Last updated on 2026-04-27
SUPER ELMAR R 15mm F3.5を一眼レフカメラ+フィルム、ミラーレスカメラとデジタル一眼レフカメラとで使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。
- LEICA R8 +KODAK ProImage100(一眼レフカメラ +ネガフィルム)
- CANON EOS-1D Mark-IV(デジタル一眼レフカメラ)
- CANON EOS 7D(デジタル一眼レフカメラ)
- LEICA M-P Typ240(ミラーレスカメラ)
- LEICA SL Typ601(ミラーレスカメラ)
- SONY α7Sii(ミラーレスカメラ)
レビュー


1.概要
SUPER ELMAR R 15mm F3.5は、1979年にリリースされたライカRマウントレンズの中で最も広角なレンズの一つ。販売当時、特殊な広角レンズとして知られ、製造本数は約3,000本。レンズ構成は12群13枚、絞り羽根は5枚、最短撮影距離は0.16m。
フロント側にフィルターを装着できない代わりに、専用のフロントキャップ(14294)が用意されている。また、レンズには4色のカラーフィルターが内蔵されている。
スーパーエルマーのマウントには、3-CAM(オーダーナンバー:11213)とROM端子付き(オーダーナンバー:11325)の2種類がリリースされている。日本ではROM端子付きのマウントを見かけたことはないが、eBayでは時々販売されている。RオンリーCAMが存在するかどうかは不明である。
2.使用感
SUPER ELMAR R 15mm F3.5は、ライカ製のレンズではなく、カール・ツァイスが設計・製造している。詳細については、「仕様・考察など」に記している。
このレンズは超広角レンズなので、ピントの山がわかりづらい。遠景の撮影ではF5.6程度にすればほとんどパンフォーカスとなるが、近接撮影では絞って目測でピントを合わせることも多かった。しかし、ミラーレスのEVFではピント位置を拡大して確認できるため、厳密にピント合わせができるようになった。
撮影に関しては、正面に太陽を置いた場合は妖しげな光は出ないが、斜めに太陽を置くと派手なゴーストが出ることもあるため、太陽の位置には注意が必要だ。絞り開放では、隅が甘く感じられることがある(周辺がピント位置からずれてボケているように見えることもある)。年代物の超広角レンズなので、許容範囲内だと感じている。
このレンズは、概要にも記したとおり12群13枚という複雑なレンズ構成をしている。フィッシュアイではない通常レンズで15mmという焦点距離を作る難しさを感じることができる。
最短撮影距離が16 cmで、レンズの長さが9 cm程度あるため、被写体と前玉の距離は7 cm程度となる。そのため、花などを近接で撮影する際には、油断していると前玉が付近にある別の被写体に触れてしまうことがあるので注意が必要だ。
また、過去に所有していたレンズはフォーカスリングが軽くスカスカで操作にストレスがあったが、2023年に入手した前玉に傷のあるレンズはフォーカスリングに適度な粘りがある。そのため、以前所有していた個体はレンズが抜けてスカスカになっていたと思われる。
カメラに付けて使用していたが、カメラとレンズの重量が1.5kgくらいになり、やや重く感じた。所有していたレンズは3-CAMレンズだったため、他のレンズを購入する際に手放したが、2023年に傷のある3-CAMレンズを再び購入した。
■フィルム カメラLEICA R8
フィルムカメラ「LEICA R8」で使うときは、レンズの被写界深度が深いため、ファインダーでピントの山を掴みにくいことが多い。そのため、シャッタースピードに余裕がある場合は、少し絞り込んでパンフォーカスになるように距離を設定して撮影することが多かった。
フィルムでの描写は、使用したネガフィルムの柔らかで先鋭すぎない解像度がレンズとマッチして、良い雰囲気を作り出している。モノクロフィルムを使う場合は、粒子が粗めのフィルムが合いそうな印象だ。
■CANON デジタル一眼レフカメラ
キヤノンEOSシリーズでは、APS-HサイズセンサーのEOS-1D Mark IVとAPS-CサイズセンサーのEOS 7Dで問題なく使用できる。35mmフルフレームセンサーのEOS 1Ds Mark IIIを所有していたときは、レンズを所有していなかったため、動作確認をしていない。
「Canon Leica-R Compatibility Database」によると、1Dsシリーズで使えそうだが、このデータベースも一部不正確な点があるため、使用する前に自身のカメラで動作確認をする必要がある。
EOS-1D Mark IVは、35mmフィルム判換算で1.3倍の換算係数をかけると、焦点距離は19.5mm相当となる。EOS 7Dは、35mmフィルム判換算で1.6倍の換算係数をかけると、焦点距離は24mm相当となる。
両カメラとも、2000万画素以下のイメージセンサーを搭載しており、センサーサイズが35mmフィルム判よりも小さい。そのため、レンズ周辺部をカット(クロップ)してレンズ中央の描写の良い部分のみを抜き出すため、広角レンズで問題となる周辺減光の影響はほとんど見られない。また、レンズ中央部は歪みの影響を受けにくいため、描写が整う。このため、解像感と歪みの両方で、焦点距離15mm付近を含む広角ズームレンズよりも上質な画像を得ることができる。
■LEICA-M(Typ240) & Leica-SL(Typ601)
Leica SL typ601では、ライカ純正マウントアダプター「Leica R-Adapter L(16076)」を介して使用した。このマウントアダプターを使用すると、ROM端子付きレンズはレンズ情報をカメラに受け渡すことができる。しかし、所有しているレンズは3CAMであるため、レンズ情報の電子接点を介した受け渡しはできず、安価な非純正アダプターを使用しているのと同じ状態になる。
LEICA M-P typ240はレンジファインダーカメラであるため、距離計に連動するMマウントレンズ以外は、ファインダーでピント位置を確認することができない。これは、ライカ純正の「R adapter for M(14642)」マウントアダプターを介して、カメラにRマウントレンズを装着しても、カメラの距離計に連動しないためである。
そのため、ピント位置を確認するには外付けの電子ビューファインダーEVF-2を装着する必要がある。
EVF-2を装着したLEICA M-P typ240は、ミラーレスカメラと同様に動作するが、Mマウントレンズを装着した場合と比べてEVFの処理が入るためか、カメラの処理速度が低下してシャッターの反応などがかなり悪くなる。
また、「R adapter for M(14642)」マウントアダプターを使用すると、メニューから登録されたRマウントレンズを選択し、Exifに記録することができる。ただし、メニューに登録されていないレンズを追加登録することはできないため、近いレンズを選択する必要がある。
■SONY α7Sii
レンズサイズに対してコンパクトなカメラボディのため、カメラにレンズを装着すると、レンズの存在感にボディが負けているように見える。マウントアダプターには、Metabones製のR-Eマウントアダプターを使用している。
35mmフルフレームセンサーだが、1,200万画素と控えめな画素数なので、この古い広角レンズを使う場合でも、描写に大きな破綻は見られない。
R-MマウントアダプターとM-Eマウントアダプターを重ね付けすることも可能だが、このレンズは800gと重いため、マウントアダプターの重ね付けはおすすめしない。
■HASSELBLAD X2D-100C
HASSELBLAD X2D-100Cは、中判デジタルセンサーを搭載したミラーレスカメラだ。このカメラのセンサーサイズは、35mmフィルム判よりも大きくなっており、35mmフィルム判に対する焦点距離の換算係数は0.8倍となっている。
イメージサークルが中判デジタルセンサーをカバーしていれば12mm相当の超広角レンズとなるが、残念ながらSUPER ELMAR 15mmのイメージサークルは35mmフィルム判が限界である。
下図において、最も外側の部分は中判デジタルセンサーの撮影範囲、内側の白枠は周辺減光などを除いた問題のない画像範囲を表している。マスクされた周辺部を見ると、レンズフードの影が映り込んでいることがわかる。逆に言えば、レンズフードをカットすればより広い範囲が画像として使えそうだが、フードが映り込んでいる部分には画像の乱れも見られる。このため、仮にフードがなくても、このレンズで使える画像の範囲は変わらないと考えられる。

3.まとめ
SUPER ELMAR R 15mm F3.5をまとめると、レンズ設計が古く、大きくて重い超広角レンズである。
デジタルカメラでの撮影では、周辺部の解像度が低下する場面があり、描写においては最新の広角ズームレンズに及ばないこともある。そのため、購入を検討する際は、最新ズームとの価格差や単焦点レンズの使用頻度を考慮して決断する必要があるだろう。
仕様・考察など
SUPER ELMAR R 15mm F3.5は、Carl Zeiss製のレンズである。なお、後継のSUPER ELMARIT R 15mm F2.8は、Schneider-Kreuznach製のレンズである。
SUPER ELMAR R 15mm F3.5には、Yashica-CONTAX、PENTAX、Rollei QBMなどの兄弟レンズがいくつかある。また、ニコンにも同スペックの15mm F3.5というマニュアルレンズがあるが、レンズ構成が11群14枚であるため、本レンズとは異なる。ライカRマウントレンズの製造本数は多くないが、他のマウント版を含めると珍しいレンズではなく、レンズ価格はブランドによって異なる。
また、2010年代以降の35mm判フィルム対応レンズにおいて、焦点距離14〜15mm程度の超広角単焦点レンズは、超広角ズームレンズによってカバーされており、存在感が低下している。しかし、焦点距離15mmの単焦点レンズは依然として人気があり、Carl Zeissは2017年に「Milvus 2.8 / 15mm」を発売している。さらに、SIGMAからは、焦点距離14mmの大口径超広角単焦点レンズが2本リリースされている。2017年に「14mm F1.8 DG HSM」、2023年に「Art 14mm F1.4 DG DN」である。


| 項目 | SUPER ELMAR | SUPER ELMARIT |
| 焦点距離(mm) | 15 | 15 |
| 最大絞り | 3.5 | 2.8 |
| 最小絞り | 22 | 22 |
| 絞り羽根 | 5 | 6 |
| レンズ構成 | 12群13枚 | 10群13枚 |
| 最短撮影距離(m) | 0.16 | 0.18 |
| レンズ長(mm) | 92.5 | 85.3 |
| レンズ最大径(mm) | 83.5 | 83.5 |
| フィルター径(mm) | – 前枠にフィルターは取り付けできない 内蔵フィルターあり Front cap: 14294 | – 前枠にフィルターは取り付けできない 内蔵フィルターあり |
| 重量(g) | 815 | 710 |
| リリース年 | 1979 | 2001 |
| 製造本数 | 2980 | 420 |
参考情報
- R型ライカのすべて(2003年版)/著者:中村信一/朝日ソノラマ編 Ads by Amazon
- Canon Leica-R Compatibility Database
- Leica WikiによるSUPER ELMAR 15mmの説明
- Carl Zeiss DISTAGON T* 15mm F/3.5 [AE]・Lens.DB
- Asahi SMC TAKUMAR 15mm F/3.5・Lens.DB
- Carl Zeiss DISTAGON HFT 15mm F/3.5・Lens.DB
- Nikon AI NIKKOR 15mm F/3.5・Lens.DB
- Art 14mm F1.8 DG HSM・SIGMA Official page
- Art 14mm F1.4 DG DN・SIGMA Official page
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更新履歴
- 2025.10.12
- 2025.5.30
- 2024.02.18
- 2022.06.10


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