立方体・広角デジカメ OLYMPUS C-5060

OLYMPUS Camedia C-5060 Wide zoomのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- ギャラリー写真はRaw形式で記録したデータのストレート現像である。
レビュー


1.概要
C-5060 Wide Zoomはオリンパスから2003年にリリースされたコンパクトデジタルカメラ。
主な特徴として、画素数は500万画素のCCDセンサー、レンズは35mm判換算で27mm~110mmの4倍ズームを採用している。詳細な仕様は下表に載せている。
センサーサイズは1/1.8インチを採用し、それは広角端の実焦点距離 5.7mmで35mm判換算の焦点距離 27mmとなるセンサーサイズ換算係数 4.74倍となることから確認できる。
ファインダーはズーム連動・実像式・光学ファインダーを搭載しており、撮影フレームの確認だけでファインダーからピント位置はわからない、ピント位置はAF合焦音で判断するか背面液晶で確認する。
背面液晶は1.8インチ、13万ドットで、この背面液晶はギミックは凝っており、上下にアームで稼働、さらに横軸で180度回転可能だ。
撮影画像の記録サイズはRaw(ORF形式)、TIFF、SHQ、HQの3種類でRaw、TIFF、,SHQは500万画素となる2592 x 1944ピクセルで画像を保存する。
撮影画像の記録媒体はxDピクチャーカードでxDカード規格の最大容量 2GBまで対応している。xDピクチャーカードは転送速度の違いによりH、M+、M、無印の4種類あり、種類によって画像記録にかかる時間に違いがある。
また、C-5060はコンパクトフラッシュへの記録も対応している。
これら記録メディアによる記録時間が媒体によって異なるため、記録時間についてまとめを「メモリーカード記録時間」の章に実測結果として記載した。
バッテリーは、BLM-1とその後継のBLM-5に対応している。このバッテリーを採用しているカメラは以下の通りだ。
- E-1、E-3、E-5、E-30、E-300、E-33、E-500、E-510、E-520、C-7070、C-8080
2.使用感
C-5060のスタイリングは薄型カメラが主流になる前のずんぐりとした立方体形状で、縦横は9cm x 11cmで奥行6cmのサイズをしており大きなカメラだ。カメラのホールド感は良好で、構えるとおむすびのようなかたまりを握っているように感じられる。
写りはRawで撮影すると小さなセンサーから記録された画像にしては調整幅をもっているため画像の操作によって好みの仕上がりをつくれる。
RawとJPEG-最高画質で記録される画像サイズはほとんど変わらないためRawを主に使用している。
Rawの記録時間はメモリーカードの種類によって異なるため「メモリーカード記録時間」の章に計測結果を記載した。
ズームによる焦点距離の変更はボディ上部のレバーで変更する。
カメラの外観の特徴であるレンズ鏡筒はカメラ操作をする機能はなく、数世代後のカメラのようにズームリングやフォーカスリングを兼ねるような技は実装されていない。
C-5060から先代のC-5050と比べると広角側の焦点距離が35mm→27mmと広角側に変更されたのは嬉しい。
しかし、レンズの明るさはF2.8~F4.8と暗くなってしまったのは残念な点で、特に望遠端のF4.8はISO100を標準とするサイズの小さなセンサーを積んでいるカメラにとってはかなり暗い。
C-5050はF1.8-2.6・焦点距離35-105mm相当の3倍ズームレンズを積んでいる。
C-5060の欠点の1つとして、広角端の27mmは記録画像の歪みが顕著だ。遠景は補正されているけれど1m程度の距離になるとかなり歪む。これは実焦点距離 7.1mmと35mm判では超広角になるためで撮影後の画像処理で補正する。
有償のソフトウェアで普段利用しているAffinity Photo2は、C-5060の補正プロファイルをもっており、歪み補正機能をオンにすればexif情報から自動的に歪みを補正してくれる。
オリンパスの提供していた純正ソフトウェアのOLYMPUS Master / OLYMPUS Master 2と後継にあたるOMデジタルソリューションズのOM WorkspaceもC-5060の歪みを補正する機能をもっている。


Raw形式はオリンパスカメラ・オリジナルのORF形式でマックOSの付属ソフトウェア・プレビューは対応しておらず画像を読み込むことができなかった。
このORF形式に関しては、先ほど紹介したOM WorkspaceとAffinity Photo2で現像できることを確認している。そのほかのソフトウェアでも現像可能なものはあるはずだ。
2GBのメモリーカードを使用すると、Raw(ORF)形式の画像を約260枚撮影できる。
バッテリーは、BLM-1とその後継のBLM-5に対応している。中古のバッテリーでもRaw形式で200枚程度撮影したときには残量はまだあった。先述の通りRaw形式は1枚の書き込みに6.5秒かかるため連続撮影はできないので、1日撮影してまわる場合バッテリー1本あれば十分かもしれない。もちろん予備を準備しておく用心は必要だ。
3.まとめ
結論としてOLYMPUS C-5060をまとめると、C-5060はカメラ機能は充実しており、撮影機能は27〜110mmをカバーする撮影範囲、Raw記録可能、500万画素と必要十分だ。
しかし、動作の遅さとレンズの暗さに惜しい点があり、動作の遅さに関してはカメラのリリース時期のため許容するしか無い。
撮影用途としてはSNS、BLOGなどのウェブ公開用に、日常を丁寧に切り取るのに適したカメラと言える。
■メモリーカード関連情報
1.メモリーカード記録時間
C-5060でRaw形式で撮影したときのメモリーカードへの書き込み時間をストップウォッチで手動計測した。
結果はxD ピクチャーカード Hを使うと記録時間で6.5秒となった。もっとも遅いコンパクトフラッシュの記録時間10秒とは4秒の差でこれは測定しなくても使っていると操作感があきらかに違う。
それにしても、xD ピクチャーカード Hの転送速度の恩恵を初めて感じた。そして、速度の遅いMタイプのxDピクチャーカードはリストラ候補になった。また、コンパクトフラッシュカードに関しては容量 2GB以下で高速転送のカードを探すのは困難なため、手持ちのカード以外ではテストしていない。転送速度の遅さから、コンパクトフラッシュカードは非常用の記録メディアとしてカードスロットにいれている。
メモリーカード種類 | Raw書き込み時間 |
xD ピクチャーカード H | 6.5秒 |
xD ピクチャーカード M+ | 7.5秒 |
xD ピクチャーカード M | 9秒 |
xD ピクチャーカード 無印(64MB〜) | 未入手 |
xD ピクチャーカード 無印(〜32MB) | 10秒 |
コンパクトフラッシュ(1GB・20倍速) | 10秒 |
2.xDピクチャーカード
xDピクチャーカードは転送速度の違いによりH、M+、M、無印の4種類で、その違いはデータ転送速度だ。
カメラ側が対応していれば、高速転送可能なカードを使うと画像記録時間を短縮できる。
xDピクチャーカードは、512MB以下しか使えないカメラと、最大容量の2GBまで使えるカメラがある。カメラ機種だけで無くファームウェアによっても対応状況は異なるため少しややこしい。
メモリーカード種類 | 読み込み転送速度 | 書き込み転送速度 | カード容量 |
xD ピクチャーカード H | 8.0 – 15.0MB/秒 | 5.0~9.0MB/秒 * | 256MB〜2GB |
xD ピクチャーカード M+ | ? | 3.75MB/秒 | 1GB,2GB |
xD ピクチャーカード M | 4MB/秒 | 2.5MB/秒 * | 256MB〜2GB |
xD ピクチャーカード 無印(64MB〜) | 5.0MB/秒 | 3.0MB/s秒 | 64MB〜256MB |
xD ピクチャーカード 無印(〜32MB) | 1.3MB/秒 | 3.0MB/s秒 | 16MB,32MB |
(参考)コンパクトフラッシュ(20倍速) | 3.0MB/s秒(0.15MB/s*20) | 3MB/s秒? | 8MB〜2GB |
**:M+の書き込み速度はITmedia記事(2008年01月22日 14時11分 公開)にある「Mの1.5倍」という記述から計算した。
3.コンパクトフラッシュ
コンパクトフラッシュカードは他のカメラでも互換性問題に遭遇しており、C-5060で手元にあるさまざまな容量のCFカードを入れてみたところ1GB以下のコンパクトフラッシュカードであれば、C-5060でカードのフォーマットを完了して使用できた。
容量2GB以上のCFカードは使用できず、C-5060も2GB以上のCFカードを挿入するとカメラにフォーマットを促され、フォーマットを実行してもフォーマットは完了しなかった。公式の発表しているコンパクトフラッシュ対応リストはマイクロドライブ 4GBまでの対応となっており、4GBのコンパクトフラッシュが使えないのは不思議だ。
試しにオリンパス・E-20でフォーマットした2GBのコンパクトフラッシュカードはC-5060で使用できた。
仕様・カメラ比較
オリンパス C-xxxx(4桁)シリーズは、1999年のC-2000 ZOOMからはじまり2004年のC-8080がピークで最終リリースのカメラは2005年発売のC-7070だ。
C-5060 Wide ZoomはC-xxxxシリーズの後半に登場したカメラで以下の変遷をたどる。
- 2002年発売でレンズの焦点距離 35〜105mmのC-5050
- 2003年にレンズ焦点距離 27〜110mmに拡大したC-5060
- 2004年にレンズ焦点距離 28~140mmのフラッグシップカメラC-8080
- 2005年に発売されるC-7070はC-5060のイメージセンサーを700万画素に置き換えたカメラ
C-5060の後継モデルの1つ、C-7070はC-5060のセンサーを700万画素にアップ、ボディ色をガンメタに変えたモデルで、C-7070のボディ色はかっこいいけれど、カメラ部の違いは少ないため購入していない。
C-xxxxシリーズの恐竜的進化の頂点にいる、C-8080 Wide Zoomは焦点距離を28〜140mmに拡大、より明るいレンズを搭載しているため使ってみたいカメラだ。
項目 | C-5050 | C-5060 | C-8080 |
ズーム倍数 | 3倍 | 4倍 | 5倍 |
焦点距離 | 35−105 (7.1~21.3) | 27-110 (5.7~22.9) | 28~140 (7.1~35.6) |
レンズ構成 | 7群10枚 | 7群8枚 | 13群15枚 |
明るさ | F1.8~F2.6 | F2.8~F4.8 | F2.4~F3.5 |
画素数(万画素) | 500 | 500 | 800 |
センサー | 1/1.8 | 1/1.8 | 2/3 |
ファインダー | 光学実像式 | 光学実像式 | EVF・0.44インチ 24万画素 |
液晶 | 1.8インチ 11.4万画素 上下チルト | 1.8インチ 13万画素 フリーアングル | 1.8インチ 13.4万画素 上下チルト |
バッテリー | 単3型x4 | BLM-1、BLM-5 | BLM-1、BLM-5 |
メディア | スマートメディア xDピクチャ CF | xDピクチャ CF | xDピクチャ CF |
重量(g) | 375 | 430 | 660 |
サイズ(mm) | 113.5×79.5×69.5 | 116×87×65.5 | 124×84.5×99 |
リリース年 | 2002.11 | 2003.11 | 2004.3 |
カラー | 黒 | 黒 | 黒 |
価格(税別) | 12万8,000円 | オープン 10万円以下 | オープン 13万円程度 |
オプション
・オプション装着と購入
レンズ前には40.5mmのネジ溝があり、フィルターを装着可能だ。しかし、フィルターを取り付けたまま、コンバージョンレンズを取り付けるための、アダプターCLA-7を装着すると、フィルターとアダプターの干渉によりカメラはシャットダウンする。初めてこの現象に遭遇したとき、何故でシャットダウンするのかわからずに戸惑った。
液晶ディスプレイに情報を表示できるのだから、フィルターとアダプターの干渉を知らせてくれるとありがたかった。
ワイドコンバーター「WCON-07C」をアマゾンジャパンで購入したところ、古い型の「WCON-07」が届いた。アマゾンは返品にたいして柔軟なので購入者としては届いた品に間違いあっても救済されるけれど、そもそも正しい品を登録して販売して欲しい。アマゾンのカメラアクセサリー販売業者はいい加減な表記の業者をよく目にする。
また、オリンパスからリリースされた、マイクロSDカードをxDピクチャに変換するMASD-1には対応していない。
- コンバージョンレンズアダプタ「CLA-7」(希望小売価格:2,100円)
- バヨネットマウント方式コンバージョンレンズ
- ワイドコンバーター「WCON-07C」(希望小売価格:19,000円)では19mmの超広角
- テレコンバーター「TCON-17C」(希望小売価格:15,000円)では、187mmの望遠撮影が可能)
- 大光量外部フラッシュ「FL-50」(希望小売価格:56,000円)
- レンズプロテクトフィルター 「PRF-40.5」 (希望小売価格:2,400円、11月下旬発売予定)
- UVフィルター 「UVF-40.5」 (希望小売価格:2,400円、11月下旬発売予定)
- PL フィルター 「PLF-40.5」 (希望小売価格:2,400円、11月下旬発売予定)
- 専用充電式リチウムイオン電池「BLM-1」(希望小売価格:8,800円)
- 高速充電器「BCM-1」(希望小売価格:10,000円 別売)
- パワーバッテリーホルダー「B-HLD20」(希望小売価格:15,000円)
- ACアダプタ「C-8AC」(希望小売価格:4,500円)
- 多機能リモコン「RM-1」(希望小売価格:3,000円)
- リモートケーブル「RM-CB1」(希望小売価格:6,500円)
- 防水プロテクタ「PT-020」(希望小売価格:28,000円、11月下旬発売予定)
- 黒の本皮製のセミハードカメラケース(ストラップ付き)「CSCH-16」(希望小売価格:6,500円)
- 持ち歩きに便利なソフトカメラケース「CSCH-17」(希望小売価格:3,200円)
- カメラバッグ「CBG-01」(11月下旬発売予定/希望小売価格:15,000円)
- CFカードアダプタ「MA-CF10」(希望小売価格:7,500円)を使用することで、「C-5060 Wide Zoom」のコンパクトフラッシュ用スロットにも「xDピクチャーカード」を使用することが可能
参考情報
- 「CAMEDIA C-5060 Wide Zoom」ニュースリリース
- ITMedia オリンパス光学工業 CAMEDIA C-5060 レビュー
- xDピクチャーカード M+紹介・ITmedia
- xDピクチャーカード M紹介・ITmedia
- xDピクチャーカード H・オリンパス公式リリース
- xDピクチャーカード説明・Wikipedia
更新履歴
- 2025.4.20
- 2025.2.20
- 2024.07.14
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