Olympus E-20
レンズ一体型一眼レフカメラ
OLYMPUS E-20のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- ギャラリー写真はRaw形式で記録したデータのOM Workspaceでストレート現像した。
レビュー
E-20 *1はオリンパスが2002年に発売したコンパクトデジタルカメラ。
詳細な仕様は下表に載せるが、主な特徴として、画素数が500万画素の2/3インチ・CCDセンサー、レンズは35mm判換算で35mm~140mmの4倍ズームを採用している。
ファインダーはTTL一眼レフレックス方式(一眼レフ)を採用しており、センサーが小さい割りにはファインダーはなかなかのみえ味で、ピントの山もつかみやすい。レンズ固定なので、スクリーンマットを方眼などに取り替えることができないのが残念な点ではある。
背面液晶は1.8インチ、18万ドットでライブビューも可能になっている。
カメラのスタイリングは、オリンパス得意のL型フォルムを踏襲しており、2003年にリリースされるフォーサーズカメラ、E-1を彷彿とさせるフォルムだ。
焦点距離の変更は、レンズ鏡筒手前のズームリングを使用し、フォーカスはレンズ前端にあるフォーカスリングでマニュアルフォーカス(以下、MF)することが可能である。オートフォーカス(以下、AF)とMFはスイッチで切り替え、AF動作中のフォーカスリングによるMF割り込みはできない仕様になっている。
レンズは先代のE-10から持ち越しだが、インターナルズームで全長が変化しない利点は引き継ぎ、F2~F2.4の明るさは心強い。
広角35mm側は少し像が歪む。下の比較画像では上部梁で樽形の歪みが確認できる。
より近い距離でレンガなどの格子状の物を撮影すると、より樽形の歪曲が確認できる。また、JPEG記録でもカメラ側で歪み補正はされてはいない。
歪みについては、有償のソフトウェアになるが、個人的に普段利用しているAffinity Photo2は、E-10の補正プロファイルがあるため、E-20の画像も歪み補正機能をオンにしておけばexif情報から自動的に歪みを補正してくれる。
オリンパスが提供していた純正ソフトウェアのOLYMPUS Master / OLYMPUS Master 2の後継にあたるOMデジタルソリューションズのOM Workspaceにも、E-20撮影画像の歪みを補正する機能がある。
撮影画像の記録サイズはRaw、TIFF、SHQ、HQ、SQがあり、Raw、TIFF、SHQ、HQは500万画素いっぱいの2560×1920ピクセルの画像を保存する。
カメラ上部の液晶表示は注意が必要で、TIFFが点滅している状態がRaw記録の表示である。古いカメラのためか電源投入時に点滅TIFFにしていたものが、HQに変わっていたことがあり、それ以降は撮影前に液晶表示を確認してから撮影している。
Raw形式はオリンパス・オリジナルのORF形式でマックOSの付属ソフトウェア・プレビューは対応しておらず画像を読み込むことができなかった。
このORF形式に関しては、先ほど紹介したOM WorkspaceとAffinity Photo2で現像できることを確認している。そのほかのソフトウェアでも現像可能なものはあるはずだ。
撮影画像の記録媒体は、スマートメディア(以下、SM)とコンパクトフラッシュカード(以下、CF)でSMは128MBまでORF・Raw形式の画像を約13枚、CFは2GBまで対応しており、ORF・Raw形式の画像を約200枚撮影できるため、撮影可能枚数に不満は感じない。
Raw形式で撮影すると、SMカード、CFカードともに記録完了に必要な時間は、1枚あたり約で両者に差は無い。使用したCFカードは、Sandisk Ultra II 2GB 公称転送速度15MB/sなのでそれなりの速度だが、SMの転送速度2MB/sと書き込み速度が変わらないのはカメラ側の処理の限界と考えられる。
しかしE-20はRaw形式で秒3コマは撮影できるので、ある程度のテンポで撮影は可能である。また、メディアでのデータ記録中でもある程度のカメラ操作は可能なので、それほど不満無く撮影を続けることができる。ただし、ライブビューを使う場合はデータ書き込み中は背面液晶がブラックアウトするため映像の確認などはできない。
レンズ前にはネジが切ってあり、フィルターの装着が可能でフィルター径は62と標準的なサイズだ。各種コンバージョンレンズも62mmのねじ込み式で汎用性がある。
バッテリーは、RC-V3を2本か、単三形電池を4本使用する。ニッケル水素電池で運用しているが、満充電でどの程度撮影可能かは不明である。
レンズ固定式のオリンパス E-xx(2桁)シリーズは、2000年10月発売のE-10と2001年11月発売のE-20の2機種で終わりをつげ、その後継として2003年10月発売のE-1からはじまるフォーサーズシステムへと移っていく。
このシリーズが終了したのは、売上げが開発費に見合わなかったためと推察するが、この路線も続けて、E-30(フォーサーズカメラで中級機としてリリースされた型番)、E-50などのカメラがみたかったと思うところである。
海外向けの型番としてE-20PとE-20Nがあり、これはビデオ出力の接続規格 であるPALとNTSCの頭文字を表しており、主に欧州向け(PAL採用地域)か、主にアメリカ向け(NTSC採用地域)の違いを明記している(Wikipedia E-20を参考)。日本向けは無印で売られている。
仕様・歴代モデルの比較
項目 | E-20 | E-10 | E-1 |
ズーム倍数 | 4倍 | ← | ← |
焦点距離 | 35−140 (9~36) | ← | ← |
レンズ構成 | 11群14枚 | ← | ← |
明るさ | F2~F2.4 | ← | ← |
画素数(万画素) | 500 | 400 | 500 |
センサー | 2/3 | ← | 4/3 |
ファインダー | TTL一眼レフレックス方式 | ← | ← |
液晶 | 1.8インチ 11.8万画素 上下チルト | ← | 1.8インチ 13.4万画素 固定 |
バッテリー | 単3型x4 | ← | BLM-1、BLM-5 |
メディア | スマートメディア コンパクトフラッシュ | ← | コンパクトフラッシュ |
重量(g) | 1050 | ← | 660(レンズなし) |
サイズ(mm) | 128.5×103.5×161 | ← | 141×104×81(レンズなし) |
リリース年 | 2001.11 | 2000.10 | 2003.10 |
カラー | 黒 | ← | ← |
価格(税別) | 22万円 | 19.8万円 | オープン 27万円前後 |
オプション
- テレエクステンションレンズプロ(3倍) TCON-300S 69,000円
- テレエクステンションレンズプロ(1.45倍) TCON-14B 21,000円
- ワイドエクステンションレンズプロ(0.8倍) WCON-08B 21,000円
- マクロエクステンションレンズプロ MCON-35 13,000円
- リチウムポリマー電池セット「B-32LPS」(58,000円、11月中旬発売予定)
- 専用外部フラッシュ「FL-40」
- リモートケーブル「RM-CB1」(6,500円)
- 多機能リモコン「RM-1」(3,000円)
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.07.14