NIKON LS-4000ED
ニコン ミドルレンジ・フィルムスキャナー
スーパークールスキャン 4000 ED(LS-4000 ED)について、2024年現在のスキャナの実力、動作環境、スキャンソフトをレビューする。
目次
ギャラリー
- LEICA R8、FISHEYE ELMARIT 16mm、KODAK GOLD200(ネガフィルム)で撮影しLS-4000 EDでスキャンした。
レビュー
LS-4000EDは、LS-5000EDの一つ前の35mmフィルム専用のハイエンドスキャナフィルム。
このスキャナもスリップフィルムを自動で飲み込んでくれるSA-21アダプタがあるので重宝している。スキャン速度はお世辞にも早いとは言えず、4000dpiで36枚スキャンすると、なんだかんだで1.5時間程度は必要で、LS-V EDと同程度の時間で、後継モデルのLS-5000EDはセンサー数が増えてスキャン時間が半分程度に高速化されている。
IV,4000の次世代V,5000シリーズはIrセンサーを搭載してゴミ取り性能を上げているが、スキャン結果を見るとVと4000に大きな差は感じない。
IV,4000はフィルム読み込み部にカバーがついているが、V,5000は省略されている。サイズはIV,V,4000,5000全て同一である。
ソフトウェアは、VueScanを購入してマックで使っている。そちらのソフトはWindows版/Linux版もあり、PCがLinux/Windowsのときはそちらを使っていた。インターフェースは同じで両者の使い勝手に差は無い。シリアル番号も共通で使える。
VueScanは老舗のスキャンソフトで、様々なスキャナとフィルムカラーシミュレートに対応している。
こちらは相当前にオンラインでソフトウェア代金を払ってから、バージョンアップなどがあっても追い金をまったく払っていない。
VueScanは老舗のスキャンソフトで、様々なスキャナとフィルムカラーシミュレートに対応している。
こちらは相当前にオンラインでソフトウェア代金を払ってから、バージョンアップなどがあっても追い金をまったく払っていない。
バージョンアップ内容が最新OS対応、スキャナプロファイル、フィルムプロファイルの追加程度なので、大きな変更がないことが主な要因だと考えるが、2023年現在も使い続けられるのは非常にありがたい。
純正のスキャンソフトと比較すると、各スキャナに最適化されていないなどの意見を見ることもあるが、個人の感想としては素材重視でスキャンして、後処理は画像処理ソフトで好みの風合いに仕上げればよいと考えている。
KONICA MINOLTAのDimage Scanシリーズも使用しているが、スキャンのたびにスリップフィルムをカートリッジにセットするのが面倒で、フィルムスリップをそのまま飲み込んでくれる、クールスキャンは便利だと思う。しかし、ニコンのIV,Vはスライドフィルムをスキャンするときは1枚ずつスキャンする必要があるため、4枚同時にスキャンできるDiMAGE Scanシリーズは便利だと思う。
ニコンのLS-4000ED、LS-5000EDは別売のSF-210 [スライドフィーダ] を使うと50枚の連続処理ができる。定価50,000(税別)と高価だがスライドを大量にスキャンする人には魅力的なオプションと思える。
実際に使用したことがないため、どのような使用感かはわからない。
当時は意識していなかったが、スペックを見比べると原稿固定のニコン、センサー固定のコニカミノルタとスキャナの造りに個性がある。
今さら、フィルムスキャナを使う人も少ないと思うが、古いフィルムスキャナはPCとスキャナの接続形式に注意が必要だ。
USB接続ならほぼ問題になることはないが、SCSI接続はSCSI-USB変換機器がすでに新品を売っているメーカーがないため、機器自身が中古購入となりとても高い。しかも、一般的なHDDを接続するためのUSBモードではスキャナを認識しない可能性があり、対応したOS用のSCSIドライバを用意する必要があると考えられる。そのため使っているOSによっては利用できない可能性がある。
SUPER COOLSCAN 4000 EDが採用しているIEEE1394(Apple名称 FireWire)は、Windows系のデスクトップPCであれば、IEEE1394ボードを増設すれば使用できる。
ノートPCなどでUSBしか端子が無い場合は、IEEE1394-USB変換アダプタがAmazonで安価に売られているが、これはくわせものでUSBの端子にIEEE1394の端子を直結しただけで、信号変換などの高度なことはやっていない。IEEE1394とUSB1.1/2.0では通せる電圧が違うにもかかわらず、端子を直結しているため、接続すると機器が壊れることもあるそうで、手を出してはいけない代物だ。
Macの場合は、Thunderbolt端子を利用すればスキャナを接続して使用することができる。
Thunderbolt2端子を持つマックであれば、Thunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)で接続して使用できる。
Thunderbolt3端子を持つマックであれば、Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ(MMEL2AM/A)とThunderbolt-FireWireアダプター(MD464ZMA)で接続して使用できる。
仕様
機器名称 | SUPER COOLSCAN 4000 ED | SUPER COOLSCAN 5000 ED | Dimage Scan Elite 5400 II |
型番 | LS-4000 ED | LS-5000 ED | AF-5400-2 |
解像度(dpi) | 4000 | 4000 | 5400 |
画素数 | 3946×5959 | 3946×5959 | 5328×7920 |
センサー | リニアCCDイメージセンサ | 2ラインリニアCCDイメージセンサ | 3ラインカラーCCD (5340画素/1ライン) RGB原色フィルター |
光源 | 3色LED(RGB) | 4色LED(RGB Ir) | 白色LED |
スキャン方式 | 原稿固定 光学系移動式平面走査1パススキャン | ← | 原稿駆動 センサー固定1パススキャン方式 |
速度 | 約38秒(35mmフィルム1枚、4000dpi) | 約20秒(35mmフィルム1枚、MA-21使用、4000dpi) | 約25秒(35mmポジフィルム1枚、画像補正全OFF) |
A/D変換 | 14bit | ← | 16bit |
出力 | 16bit | ← | 16bit |
Digital ICE | ICE 3 | ICE 4 | ICE 4 |
インタフェース | IEEE1394 | USB 2.0 | ← |
自動送り | 6 | ← | ← |
スライド対応 | 有り SF-210を使うと50枚処理可能 | ← | 有り ホルダにスライド4枚装着可能 |
電源 | 内蔵 | ← | ACアダプタ |
重量(kg) | 3.0 | 3.0 | 1.5 |
オプション | ストリップフィルムアダプタ SA-21 スライドマウントアダプタ MA-20(S) ストリップフィルムホルダ FH-3 | ストリップフィルムアダプタ SA-21 スライドマウントアダプタ MA-21 ストリップフィルムホルダ FH-3 | 35mmフィルムホルダ FH-M20 スライドマウントホルダ SH-M20 ACアダプタ AC-U26 |
価格(税抜き) | 19.8万円 | Open(約13万円) | 10.5万円(Elite 5400) 約7万円(Elite 5400II) |
リリース年 | 2001.3 | 2003.11 | 2003.6(Elite 5400) 2005.2(Elite 5400II) |
Digital ICE3 ™、Digital ICE4 ™、Digital ICE ™は米国EASTMAN KODAK COMPANYの商標であり技術です。
参考リンク
- SUPER COOLSCAN 4000ED仕様リンク
- SUPER COOLSCAN 5000ED仕様リンク
- Dimage Scan Elete5400 II
- 省型旧形国電の残影を求めて VueScan関連記事
- Nikon Coolscan LS-4000 ED / LS-5000 ED service and repair notes
広告
- 表示される外部リンクの一部は広告となっており、クリックするとサイト管理者に収入が発生する可能性がある。本ウェブサイト維持のためご理解とご協力をお願いする。
- アフィリエイトリンクについては、こちらを参照のこと。