熟成不足の中堅カメラ α NEX-6

SONY α NEX-6 ミラーレスデジタルカメラのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はCONTAX-G BIOGON 28mm
- センサーはAPS-Cサイズなので35mm判換算の焦点距離は28mm * 1.5 = 42mm相当
レビュー


1.概要
NEX-6はα NEXブランドの末期2012年11月にリリース(NEXブランドの最終カメラのリリースは2013年9月のNEX-5T)された、APS-Cサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ。
NEX-7よりも後に発売されたが、NEX-6と型番が小さくなったのは画素数が2400万画素から1600万画素に減少しているためと考えられる。
以下主な特徴を列挙する。
- EVFの性能は、NEX-7の仕様を引き継いで236万ドットと高精細。
- バッテリーは、NP-FW50を継続して使用。
- メモリーカードはSDXCに対応しており、記録メディアの入手性は問題無し。
- ソニーのメモリースティック PRO Duoに引き続き対応。
- アクセサリーシューに、今後標準となるマルチインターフェースシューを採用。
- ボディ内手ぶれ補正は搭載されておらず、APS-Cカメラは2016年発売のα6500が初搭載。
- 液晶モニターは、上下可動式
2.使用感
NEX-6はお散歩用サブカメラとして購入した。
NEX-5同様にメタボーンズ(Metabones)のマウントアダプター経由で装着した、CONTAX-Gレンズがよく似合う。センサーサイズのため焦点距離が1.5倍になってしまうが、日中以外は頼もしいファインダーにより、マニュアルレンズを楽しむのにも向いている。
持ち運び時のストラップは、ボディが軽く重いレンズは装着しないので片釣りのストラップで使用している。
軽いレンズを装着してのスナップ撮影であれば、ストラップに過剰な荷重がかかることはなく、使用していて問題になることはない。機能的な問題はないけれど、ストラップ取付金具は平板に穴を開けただけのチープな造りで廉価モデルなりのコストダウンが見られる。
NEX-6はα NEX上位モデルとして前モデルのNEX-7から進化を感じる部分もあるけれど、NEX-7のよいところを忘れてしまったようで残念である。
NEX-6の大きな問題点は、便利なリング状のダイヤル、コントロールダイヤルとコントロールホイールの2つを備えているにもかかわらず、露出補正をするときは背面の露出補正ボタンを押してからどちらかのリングを回すという2ステップ仕様にある。このリングでダイレクトに1ステップで露出補正ができればと悔やまれる。
ここにNEX-6・最大の煮込み不足を感じる。
液晶モニターは上下可動式で、0度から90度まで変更できるが、自撮りのための180度回転や、バリアングル液晶のような柔軟な変更はできない。
マウントアダプターによるレンズ遊びは、ピント拡大を背面のボタンに割り当てができるため、撮影者が押しやすいボタンに拡大機能を割り当てることによって、マニュアルフォーカス(以下、MF)時のピント合わせが容易になる。いくつかのボタンに割り当てを試したところAELボタンに割り当てている。
EVF、背面モニターともに拡大表示無しの見た目でシャッターを切ると、PCで見たときにピント位置が撮影意図とずれており悲しい結果になる。
オートフォーカス(以下、AF)の精度は並みで優秀と言えるほどでは無い。コントラストがある被写体はそれなりに写るが、近接域にピントをあわせて欲しいが、背景がごちゃついた被写体の場合、後ろの背景にピントが持っていかれることもしばしばあるため、プレビュー → 拡大表示 → 画像確認のプロセスが必要になる。
筆者が眼鏡ユーザーのためもあるが日中晴天下でEVFが見づらいことがある。中古で購入したカメラにEVFの大型アイカップがついておらず、ファインダーの横から入る光のために見辛いということはわかっているので、別売のアイカップを装着と改善する。
カメラと同時にパワーズームのEPZ 16-50を購入した。このレンズは安価なプライス通りの実力で、歪曲補正が不足しており周辺部で歪み、あわせて解像感も悪化するため周辺画質もよくない。
3.まとめ
結論としてNEX-6をまとめると、1600万画素に抑えた画像ハンドリングの良さ、今後の主流となるマルチインターフェースシューの採用など、今後のAPS-Cサイズセンサー αの片鱗を感じるカメラだ。
NEX-6を使うえでもっとも考慮する点は、撮影時にマニュアルで露出補整をどのくらいの頻度でおこなうかである。
その頻度が少なければ2ステップ露出補整でも問題ないが、積極的に光をコントロールしたい撮影者には耐えがたい仕様と考える。
この1600万画素センサーはNEX-7の2400万画素センサーと比べると、カラーキャストの発生がしづらくマウントアダプター遊びがしやすい。もちろんカラーキャストが完全に無くなることはなくレンズと光線状態によっては発生する。
2025年現在の中古価格は、NEX-7と同程度の価格で見かけるため、さらに上位のα6000なども比べて選択する必要があるだろう。α6000は電子ビューファインダーの解像度が144万ドットとNEX-6、NEX-7の234万ドットと比べてスペックダウンしているため、実際にファインダーの見え具合を試して納得できるか確認する必要がある。
余談だが、NEXシリーズは正式な名称はα NEXとなっている。個人的には”α”の名前が入っていることにほぼ気がついておらず、このページを含めNEX関連のページを作るとき”α”を入れ忘れて後に修正した。
そんなα NEXも2013年10月発表のα7シリーズの発表時に”NEX”部分の廃止が打ち出され、APS-Cサイズセンサー搭載のカメラもα6000シリーズへと変わっていく。個人的には、NEXブランドを継続していてもよかったのではないかと思う。
仕様・シリーズカメラ比較
モデル名 | NEX-7 | NEX-6 | α6000 |
カメラ有効画素数 | 24.2-MP | 16.1-MP | 24.3-MP |
センサーサイズ | APS-C 23.5 x 15.6mm | APS-C 23.5 x 15.6mm | APS-C 23.5 x 15.6mm |
背面液晶サイズ | 3.0 92.1万ドット | 3.0 92.1万ドット | 3.0 92.1万ドット |
EVF | 内蔵 236万ドット | 内蔵 236万ドット | 内蔵 144万ドット |
手ぶれ補正 | × | × | × |
最高シャッター速度 | 1/4000 | 1/4000 | 1/4000 |
バッテリー | NP-FW50 | NP-FW50 | NP-FW50 |
タッチパネル | × | × | × |
WIFI | ○ | ○ | ○ |
NFC | × | × | ○ |
AF | コントラスト | コントラスト 像面位相差 | コントラスト 像面位相差 |
アクセサリーシュー | オートロックアクセサリーシュー | マルチインターフェースシュー | マルチインターフェースシュー |
メディア | MS-Pro-Duo SDXC | MS-Pro-Duo SDXC | MS-Pro-Duo SDXC |
リリース年 | 2011.8 | 2012.11 | 2014.3 |
サイズ | 120 x 67 x 43 | 120 x 67 x 43 | 120 x 67 x 45 |
重量 (本体のみ) | 291 | 287 | 285 |
カラー | ブラック | ブラック | ブラック、ホワイト、シルバー、グラファイトグレー |
オプション
- HVL-F20M(フラッシュ) *1
- HVL-F28RM(フラッシュ) *1
- HVL-F46RM(フラッシュ) *1
- HVL-F60RM2(フラッシュ) *1
- LAシリーズマウントアダプター
- アクセサリーキット
- ストラップ
- ケース
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2025.4.11
- 2024.7.26
- 2023.11.25:初稿
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