Tamron SP 24-48mm F/3.5-3.8(13A)
ワイド24mm・2倍ズーム
タムロン SP 24-48mm F/3.5-3.8(13A)のレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はHASSELBLAD X2D
レビュー
レビューは以下の内容について記している。
1.レンズ概要
タムロン SP 24-48mm F/3.5-3.8(13A)は、1980年にリリースされた2倍ズームレンズで、SP(スペシャル)ラインと呼ばれるタムロンの中では高級レンズの位置づけとなる。とは言ってもアダプトール2レンズ全55種のうち27種がSPレンズなので、大きくプレミアがあるとも言いがたい。
レンズは回転式のズームレンズで、レンズ前方から、フォーカスリング、ズームリング、絞りリングの順で並んでおり、以下の方向に回転して設定を変更する。
- フォーカスリングは、∞から最短へ右回り
- ズームリングは、24mmから48mmへ左回り
- 絞りリングは、開放から閉じる方向へ右回り
所有しているレンズは回転に適正なトルクがあり、操作性に問題はない。
マウントにタムロン独自の交換式マウント、アダプトール2マウントを採用しているため、Nikon-F,EOS,α(MINOLTA),LEICA-Rなど、幅広いレンズで使うことができる。
2.使用感
古いズームレンズだが、広角端が24mmからはじまる利便性が高い。描写は古いズームなので、完璧な描写は望めず、直線基調の物を正面から撮ると周辺部ではかなりゆがんでいるが、中心部はよく解像しているように思う。
また、さまざまな焦点距離や撮影距離で使い込むと、よりあらが見えるのだろうが、たまにしか使わない分にはそれほど気にならない。
逆光時の撮影では画像にゴーストが発生することがあるが、コントラストの低下はそれほど感じられない。
レンズは、レンズ先端側の幅広いリングがフォーカスリングを持ち操作しやすい。フォーカスリングは右回転で左端が無限遠で右端が最短撮影となる。
ボディ側の狭いリングがズームリングでフォーカスリング同様に右回転で、左端が望遠端の48mmで、右端が広角端の24mmになる。
レンズフィルターは、フード27FHにねじ込むため、フードがないとフィルターを取り付けることができない。レンズ単品だと中古で見かけるが、フード27FHを欠品した状態で売られることが多い。
プラスチック製で華奢なフードなので、経年劣化で壊れていく可能性が高いのと、落下させると確実に壊れてしまうだろう。製造からずいぶん経過するのでフードの現存品は少なくフード単体を探すのは難儀すると考える。
3.センサーサイズの違い
アダプトール2のライカRマウントとNovoflexのR-Xマウントアダプターを介して、ハッセルブラッドX2Dに装着して使用すると、デジタル中判センサー(44 mm x 33mm)では、最広角の焦点距離24mm(35mm判換算19mm相当)は周辺がかなり蹴られて減光が見られるが、最望遠である焦点距離48mmは周辺部の減光はそれほど気にならない。しかし、センサーを最大に使用して撮影した画像はいずれの焦点距離においても、周辺の結像状態は悪く像は流れているので、センサーの撮影設定を35mm判の3:2で使用するレンズだ。
EOS-1DsやLEICA SLの35mmフルサイズセンサーで使用した場合は周辺部の減光や像の流れは目立たないため、こちらで使うのが正しい使い方と考える。しかし、デジタル対応のレンズではないため、木々のエッジなどにフリンジが観られることはある。
APS-CサイズセンサーであるPentax K20Dで使用した場合は、レンズ中央部をクロップして使用することになるため、より撮影画像は整った印象を受ける。しかし、焦点距離24~48mmの本レンズは、35mm判換算焦点距離36~72mmと一昔前の標準ズームレンズの撮影範囲となる。
レンズとしては、軽くコンパクトな2倍ズームで焦点距離的に使い勝手が良いので、気楽なお散歩レンズとなっている。
4.余談
本レンズは、マーケティング的な事情を優先すれば、F3.5もしくはF4通しと称しても問題ないように思われる。アダプトール2時代のタムロンは、F値について小数点一桁まで表示するようにしていた。
このレンズ仕様に関する数字の丸めの根拠については、「5%の誤差」という言葉が散見されるため、これがカメラレンズの表記に表れる、F値と焦点距離の両方に万能で適用できる言葉なのか調べてみた。
現在の日本産業規格(JIS)は、F値については測定(B 7095 : 1997)の誤差について言及がはあるが、これが表示上許されている誤差と直結するのかはわからない。
焦点距離については測定(B 7094 : 1997)の誤差について言及はなく、その表示に関する言及もない。
カメラ映像機器工業会が定めるガイドラインの方が、メーカーが表示する際の基準となりそうだが、こちらはガイドラインであることと、業界団体の規定なので、ガイドライン発表前の製品には適用されないと考えられる。
仕様・比較
項目 | TAMRON SP 13A | Ai Zoom Nikkor 25-50mm F4 |
焦点距離(mm) | 24-48 | 25-50 |
最大絞り | 3.5-3.8 | 4 |
最小絞り | 32 | 22 |
レンズ構成 | 9群10枚 | 10群11枚 |
絞り羽根 | 6 | 7 |
最短撮影距離(m) | 0.6 | ← |
レンズ長(mm) | 65.5 マウント面からの距離 ニコンFマウント | 104 |
レンズ最大径(mm) | 64.5 | 75 |
フィルター径(mm) | 77 フード27FHに装着 | 72 |
重量(g) | 346 ニコンFマウント | 600 |
リリース年 | 1980 | 1979 |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.07.26
- 2024.03.05:改稿
- 2022.10.28:初稿