極SUMMICRON SS100mm

極SUMMICRON SS100mm

LEICA S SUMMICRON 100mm ASPH.をLEICA Sで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例はLeica S typ007で撮影
Cat・猫
LEICA SUMMICRON S 100 F2 LEICA S Typ007
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レビュー

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1.概要

SUMMICRON S 100mm ASPH.は2013年にリリースされた、ライカSレンズラインナップの中で唯一のズミクロン銘をつけられた大口径レンズ。

主な仕様は以下の通りで、詳細な仕様は表に載せている。

  • 開放F値 2
  • レンズ構成 5群7枚
  • 非球面レンズは2枚・4面
  • 絞り羽根 8枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • レンズ長 102mm
  • 重量 910g
  • フード 専用バヨネットフード(12402)
  • レンズシャッター(CS)バージョンはない

他のライカSレンズは、F2のSUMMICRON以外も絞り開放値毎に区分され、F2.5はSUMMARIT、F2.8はELMARIT、それ以外の絞り開放値はELMAR、ズームレンズはVARIO ELMARとなっている。

2.使用感

SUMMICRON S 100mm ASPH.は中判デジタルセンサーに対応するため鏡筒は大きく重い。カメラボディのLEICA Sと組み合わせると2kgにせまる重量になる。

オートフォーカスの速度と精度も一昔前の一眼レフカメラ並みの性能で、驚くような飛び道具は持ち合わせていない。背景がごちゃごちゃした被写体や薄暗い低照度の空間では、フォーカスの行き過ぎはしょっちゅう経験するし、ピンボケ写真になることもある。
それでも、慎重にフィンダーを覗き、コントラストの高いところを狙うとピントが合焦させることができる。オートフォーカスが信用できないときは、マニュアルフォーカスを積極的に利用するべきレンズと言える。

カメラ任せでは無く、人が積極的に介入するべきカメラシステムと考えるとよい。

本レンズ用のバヨネットフード型番12402は、APO Macro Summarit 120mm F2.5と共通で、レンズシャッター(CS)を装備したレンズはラインナップされていない。

フィルター径は82mmで以前購入したライカ製82mmを付けている。このフィルターも値段は張るがフィルター専業メーカーの高級製品と遜色はない。

このレンズをLEICA Sで使用しない場合は、LEICA純正のS-LENS Adapter-L(16075、定価20万円程度)を使えば、LEICA SLシリーズ限定でLマウント・カメラでも使える。このマウントアダプターを経由した場合、ライカTシリーズ、ライカ CL、他Lマウントアライアンスカメラでは動作しない。

これは、ライカSL Typ601の仕様書を見ると、カメラの動作電圧は8..4Vと記載があり、バッテリー定格の7.2Vから昇圧してカメラを駆動しているようで、この電源回りの仕様の違いが、SLシリーズ以外で使えない理由の一つと推察される。

3.まとめ

結論としてSUMMICRON S 100mm ASPH.についてまとめると、重いカメラシステムを覚悟しつつも様々なシーンで使いたくなるレンズだ。撮影結果はピントを正確に合わせることさえ出来れば、重量に見合った画像を提供してくれる。
過去に使用してきたSUMMICRONの中でもとくに印象に残るレンズで、まさにSUMMICRONの”極”といえる。

ライカ一眼レフにとって、焦点距離100mmは特別なもので、ライカRマウントはAPO MACRO ELMARIT 100mmが思い出される。中判一眼レフLEICA Sシリーズにとって特別なレンズとは間違いなくSUMMICRON S 100mmだ。

最後に、レンズはモダンな電子マウントなので、新しいカメラがリリースされた場合、マウントアダプターを経由して使用できる可能性が高い。しかし、そのカメラは電子ビューファインダーであることが予想される。
SUMMICRONを通った光をダイレクトに鑑賞できるのはLEICA Sシリーズだけの贅沢な経験と言える。

・余談

このズミクロン S 100mmとスーパー・エルマーS 24mmがライカ Sマウントレンズの中で使用したかったレンズである。レンズを探しているときのタイミングとは不思議な物で、このズミクロン S100mmを入手する際は、スーパー・エルマー S 24mmも同程度の価格で中古市場にあったが、両者を購入する財力は無かったため、大口径レンズの魅力にはあらがえずズミクロン S 100mmを選択した。

いろいろかさなる物で、同時期にCONTAX 645 プラナー80mm F2がほぼ同じ値段で中古市場にも出ていた。こちらのレンズは金額さえ出せばいつでも入手可能なのでとりあえず見送った。
このレンズはライカ・レッドドット・フォーラムでは100CRONと呼ばれている。

購入手続きのあとに、ライカ・レッドドット・フォーラムでS 100mm についての書き込みをみると、「S 100mmはオートフォーカスは全滅だ、どんなに調整しても合わない。」「S Typ007はダメだ、S3ならOKだ。」などの書き込みをみてビビったり、このレンズについてのあまりよろしくない評判を見て購入を少し後悔したが、自分でやってみないとわからないなと気を取り直し到着したレンズを持って外に行った。

スローなカメラになれているおかげか、オートフォーカスの速度、精度ともに心配するほど悪くはなかった。

仕様・レンズ比較

SUMMICRON S 100mmとほぼ同じ仕様のハッセルブラッドのHシリーズ中判カメラ向けHC100mm F2.2と比較する。

両レンズ共にLEICA Sシリーズでオートフォーカスは動作し、フォーカス、速度と精度はSUMMICRON S 100の方がわずかによい。しかし、両レンズ共にフォーカス時に合焦点で迷うことは多い。

最短撮影距離はライカが0.7m、ハッセルブラッドが0.9mでとなっており、実際に使った経験から被写体に寄るときにこの0.2mの差は数値以上に大きく感じる。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
Before imageAfter image
項目SUMMICRON-S 100HASSELBLAD HC100
焦点距離(mm)100100
最大絞り22.2
最小絞り2232
絞り羽根8?
レンズ構成5群7枚5群6枚
最短撮影距離(m)0.70.9
レンズ長(mm)102(レンズのみ)146(フード込み)80.5(レンズのみ)
レンズ最大径(mm)91(レンズのみ)104(フード込み)87.5(レンズのみ)
フィルター径(mm)8277
重量(g)910(レンズのみ)965(フード込み)780
リリース年2013?

参考リンク

更新履歴

  • 2025.3.28
  • 2024.12.14
  • 2024.07.02
  • 2024.03.04
  • 2023.07.18

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