M43大口径 NOKTON 25mm F0.95

Voigtlander NOKTON 25mm F0.95 マイクロフォーサーズマウントをPANASONIC LUMIX DMC-GM5で使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例はPanasonic LUMIX DMC-GM5で撮影
レビュー


1.概要
Voigtlander NOKTON 25mm F0.95は、2010年にフォクトレンダーブランドから最初にリリースされたマイクロフォーサーズマウントの大口径レンズで、2014年に絞りの機構を改善した、Typ-IIがリリースされている。
レンズの詳細な仕様は表に載せているが、旧型のTyp-Iの主な仕様を抜粋すると以下の通りである。
- ピントをあわせるフォーカス機構はマニュアルフォーカス
- しており、最短撮影距離は0.17m
- 絞り羽根は10枚
- フィルター径は52mm、レンズ前方にねじ込んで装着
- レンズフードは58mm径の専用円筒型フードが付属
- 動画撮影向け絞り環のクリック音をオフにする機能を不採用
- 新型のTYPE-IIは動画撮影向け絞り環のクリック音をオフにする機能を採用している。

2.使用感
Voigtlander NOKTON 25mm F0.95はフォクトレンダーブランドの大口径レンズで、マイクロフォーサーズカメラに装着すると35mm判換算で50mm相当のレンズとなる。
レンズはオートフォーカスには対応しておらず、ピントはマニュアルフォーカスで合わせる必要がある。そのため、絞り開放のF0.95で使用する場合は、高精細なビューファインダー(以下、EVF)を搭載したカメラを使いたい。
今回使用したPanasonic LUMIX DMC-GM5の電子ビューファインダー(EVF)は、ファインダーの画素数が23万ドットと低画素なため、このレンズの絞り開放 F0.95ではピントピーキング表示を信じて撮影した結果は、ピント位置が意図とちがう場所になっており、この方法ではピント精度に問題が感じられる。
この症状への対応としては、電子ビューファインダーの部分拡大表示を使用してピント位置が求める位置に合っているか確認してから撮影をしていた。
撮影結果をみると描写は現代レンズとして不足なく、絞り開放のF0.95の撮影結果においてピント位置の描写はしっかりとしており問題はなく、ピント面からズレた位置にある被写体は急激にボケていき、大口径レンズを使用している醍醐味を味わえる。
絞りをF4にすると画像全体が安定し、電子ビューファインダーに表示されるピントピーキングの表示を信用しても実用的に問題のない画像を得ることができる。これらの描写傾向はマイクロフォーサーズマウントのノクトンシリーズに共通している。
ノクトン 25mmで気になるのは実焦点距離25mmという35mm判では広角レンズになるためか、撮影距離によっては樽形の歪みが目立つことがある。35mm判換算焦点距離 50mm相当で樽形歪みが見られるのは残念だ。
レンズにはカメラと情報をやりとりする機能がないため、現像ソフトで補正する場合も、撮影者がパラメーターを調整する必要がある。exifにも焦点距離や絞り値などのレンズ情報は記録されないため、撮影者がメモを残すなどしておかないと、画像データをみてもレンズ情報がわからない。
これは、マウントアダプター経由でライカMマウントレンズを使う場合と同様である。
LUMIX GM5は電子接点のないレンズを使用する場合、電子シャッターのみの使用となるため、「フリッカー現象」への対策、被写体の「ローリング歪み」への対策など、電子シャッター特有の問題を把握してカメラの設定などで回避可能な対策方法を知る必要がある。
3.まとめ
結論としてVoigtlander NOKTON 25mm F0.95をまとめると、大口径標準レンズ。F0.95の明るさはマイクロフォーサーズセンサーで大きなボケが見込める。歪みが目立つ距離や被写体があるため、可能であれば試写をしてからの購入をお勧めする。
また、マイクロフォーサーズレンズとしては大きく重くマニュアルフォーカスでしか使えないため、導入するときはレンズが地震の撮影スタイルに合っているかを考える必要がある。
仕様・考察など
フォクトレンダーのマイクロフォーサーズマウント用大口径レンズは、全部で6種類リリースされており、いずれも絞り開放値が0.95を越える明るいレンズばかりである。
先述したとおりノクトン 25mmは歪みが目立つ場面がある、2年後に発売されたノクトン 17.5mmは歪みが抑えられており、歪みはノクトン 25mmのレンズ設計の古さが一因の可能性がある。
- 10.5mm F0.95 / 21mm
- 17.5mm F0.95 / 35mm
- 25mm F0.95 / 50mm
- 29mm F0.8 / 58mm
- 42.5mm F0.95 / 85mm
- 60mm F0.95 / 120mm
その中でとくに使ってみたいレンズは42.5mmと10.5mmでその理由は以下の通りだ。
- 実焦点距離42.5mmは35mm判の標準レンズに近く、マイクロフォーサーズでは35mm判換算で85mm相当となる、NOKTON 42.5mmは25mmで問題を感じる樽形歪みを抑えやすい焦点距離で、その描写に興味がある。
- 超広角となる実焦点距離10.5mm、マイクロフォーサーズでは35mm判換算で21mm相当となる、NOKTON 21mm F1.4は使用していたが、それよりも明るいNOKTON 10.5mmがどのような描写をするのかこちらも興味深い。
他の絞り開放値 F0.95と一線を画す明るさの29mm F0.8はマイクロフォーサーズ向けとは言え、35mm判換算焦点距離58mmで開放絞り値 F0.8を実現している。明るさ的には唯一無二の興味深いレンズだが20万円を超える価格はマイクロフォーサーズ用レンズとしては許容しづらい。
CP+2025にてすべてのレンズを使用する機会を得たが、いずれのレンズも200万ドット級のEVFを備えたカメラであればピント位置を調節することに問題はなく、順次使っていきたいレンズである。
項目 | 10.5mm F0.95 | 17.5mm F0.95 | 25mm F0.95 TYPE-II | 42.5mm F0.95 | 60mm F0.95 |
焦点距離(mm) | 10.5 | 17.5 | 25 | 42.5 | 60 |
35mm判換算 | 21 | 35 | 50 | 85 | 120 |
最大絞り | 0.95 | 0.95 | 0.95 | 0.95 | 0.95 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 10群13枚 | 9群13枚 | 8群11枚 | 8群11枚 | 8群11枚 |
最短撮影距離(m) | 0.17 | 0.15 | 0.17 | 0.23 | 0.34 |
レンズ長(mm) | 82.4 | 80 | 70 | 74.6 | 87.7 |
レンズ最大径(mm) | 77 | 63.4 | 60.6 | 64.3 | 82.5 |
フィルター径(mm) | 72 | 58 | 52 | 58 | 77 |
重量(g) | 585 | 540 | 435 | 571 | 860 |
リリース年 | 2015年6月12日 | 2012年4月29日 | 2014年4月8日(新型) 2010年11月25日(旧型) | 2013年8月23日 | 2020年4月24日 |
定価 | ¥148,000 | ¥118,000 | ¥105,000 | ¥118,000 | ¥145,000 |
参考情報
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更新履歴
- 2025.9.8
- 2025.1.14
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