Voigtlander Snap Shot Skopar L 25mm F4
フォクトレンダー・スナップショットスコパー L 25mmのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はEPSON R-D1
レビュー
1.概要
スナップ・ショット・スコパー 25mm F412は、1999年にコシナがフォクトレンダーブランドでリリースしたL39スクリューマウントの広角レンズ。
レンズ構成は5群7枚、最短撮影距離は0.5m、ライカLマウントの距離計に連動しない。
フィルター径は39mm、重量90gで、レンズ全長はマウント面からレンズ先端まで約30mmとなっている。
2.使用感
本レンズは、フォクトレンダー L39スクリューマウントレンズの中で唯一、距離計連動機構が省かれた目測レンズであり、同シリーズでより広角なカラースコパー21mmを含め全て距離計に連動するため異色の存在である。
L39スクリューマウントレンズなので、Mマウントで利用するためには、L-Mマウントアダプターは必要になる。LEICA M8の6bitレンズ認識機能を使う場合は、対応する爪のマウントアダプターを選択する必要があった。25mmに近い24mmの認識コードを出すためには、28-90のL-Mアダプターが必要だったと記憶しているが、すでに昔の記憶なので間違っているかもしれない。
M9以降は手動でレンズ焦点距離を入力できるようになったので、LEICA M8以外はそのような手間はない。
もっとも焦点距離25mmなので、目測でもフィルムカメラでは実用上それほど不自由があるわけではなかった。時代的にデジタルで撮影結果をモニター上で拡大してみる事ができるようになり、ピントが微妙に合っていないことが分ることもあった。これは撮り手の目測把握能力に問題があったことも確かである。
距離計連動を省くという仕様から、本レンズは定価も中古価格も安かった。レンジファインダーカメラのファインダーで除くと、ピントレバーを操作しても中央の二重像合焦部が動かないので戸惑うことになる。距離系連動機構が省かれたという欠点はミラーレスカメラではまったく問題にならないので、気付かずに使っているユーザーもいるかもしれない。
本レンズの母体として使っていたEPSON R-D1は、センサーサイズの関係から周辺部がトリミングされるため、焦点距離が35mm判換算1.5倍の37.5mmとなり35mmレンズに近い撮影範囲となる。
R-D1のファインダーを覗いたときファインダー枠一杯が概ねレンズの撮影範囲と一致していたので、外付けファインダーは使用せずに使っていた。
フルサイズでは周辺画像に難があるとの記述を見かけるが、1.5倍のR-D1では気になることはほとんど無かった。EPSON R-D1を購入したらレンズグルメがはじまるわけで、LEICAはレンズにせよカメラにせよ高価という印象(印象だけであり、実際はピンキリ)もあり、このフォクトレンダーから交換レンズグルメをはじめた。
本レンズは2007年4月に距離計連動機構を備えMマウント化され、Color Skoper 25mm F4Pという製品にリニューアルされている。レンジファインダーカメラで使うならこちらの方が良い。
3.比較
ライカMマウントの焦点距離25mmのレンズはカール・ツァイスが採用している。それに近い焦点距離24mmはライカとMs-opticsが採用している。
25mmのレンズは以下の3本で、フォクトレンダーレンズの特長は、カール・ツァイスに比べると鏡筒をコンパクトにまとめていることだ。
仕様
項目 | スナップショット・スコパー 25mm34 | カラー・スコパー 25mm |
焦点距離(mm) | 25 | 25 |
最大絞り | 4 | 4 |
最小絞り | 22 | 22 |
絞り羽根 | 10 | 10 |
レンズ構成 | 5群7枚 | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 0.7(距離計非連動) | 0.5(0.7mまで距離計連動) |
レンズ長(mm) | 29.5(L39) | 30.3(VM) |
レンズ最大径(mm) | 49.5 | 55 |
フィルター径(mm) | 39 | 39 |
重量(g) | 90 | 144 |
リリース年 | 1999.2 | 2007.4 |
価格(定価・税別) | 45,000(銀色)/45,000(黒色) | 50,000- |
参考文献・参考リンク
- COSINA製品PDF(2024.12現在リンク切れ)
- コシナ製品PDF・インターンネットアーカイブ
- COLOR SKOPAR 25mm F4P・フォトヨドバシ
更新履歴
- 2024.04.15
- 2023.09.18