山王美術館 「女性画家たち展」

山王美術館 「女性画家たち展」

10月23日に訪問した山王美術館で開催された「女性画家たち展」の鑑賞レビュー

目次

展覧会概要

  • 女性画家たち展
  • 2025年9月1日(月)~ 2026年1月31日(土)
  • 時間:10:00-17:00
  • 会場:山王美術館

本展は館所蔵のコレクションを美術館4階、5階の2フロアーを使用した企画展示

展示会場内は写真撮影禁止

美術館について

山王美術館は初訪問で美術館の概要はウェブサイトを見ていただくと詳しく記載されているが、簡単に個人的に興味深い点について記しておく。

美術館はホテルモントレイの創業者のコレクションを展示する館で、所蔵作品数は約600点、現在の館は2022年に開館したばかりの建物で、ホテルモントレ ラ・スール大阪のすぐ近くに独立した館として存在する。

美術館展示室は3階から5階の3フロアーで、エレベーターと階段で移動できる。

所蔵作品の他館への貸出しに積極的ではないとのことで、こちらでしか鑑賞できない作品がある。

展示会場内は撮影禁止だが、ロビーや展示室外のフロアーは作品を含めて撮影可能、また、美術館入場券購入者はショップにある給湯コーナーにて、コーヒー、紅茶などの飲料を無料でいただくことができる。やたら粘る人がいるためか、利用時間は15分程度でお願いとの注意書きがあった。

鑑賞レポート

<女性画家たち展>

上村松園、三岸節子、マリー・ローランサン、片岡球子、4名の女性画家の作品にフォーカスした企画展示。

展示場最上部の5階に上村松園を8点、三岸節子を5点、マリー・ローランサンを10点展示している。

上村松園の作品は他館でよく眺めているが、松園が何度も描いているモティーフの一つ鳥の鳴き声を聞いた瞬間を描いた《ほととぎす一声》は作中人物のたたずまいと画面から音がきこえるように感じられる画力に惚れ惚れする。

三岸節子は花の絵がほとんどで、《花(南仏カーニュにて)》の過剰にもりあがった絵肌は恐ろしさを感じる。作家説明に女子美 洋画を卒業とあり女子美のすごみをあらためて感じる。

マリー・ローランサン、こちらも飽きるほど見てきており、作家の特徴の一つである作中人物の淡泊な瞳は写実的で無いけれど、その瞳は見るときの気分を映す鏡のようだ。

階段を降りて4階は、ワンフロアーに23点の片岡球子作品を展示し、富士山を描いた作品13点、面構(つらがまえ)シリーズを2点と片岡の代表的なモティーフの作品が並ぶ。その展示のなかで目を惹いたのは《桔梗》という作品で、色使いと花の形に面白さを感じた。
作家説明に女子美術大学日本画家専任講師という肩書きを見つけ片岡が女子美の流れの中にいる人ということを知った。

各展示室は作品間隔がほぼ均等になるように展示点数が決められているようで、展示は窮屈すぎずゆとりを持って鑑賞できるようになっている。

<コレクション展>

3階フロアーは、ヴラマンク、ユトリロ、ムンク、ドガ、シスレー、ルノワール、藤田嗣治、ボナール、レンピッカの印象派からその後の作家を展示していた。

目を惹いたのはヴラマンクの《花》、これは作家36歳の作品でヴラマンクはたくさんの「花」作品を残しているが、こちらの荒さを抑えた柔らかなタッチが印象に残った。

また、このフロアーで唯一の女性作家である、タマラ・ド・レンピッカ(1989−1980)の展示作品《叡智IV》(1974)はWikipediaによると1974年当時、彼女はすでに画家を引退状態で、この作家晩年の作品はすでに全盛期の画力が失われた時代の作品と言うことが分かった。
過去に見たレンピッカの作品と趣は異なっており、フォルムは色彩感覚は昔の面影があったがフォルムは抽象的な作品だ。似たような作品を検索してみたが見つけることができなかった。

2010年兵庫県立美術館のレンピッカ展のPDFが検索でヒットしたのでリンクを張っておく。

<館内>

調度品、彫刻、カシニョールなど美術品が展示されたロビー、入館者はお飲み物もいただけるし、とてもくつろげる空間でした。

<移動>

  • 大阪駅から大阪環状線の外回りで3駅の京橋駅で下車して徒歩で美術館に移動する。
  • 兵庫県立美術館からの移動は、最寄りの灘駅から大阪方面の普通電車にJR東西学研都市線に直通する電車があり、それを使うと少し時間がかかるが京橋駅に直通している。直通電車でない場合は芦屋駅でJR東西学研都市線に乗り換えるか、大阪駅まで行き大阪環状線を使う。

参考情報

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使用機材

更新履歴

  • 2025.10.26

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