ソニーミラーレス思想の体現:NEX-5

SONY α NEX-5 ミラーレスデジタルカメラのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例ので撮影はCONTAX-G PLANAR35mm、CONTAX-G BIOGON21mm、Voigtlander SUPER WIDE HELIAR 15mm、SONY E16mm、SONY E18-55mm
レビュー


1.カメラ概要
α NEX-5はα NEX-3とともに2010年6月に発売されたソニー製ミラーレスカメラ。実際の発売日はα NEX-5がα NEX3より一週間遅い6月10日に発売されている。
カメラの詳細な仕様は下表に載せているが、主な仕様として、1400万画素のAPS-Cセンサー(23.6mm x15.8mm)を搭載し、背面液晶は3インチ92万ドット、正面から見たサイズは111 x 59で小型のスマートフォンよりも小さい。もちろんカメラなのでグリップ部に奥行はあり、レンズを付けるとそれなりの大きさにはなる。
液晶モニターは上下可動式で、上約80度、下約45度まで変更できるが、自撮りのための180度回転や、バリアングル液晶のような柔軟な変更はできない。
バッテリーは、NP-FW50を採用している。
2.使用感
α NEX-5のカメラスペックは当時のAPS-Cサイズセンサーを採用した一眼レフカメラから大きな飛躍はないが、α NEX-3をふくめそのコンパクトなボディは、ソニー・ミラーレスカメラのミニマムなサイズを追求するという思想を体現しており、その登場は衝撃であった。
所有しているボディは、α NEX-5シリーズで唯一のシャンパンゴールドのボディ色で、この色はMetabonesのマウントアダプター(ゴールド)とコンタックスGレンズによくマッチしており、CONTAX Gマウントレンズ4本で主力として使っていた。
カメラに物理ボタンはそれなりの数があるが、ボタンへの機能割り当てには制限が多く、撮影者の好みの設定に完全に合わせることはできないので、撮影者がカメラにあわせる必要がある。
マニュアルフォーカス撮影時に液晶画面を拡大する「MFアシスト」を下側ソフトキーに割り当てて我慢している。希望としては、親指で操作しやすい上側ソフトキーに「MFアシスト」を割り当てたいが、メニューで固定されている。
また、コントロールホイールでダイレクトに露出補整がしたいが、コントロールホイールの下ボタンを押してからでないと露出補整ができないのは不満点だ。

1400万画素あるのでスナップ撮影には十分な性能だが、シャッターショックによる手ぶれが発生しやすいこととMFレンズを使うとき背面液晶ではピントがわかりづらいという2つの弱点がある。
この2つを克服するためには、ピントは拡大表示で確認し、手ぶれはカメラをきちんとホールドする必要がある。手ぶれに関しては手ぶれ補正機構の組み込まれた、α7IIシリーズ以降かα6500以降のカメラが使い易い。
バッテリー NP-FW50は電圧7.2Vで1020mAhなので、7.3Whと容量が少ないため、バッテリーの持ちはよくない。
また、充電後、半年ぶりくらいに使おうとすると電池残量が0になっていることが多く、SONY製リチウムイオンバッテリーは使用したいずれの型番でも自然放電をよくする印象で、ときどき充電しておかないと過放電で使えなくなる心配がある。
α7sIIを買ったついでに、新型のNP-FW50を購入したため、新型の自然放電具合が気になるが、今のところ適当な頻度で使用しているため、自然放電については確かめられていない。
手元のα NEX-5は専用外部フラッシュのHVL-F20Sを使用してブログの物撮り用として重宝している。
フラッシュの電池消費量は大きいようで、フル充電の状態でもフラッシュを使用して撮影していると50枚くらいでバッテリーの残量が40%以下になる。
外付けフラッシュ・HVL-F20Sは、α NEX-5の採用しているスマートアクセサリーターミナル対応の数少ないオプションで、α NEX用の外付けEVF・FDA-EV1Sはスマートアクセサリーターミナル2対応となっており、NEX-5N以降のカメラ用であり、紹介しているα NEX-5では使用できない。
このフラッシュなどを装着するアクセサリーポートはNEXシリーズのややこしいところで、以下の分類となっている。
名称 | 採用カメラ | 特長 |
なし | α NEX-3N α5000 α5100 | シューなしと割り切ったカメラ |
スマートアクセサリーターミナル | α NEX-3 α NEX-C3 α NEX-5 | EVF・FDA-EV1S装着不可能 装着アクセサリーはかなり限定される |
スマートアクセサリーターミナル2 | α NEX-5N α NEX-5R α NEX-5T α NEX-F3 | EVF・FDA-EV1S装着可能 |
オートロック・アクセサリーシュー | α NEX-7 一眼レフαシリーズ(α99より古いカメラ) | ミノルタ時代から続く伝統のシュー |
マルチインターフェースシュー | α NEX-6 α99 α58 α77 II α99 II ミラーレスα6xxxシリーズ ミラーレスα7シリーズ ミラーレスα1シリーズ ミラーレスα9シリーズ | 2024年現在の主流のシュー ADP-MAA を使うと、オートロック・アクセサリーシューのフラッシュを使用可能 |
2011年にフラッグシップのα NEX-7を発売、2012年にその廉価版α NEX-6を発売、2013年発売のα NEX-3Nとα NEX-5Tをもってα NEXブランドは終了する。そして、ソニーの小型ミラーレスカメラはα5xxx、α6xxxブランドに変わる。
Eマウントは比較的コンパクトなマウント径(46mm)で35mmフルサイズセンサーがこれに入るとは思っていなかったが、α7で見事にやり遂げいまの隆盛に繋がっている。
3.付加情報
写真はMINOLTA α8700iからはじめたので、ミノルタがソニーに変わってからも一眼レフデジタルカメラ SONY α900を使い、ミラーレスカメラα NEX-5はマイクロフォーサーズよりもセンサーがでかいとの理由から発売直後に購入した。
古いカメラとはいえ、ソニーEマウントなので、各種マウントアダプターに対応している。リストの上3つはAF対応のマウントアダプターで装着とAF動作はもちろん可能だが、合焦速度、合焦精度からAFはほぼ使い物にならない。試したアダプターは以下の通りである。
- SIGMA MC-11(SA-E)(AF対応)
- VILTROX(ビルトロックス)マウントアダプター EF-NEX IV(AF対応)
- Metabones(メタボーンズ)SpeedBooster ULTARA 0.71 (AF対応)
- Metabones(メタボーンズ)CONTAX G-Sony αE
- KIPON BAVEYES フォーカルレデューサーマウントアダプター ソニーNEX/α.Eマウント (ライカRマウントレンズ) BAVEYES L/R-S/E 0.7x(L/R-NEX 0.7x)
仕様
モデル名 | α NEX-5 | α NEX-5N | α NEX-5R |
カメラ有効画素数 | 14.2-Megapixcels | 16.1-Megapixels | 16.1-Megapixels |
センサーサイズ | APS-C 23.7 x 15.6mm | APS-C 23.7 x 15.6mm | APS-C 23.7 x 15.6mm |
背面液晶 | 3.0インチ 92万ドット 上80度,下45度 | 3.0インチ 92万ドット 上80度,下45度 | 3.0インチ 92万ドット 上180度,下50度 |
EVF | なし | FDA-EV1S | FDA-EV1S |
アクセサリーシュー | スマートアクセサリーターミナル | スマートアクセサリーターミナル2 | スマートアクセサリーターミナル2 |
最高シャッター速度 | 1/4000 | 1/4000 | 1/4000 |
バッテリー | NP-FW50 | NP-FW50 | NP-FW50 |
タッチパネル | × | ○ | ○ |
WIFI | × | × | ○ |
NFC | × | × | × |
AF | コントラスト | コントラスト | コントラスト 像面位相差 |
メディア | MS-Pro SDXC | MS-Pro SDXC | MS-Pro SDXC |
リリース年 | 2010.6 | 2011.9 | 2012.11 |
サイズ | 111 x 59 x 38 | 111 x 59 x 38 | 111 x 59 x 38 |
重量 (本体のみ) | 229 | 210 | 218 |
カラー | ブラック・シルバー・ゴールド | ブラック・シルバー・ホワイト | ブラック・シルバー・ホワイト |
オプション
- HVL-F20S(フラッシュ)
- LAシリーズマウントアダプター
- アクセサリーキット
- ストラップ
- ケース
参考リンク
- WikipediaによるSONY NEXの説明ページ
- SONY α NEX 対応アクセサリー
- SONY α NEX-7・Shige’s hobby
- SONY α NEX-6・Shige’s hobby
- SONY α NEX-C3・Shige’s hobby
- SONY α7・Shige’s hobby
- SONY α7 Sii・Shige’s hobby
更新履歴
- 2024.12.4
- 2024.7.25
- 2024.03.03:改稿
- 2023.10.24:初稿
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