くせ玉? SUMMILUX M 35mm 2nd

ライカ・ズミルックス 35mm F1.4 チタンカラーのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は、HEXAR-RF +KODAK ELITE CHROME 100 +NIKON COOLSCAN-V
レビュー


1.概要
ズミルックス M 35mm F1.4 2代目は1967年から約2.8万本製造されたレンズ。
チタン色は1990年から1992年の3年間作られて、その間の製造本数がブラックと合わせて4500本で、そのうち何割かがチタン色なので、製造本数としてはその半分の2000本程度と考えるのが妥当であろう。
本レンズはブラックの別色として、このチタン色はあるがシルバー色はない。初代に位置づけられる初期型ズミルックスはブラックとクローム仕上げがある。
レンズ構成は5群7枚、フードは12504が適合品である。そのほかズミクロン35mmで使用されIROOAフードも装着は可能だ。
フィルターはレンズ前面にネジは切られておらず、先述の12504フードにシリーズ7フィルターを挟み込む。


2.使用感
ズミルックス M 35mm F1.4 2代目の写りは製造年代が新しく状態の良いレンズであることもあり、絞り開放F1.4の撮影結果をみても、中心部は整った描写で、周辺光量落ちは見られるが使えないほど画像が暴れることはない。デジタルM型ライカ、ヘキサーRF、ライカ M6の二重像合致でのピントあわせにも苦労することはない。
最短撮影距離が1mなので、寄れないレンズだがこの制約も含めて楽しむレンズだと思っている。ミラーレスカメラを使うと補助ヘリコイドを使えば寄れるけれど、そこまでして寄るレンズでもないだろう。
一時期、レンズ状態のよろしくない、古いストッパー付きのズミルックス M 35mmを所有していた。
こちらの撮影結果は周辺部でたいそうな暴れ方をしていた。このようなレンズが好きな人にはたまらない品だったかもしれない。
世の中のズミルックス35mmのくせ玉・暴れ玉の印象はこのようなレンズのレビューが元になっていると思われる。
所有しているレンズには、なつかしい“sh”マーク(シイベルヘグナーの正規輸入品の印)がついている。
シイベルヘグナーは1974年からライカ製品の正規代理店をしていたが、2005年にライカジャパンが設立されたときに代理店で無くなっている。いまも中古市場に”sh”マークの付いたレンズを見かける。しかし、正規輸入品であろうが並行輸入品であろうが、ライカの品質は同じなのでこのマークに特別な意味は無いと思う。以前は保証に関して優遇があったのかもしれないけれどすでに関係の無い話だ。
試しに中判デジタルセンサー(44mm x 33mm)のHASSELBLAD X2Dで使ってみたところ、下のようにイメージサークルは35mmフルサイズギリギリで、中判デジタルセンサーにはまったく適合しない事がわかった。
手持ちの個体は2008年に中古で購入し、製造番号360万台で1992年に製造されている。
入手した時期は、ミラーレスカメラが本格的に普及する前で、レンジファインダーカメラ用レンズの需要が限りなく低く、このズミルクス35mmもいまでは考えられない価格であった。

3.まとめ
結論としてズミルックス M 35mm F1.4 2代目をまとめると、絞り開放でもピント位置の描写は問題なく、それほど大暴れするレンズではない。コンパクトな鏡筒で気軽に持ち出せるレンズだ。
仕様・競合レンズ
ズミルックス M 35mmは製造期間が28年と長期にわたるため、M3用眼鏡付き、フォーカスレバーストッパー付き、色違いなどバリエーションは多い。
眼鏡付きレンズはライカM3向けのレンズで、ズミクロン 35mm F2の眼鏡付きなどと同様に、50mmのファインダー枠を眼鏡で35mmに拡大する。最短撮影距離が0.65mまで短くなるのは利点の一つだ。
2022年11月には初代の外観を復刻したレンズを、クラシックシリーズ・ズミルクス 35mmとしてライカ自身が発売している。クラシックシリーズは、ノクチルクス 50mm F1.2とズマロン 28mm F5.6が販売されており、ラインナップ3本目が球面ズミルクス 35mmとなる。
こちらには、他のクラシックシリーズ同様に、フードなどとセットで販売されており、OLLUXと12504を模した専用フードが付属する。
この商品は2024年現在市場にはそれなりに在庫があるようで、中古でもちょくちょく見かける。定価が66万円(消費税10%込み)なので、今後どういう価格推移をするかは製造数次第だろう。今までの価格推移からすると10年くらいは価格は徐々に下落するか、定価程度の価格を維持するため、即効性を狙う転売屋さん向けのすぐに値上がりする商品ではなく、いだろう。楽しみながら使っていて気づいたらあがっていたというのが理想だ。
このクラシックシリーズは、ライトユーザー向けに中華メーカーなどがライカオールドレンズの構成を模したレンズを安易かつ安価で投入している事へのライカなりの回答かもしれない。
項目 | ストッパー付き | 眼鏡付き ストッパー付き | 2代目 | 眼鏡付き | 復刻 11301 復刻スチールリム |
焦点距離(mm) | 35 | 35 | 35 | 35 | 35 |
最大絞り | 1.4 | 1.4 | 1.4 | 1.4 | 1.4 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 | 16 | 16 |
レンズ構成 | 5群7枚 | 5群7枚 | 5群7枚 | 5群7枚 | 5群7枚 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.65 | 1.0 | 0.65 | 1.0 |
レンズ長(mm) | 29? | 29? | 28(チタン色実測) | ? | 26 |
レンズ最大径(mm) | 53 | 53 | 52(チタン色実測) | ? | 66.5 (ストッパー含む) |
フィルター径(mm) | E41 – A46.5 | E41 – A46.5 | Series 6 | Series 6 | 46 |
レンズフード | OLLUX | ← | 12504 | 12504 | 専用フード |
重量(g) | 245 | 195 | 222(チタン色実測) | ? | 200 |
リリース年 | 1960-1966 | 1960-1966 | 1967- | 1967- | 2022 |
参考情報
- SUMMILUX-M 35mm F1.4-2@Leica wiki(English)
- SUMMILUX-M 35mm F1.4@Leica wiki(English)
- SUMMILUX-M 35mm Revival version
更新
- 2024.11.7
- 2023.03.02:改稿
- 2022.08.06:初稿
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