「カラーズ」ポーラ美術館

「カラーズ」ポーラ美術館

ポーラ美術館で開催された「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」を2025年4月4日に鑑賞した写真と感想。

目次

カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ

  • カラーズ – 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
  • 2024年12月14日(土)〜 2025年5月18日(日)
  • ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウムギャラリー
  • 公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
  • 入館料:一般 2,200円(他)

概要

展は所蔵品を軸に、滋賀県立美術館、国立近代美術館、現代作家の作品は個人蔵と作家像の作品で構成されている。
新収蔵作品が11点出品されており、そのリストはPRTIMESのサイトを引用して、付加情報に記載した。

展示は3章で構成され、展示数は配布リストによると131点。
展示作品のうち「13-12 波多野華涯 玉蘭海棠図 1921 年( 大正 10)年 絹本着色 華涯文庫 」は、2024.12.14〜2025.2.26の期間限定展示。

  • プロローグ
  • 第1部 光と色の実験
  • 第2部 色彩の現在

展示フロアーは券売所のある1階から、地下1階(1部)の展示室、地下2階(1部+2部)の展示室へ続く。
図録などを販売しているショップはB1階にある。

感想

今回の展示では入口からカラフル、フェリックス・ゴンザレス=トレス《「無題」アメリカ#3》が迎えてくれる。
エスカレータを降りた先にある、アトリウムギャラリーに山口歴の作品が5点展示されている。

フェリックス・ゴンザレス=トレス《「無題」アメリカ#3》

チケット確認をしてエスカレータを降りて、左の入口から展示ははじまる。

プロローグ「光の色」として、杉本博司の「Opticks」からはじまり、作品制作の記録映像「光から色を取り出す。ニュートンのプリズム、スギモトのポラロイド」がながれており、映像ではハッセルブラッド500系にポラロイドのバックをつけて作品制作をしていた。作品を構想する力と実現する力、両方合わさって作品ができていると実感できる映像だ。「プロローグ」は撮影禁止

プロローグを抜けて、第1部はドラクロワの《ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス》からはじまる。

ドラクロワ《ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス》、モネ《セーヌ川の日没、冬》

印象派、フォービズムなどポーラ美術館所有の作品が並ぶ。ブラマンクなどいくつかの作品は撮影禁止。

モネ《サルーテ運河》、ルノワール《髪飾り》、モリゾ《ベランダにて》

「隠された色彩 ピカソとフジタ」のセッションは、ピカソの《海辺の母子像》とレオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品《キュビスムの女》《キュビスム風静物》《ベッドの上の裸婦と犬》が並ぶ、ピカソの青、フジタの白は何度見てもよいものだ。《キュビスムの女》は新収蔵作品。「隠された色彩 ピカソとフジタ」のコーナーはすべて撮影禁止。

フジタを通り過ぎると、「重なりとにじみ 形のない色」のセッションでは、ジャン・フォートリエ《色彩のある線、四辺画》(撮影禁止)が通路に前後が見える形で展示されており、正面の強烈な色彩と本来隠されている裏面のはみ出したような色のコントラストが印象に残る。

ジャン・フォートリエを過ぎると、「色彩の共鳴」にはいり、リヒターの2作品が目に入る。《ストリップ(926-3)》の説明を見ると79歳の時にこれを始めたとのことで、積み重ねがあってこそとはいえ80歳を前に新たな挑戦をすることに尊敬の念をおぼえ93歳で現役なのもスゴイ。このあたりは撮影禁止作品が多い。

展看板にも使われている、ベルナール・フリズの3作品、左から《Ijo》、《Rivka》、《Nieri》は淡い色彩とブロックとストライプの組み合わせが独特のリズムがある。この3作品は撮影可能、新規収蔵作品。

ベルナール・フリズ 《Ijo》、《Rivka》、《Nieri》

ベルナール・フリズの向かいに展示されたアニッシュ・カプーアドナルド・ジャッド 、ダン・フレイヴィンなど立体と発光、反射によって色をみせる作品は、ほとんど撮影不可なのでしっかり目で楽しみたい。

また、第1部は細かくセクション分けされており、メモしたかぎりでは以下の通りである。とくに順番は関係なので、空いた作品から鑑賞して問題ないだろう。メモ書きしたセクションの一覧は以下の通り、セクション名は抜けがあるかもしれない。

  • 「科学と象徴——ポスト印象派の色彩」
  • 「感覚と理論」モーリス・ド・ヴラマンク
  • 「色彩のフォルム」
  • 「隠された色彩 ピカソとフジタ」
  • 「重なりとにじみ 形のない色」
  • 「色彩の共鳴」
  • 「アド・ラインハート」
  • 「色彩と空間」 
  • 「戦後日本の抽象」(地下2階)

地下2階の最初は第1部の続きで、「戦後日本の抽象」白鬚一雄、田中敦子、山口長男の作品を展示。

第2部「色彩の現在」も一応セクション分けされており、 「Polychrome(多色性)と Polymorphism(多様性)」、 「女性作家の色の跡」などいくつかのセクションがあるけれど、どこから鑑賞しても特に支障は無いだろう。

ヴォルフガング・ティルマンスの「フライシュヴィマー」シリーズの3作品は個々のグラデーションが並んだ3つの作品を繋ぐようで、1つの作品のように見えてくる(新収蔵作品)。

ポーラ美術館
ウォルフガング・ティルマンス 《フライシュヴィマー》シリーズ3作品

草間彌生《無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の永遠の無限の光》は部屋に入って鑑賞する作品なので、鑑賞者が多いときは行列ができている。そのときは室内の滞在時間は30秒となかなかシビア、人が少ないときは次の鑑賞者が来るまで放置してくれるみたい。空いてるときはのんびり楽しめるはず。(新収蔵作品)

過去いくつか、∞シリーズの箱に入ったけれどこの空間は自分的にベスト箱。
2020年の作品とのことで、∞シリーズはまだまだ進化しそう。
最前線で創作しているバイタリティは驚きしかない。

草間彌生《無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の永遠の無限の光》

その他作品はギャラリーに掲載あり。

ポーラ美術館・新収蔵作品

11点の新収蔵品リストは以下のとおりで、新収蔵品のリストはリンク先のPR TIMESの配信記事「2025年1月16日 14時00分」より引用させていただいた。

  • レオナール・フジタ(藤田嗣治)《キュビスムの女》1914年
  • ジャン=ポール・リオペル《果肉》1950年
  • ダン・フレイヴィン《無題(ドナに)5a》1971年
  • ドナルド・ジャッド《無題》1987年
  • ベルナール・フリズ
    • 《Nieri》2019年
    • 《Rivka》2019年
    • 《Ijo》2020年
  • 丸山直文《morphogen(Brown)》1994年
  • ヴォルフガング・ティルマンス
    • 《フライシュヴィマー 74》2004年
    • 《フライシュヴィマー 112》2007年
    • 《フライシュヴィマー 205》2012年

図録はショップで販売しており、消費税10%込みで3,600円。ポーラ美術館の公式サイトで通信販売もしている。

ギャラリー

ポーラ美術館
ポーラ美術館・野外彫刻
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関連リンク

更新履歴

  • 2025.4.6

撮影機材

  • HASSELBLAD X2D
  • LEICA S Typ007 +VARIO SONNAR 45-90

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