対称型広角 SUPER ANGULON M 21mm F3.4

対称型広角 SUPER ANGULON M 21mm F3.4

LEICA SUPER ANGULON M 21mm F3.4をLEICA M9で使用したのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影はLEICA M9を使用した。

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

SUPER ANGULON M 21mm F3.4は1963年に製造開始されたライカMマウント用の広角レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。

  • 開放F値 3.4
  • レンズ構成 4群8枚
  • 絞り羽根 4枚
  • 最短撮影距離 0.4m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.7m
  • フード 「12501」ELAMRIT M 28mm F2.8(初代・2代目ストッパー付き)と共通 

スーパーアンギュロンと名のつくレンズはMマウント、Rマウントに関わらずドイツのシュナイダー社で製造している。

2.使用感

SUPER ANGULON M 21mm F3.4の描写は、作例を見ていただければわかるとおり、LEICA M9のコダック製CCDセンサーでカラー撮影すると、周辺部のカラーキャストがよくあらわれる。

カラーキャストを除くと描写自身は素晴らしく、中央部は特によく解像し歪みも少ない描写をするので、モノクロ専用レンズと割り切れば、カラーキャストの問題はなくなるため気持ちよく使うことができる。

また、フィルムカメラで使用する場合は、カラーキャストの問題はなくなる。

このレンズをカメラに装着すると、カメラ内部にレンズの後玉が食い込むため、測光が正しくできないため、カメラ任せのAE=Auto Exposure(自動露出)設定だとオーバー気味の写真になる。
使用時はマニュアル設定で、シャッタースピードと絞りを撮影者が調節する必要がある。露出の±では振れ幅に対応できないことが多いため、直接シャッタースピードを設定するのが良い。

これはAE機能のあるデジタルカメラ、フィルムカメラ共通の問題点で、昔はマニュアル設定が当たり前だったのが、便利なAEカメラに慣れていると、とたんに不便に感じられる。

そして、レンズの後玉が大きいため、APS-Cサイズセンサー、それよりも小さいサイズのセンサーを搭載したカメラは、センサー周囲の壁にレンズの後玉が干渉し、取り付けできないことがある。

3.まとめ

結論としてSUPER ANGULON M 21mm F3.4をまとめると、デジタルカメラで使用する場合の問題点は以下3つで、フィルムカメラを使う場合や、これらを許容できる撮影者には良い相棒となる。

  1. センサーによっては撮影画像の周辺部にカラーキャストが現れる
  2. カメラによってはAEが使えない
  3. カメラによっては取り付けできない

仕様・考察など

F3.4バージョンはシルバー外装とブラック外装があり、シルバーは無限遠ストッパー付き、ブラックはストッパーがない。両者は同時期に生産されていたようで、何故シルバーのみストッパーがあるのかは調べてみたが不明だ。

カラーキャストは、カメラの搭載するセンサーの種類によってはあらわれないこともある。また、測光もセンサーの設置位置や測光方式によっては問題にならないカメラもある。
このため、使用しているカメラとレンズの相性を確認してから購入することをお勧めする。

項目F4F3.4
焦点距離(mm)2121
最大絞り43.4
最小絞り1616
絞り羽根44
レンズ構成4群9枚4群8枚
最短撮影距離(m)0.40.4
レンズ長(mm)
Mマウント面からの距離
5151
レンズ最大径(mm)52.552.5
フィルター径(mm)E39E48
シリーズ7
フードIWKOO12501
重量(g)250301
リリース年1958〜19811963〜1978
製造数27,0005,970

広告

参考情報

更新履歴

  • 2025.8.5

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA