工をすることで従来よりもコンパクトなサイズで焦点距離稼ぐことができる。後付けテレコンがコンパクトデジカメとほぼ同じ価格の定価8万円にも恐れ入る。TC-E3PFは市場に出た数は少ないようで中古で見かけることもほとんど無い。
ニコンのコンパクトデジタルカメラ用のオプションの充実ぶりに驚かされる。
<カメラの仕様>
項目 | COOLPIX 900 | COOLPIX 950 | COOLPIX990 | COOLPIX995 | COOLPIX4500 |
カメラ有効画素数 | 100万画素 | 200万画素 | 300万画素 | 300万画素 | 400万画素 |
焦点距離 | 3 倍ズームニッコールレンズ f=7~21mm (35 mm 判換算:38~115mm 相当) F2.6~F4 | ← | 3 倍ズームニッコールレンズ f=8~24mm (35 mm 判換算:38~115mm ) F2.5~F4 | 4 倍ズームニッコールレンズ f=8~32mm (35 mm 判換算:38~152mm ) F2.6~F5.1 | 4 倍ズームニッコールレンズ f=7.85 ~32mm (35mm 判換算38 ~155mm ) F2.6 ~5.1 |
レンズ構成 | – | – | 8群9枚 | 8群10枚 | 8群10枚 |
絞り羽根 | – | – | 7枚 | ← | ← |
撮像素子 | 1/2.7 型 CCD | 1/2 型 CCD(?) | 1/1.8 型 CCD | ← | ← |
最大ISO | – | 320 | 400 | 800 | ← |
背面液晶 | 2型・?万画素 | 2型・13万画素 | 1.8型・11万画素 | ← | 1.5型・11万画素 |
ファインダー | 実像式 | ← | ← | ← | ← |
バッテリー | 単三形4本 1.2V*4 | ← | ← | EN-EL1 | ← |
記録メディア | コンパクトフラッシュ | ← | ← | ← | ← |
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行 | 157×75×35 | 143×76.5×36.5 | 149×79×38 | 138×82×40 | 130×73×50 |
重量(g) | 360(ボディのみ) | 350 (ボディのみ) | 390 (ボディのみ) | 390(ボディのみ) | 360(ボディのみ) |
リリース年 | 1998.4 | 1999.3 | 2000.4 | 2001.6 | 2002.6 |
価格 | 110,000 | 125,000 | 125,000 | 113,000 | OpenPrice (105,000) |
WC-E63装着(24mm)
ワイドコンバーター無し(38mm)
TC-E2装着(230mm)
テレコンバーター無し(115mm)
フィッシュアイ FC-E8 | ワイド コンバーター WC-E63 | テレ コンバーター TC-E2 | テレ コンバーター TC-E3ED | テレ コンバーター TC-E3PF | |
レンズ構成 | 4群5枚 | 4群4枚 | 3群4枚 | 3群6枚 | 3群6枚 |
コンバーター倍率 | 0.2倍 | 0.63倍 | 2倍 | 3倍 | 3倍 |
合成絞り値 | 変化無し | ← | ← | ← | ← |
サイズ | ? | 75*29.5 | 64* | 75*78.6 | 61*64.3 |
取付径 | 28mm | ← | ← | ← | ← |
フィルター径 | – | 72mm | 62mm | 72mm | ? |
重量 | ? | 150g | 260g | 175g | |
対応機種 | COOLPIX P5100 COOLPIX P5000 COOLPIX 8400 COOLPIX 5000 COOLPIX 4500 COOLPIX 4300 COOLPIX 995 COOLPIX 990 COOLPIX 950 COOLPIX 885 COOLPIX 880 | ← | ← | ← | COOLPIX 8400 (アダプタリングUR-E15併用) COOLPIX 5000 (同UR-E6併用) COOLPIX 4500 /4300 (同UR-E4併用) COOLPIX 900シリーズ |
価格(¥/税別) | 45,000- | 14,000- | 14,000- | 29,000- | 80,000- |
備考 | ? | 焦点距離35mm以降はテレコンを付けない方が画質が良い | ワイド側でけられが発生する | ← | ← |
<オプション>
- フィッシュアイコンバーター:FC-E8(0.2倍)
- ワイドコンバーター:WC-E63(0.63倍)
- ワイドコンバーター:WC-E75(0.75倍)
- テレコンバーター:TC-2E(2倍)
- テレコンバーター:TC-E3ED(3倍)
- テレコンバーター:TC-E3PF(3倍)
- PC接続キット
<参考文献・リンク>