HASSELBLAD HC 50mm F3.5 2型

HASSELBLAD HC 50mm F3.5 2型のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影はX2D
  • 写真作例の撮影はX1D / X1DII

レビュー

ハッセルブラッド HC 50mm 2型は、ハッセルブラッド Hシリーズカメラ用の焦点距離50mmのレンズ。
HCシリーズなので中判カメラHxDで使用する場合、センサーサイズ 40 × 53.4mmまでカバーし、そのとき焦点距離は約34mmになる。
X1D、X1DII、X2D、907Xでは、X H Lens Adapter*かXH CONVERTER 0.8*を経由して本レンズを使用できる。また、x1.7テレコンと3種類のEXTENSION TUBES H(13mm/26mm/52mm)も使用できる。

所有するレンズはオレンジドット付きのレンズであるため、ファームウェアを19.1.0に更新すれば、X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*でオートフォーカス(以下、AF)が使用できることは承知して購入した。X1DIIでレンズ情報を確認すると、ファームウェアは18.0.0でシャッター回数は約3000回であった。

*リンク先はrakutenのMapcamera

AF合焦速度はHC/HCDレンズの中では早いほうで、AF合焦精度は問題ないためMFで使用することはほとんど無い。レンズ構成は7群11枚のレトロフォーカスレンズで、手に持つとコンパクトな筐体から受ける印象とは逆でずっしりとした塊感を感じる、その重量は明るい中望遠レンズのHC 100mm F2.2よりも重い。
システム重量は、レンズ単体重量が1kgでコンバータ(175g か 430g)とカメラ(766g)を足すと2〜2.2kgとなり、HCレンズをつけたX1D-IIとしては比較的軽い部類にはいる。
逆光耐性は太陽が画角内に入る場合、角度によってはコントラスト低下が起きるため注意が必要であり、野外ではフードが欲しくなるが、フードは大きくてかさばるため、フード無しで使用することが多い。

このレンズの弱点は、最短撮影距離が0.6mとあまり寄れないことだ。
それを補うため、HC50mm-2型に最適化されているという 「Hasselblad Macro Converter for H Lenses」を使用すると、最短撮影距離が0.4mになるが、最長撮影距離が0.6mに制限される。よって、この製品は高性能な延長チューブである。本コンバーターを装着することによりHC 50mmのピント範囲が0.4m〜∞になるならためらわずに購入したい製品だ。

Hasselblad Macro Converter for H Lenses

II型になりレンズ性能が上がり、周辺の画質向上と歪みが目立たない特性と合わせて、ストリートスナップなど風景撮影に持ち出すことが多く、小旅行や散歩の際に使用頻度が高いレンズである。もう少し軽くてコンパクトだとよいがHCレンズだから仕方がない。
HC 50-110ズームを使うようになり、本レンズとHC 50-110は焦点距離と開放F値がまるかぶりで、フィールドでの利便性を考えるとHC 50-110ズームの仕様頻度が高い。
本レンズはII型へのリニューアル時に、ズームレンズとの差別化のためにHCDレンズに変更し、開放F値を2〜2.5に向上させ、鏡筒小型化して重量を減らして、最短撮影距離0.35m程度に縮めていれば、より良いレンズになったと思う。

50-IIレンズ構成図
50-Iレンズ構成図

仕様

項目50-II(2型)50-I(1型)
焦点距離(mm)50
最大絞り3.5
最小絞り32
レンズ構成7群11枚9群10枚
最短撮影距離(m)0.6
レンズ長(mm)116
レンズ最大径(mm)85
フィルター径(mm)77
重量(g)975

アクセサリー互換性

  • Converter H 1.7x(x1.7 テレコンバーター)は使用できる。
  • Extension-Tube-H(H13/H26/H52)は使用できる。
  • HTS 1,5 TILT AND SHIFT ADAPTERは使用できる。
  • イメージサークルは中判フィルムサイズまでカバーする。

AF対応について

HC/HCDシリーズレンズをマウントアダプター(X H Lens Adapter*、XH CONVERTER 0.8*)を経由してX1D,X1DII,X2D,907Xに装着しオートフォーカス(以下、AF)を駆動させるためには、レンズファームウェア領域が拡張された18.0.0以降のレンズが必要である。17.0.0以前のレンズに18.0.0以降のファーウウェアを適用しても書き込み領域が足りないため変更できない。

レンズにオレンジ色のマークがついた、通称オレンジドットのレンズは、レンズファームウェアが18.0.0以降であり100%AFに対応している。

しかし、オレンジドットのないレンズでも、AF対応可能なものはあり、レンズシリアルナンバーがVから始まる2010年以降に製造されたレンズについてはファームウェア領域が拡張されているレンズが多くAFに対応できる可能性が高い。

シリアルナンバーがSから始まるレンズは2000年代に製造されたレンズで、オレンジドットのないファームウェア17.0.0以前のレンズとなる。

上記にも例外があり、レンズの修理時にフォーカスユニット交換などで新しいファームウェアになっている場合もある。

ハッセルブラッド XシリーズでAFを使えるか否かは、シリアルナンバーから判断するだけでなく、カメラに装着して実際のレンズファームウェアを確認するのが最も確実である。

FUJINONレンズについて

HC50mm 2型は、シャッターユニットが改良されたオレンジドットのレンズとともにリニューアルされたはずなので、FUJIフィルムブランド(SUPER EBC FUJINON)は存在しない(筆者は見たことがない)。
HC50mm 1型は、FUJIフィルムブランド(SUPER EBC FUJINON)とHASSELBLADブランドが流通しており、FUJIフィルムブランドはAF非対応で、HASSELBLADブランドは「AF対応について」で記述したとおりファームウェア次第である。

また、FUJINONブランドのHCレンズは、HASSELBLADの修理サポート対象外でFUJIフィルムによる修理サポートも終わっているため、故障時に対応することができない。HASSELBLADブランドのHCレンズは古くてもHASSELBLAD社にて修理対応してもらえる。
FUJIブランドのHCレンズは格安で売られているが、購入時は注意が必要である。

HCレンズは富士フイルム製造なので、X1D、X1DII、907X、X2Dと同じセンサーサイズの富士フイルムGFXシリーズもマウントアダプター(H MOUNT ADAPTER G)を用意している。こちらはMF(マニュアルフォーカス)専用となるが、カメラ側のメカシャッターだけでなく、レンズシャッターも使用できる。

参考リンク

更新履歴

  • 2024.03.23:改稿
  • 2022.03.19:初稿

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