タピオ・ヴィルカラ 世界の果て / 東京ステーションギャラリー

【感想題】「素材とデザインを極める」
目次
タピオ・ヴィルカラ 世界の果て / 東京ステーションギャラリー
概要
- 展名:タピオ・ヴィルカラ 世界の果て / 東京ステーションギャラリー
- 開催期間 :2025年4月5日(土) – 6月15日(日)
- 開催場所 :東京ステーションギャラリー
本展展示作品はエスポー美術館、コレクション・カッコネン、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団から約300点とその他にドローイング、写真で構成されている。
そのなかには、一部は現在も購入可能な、イッタラ、ローゼンタール、Strömfors(ストレムフォルス / 現 Ahlström社)のなどのテーブルウェア、メトロポリタンギャラリーのランプ、クロタケスクス、ハックマンのナイフなどの道具も展示されていた。
展示会場は、東京ステーションギャラリーの3階から始まり、階段を降りて2階の全フロアーを使用した展示となっている。
展示の章立て(章名は東京ステーションギャラリーの)は以下のとおりとなっている。
- ヴィルカラへの扉(3F)
- 素材のすべてを知る(3F)
- 心のよりどころ(3F)
- 造形の園(2F)
- ヴェネチアの色(2F)
- 世界の果てへ(2F)
館内について
- 館内は撮影禁止。
- PDF、紙ともに作品リストはなし。作品リストは売店で販売している図録(ブックレット)に収録されている。
- 本展は東京駅周辺美術館共通券で入場可能。


【感想】「素材とデザインを極める」
展示会場3階のエレベーターを降りた部屋、第1章「ヴィルカラへの扉」では、2019年に東京ステーションギャラリーで展示があった、ルート・ブリュックの夫であることが記されており、ブリュックの《ライオンに化けたロバ》がヴィルカラの作品と並んで展示されていた。
- ルート・ブリュック 蝶の軌跡
- 2019年4月27日(土)-6月16日(日)
- 東京ステーションギャラリー
ヴィルカラは、ブリュックの作品が散逸しないようにコレクションをしており、それが現在のタピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団につながっているとの記述があった。
同じく3階の第2章「素材のすべてを知る」はプロダクトデザインの展示で、ヴィルカラのデザインしたテーブルェア、ランプが展示されていた。なかもで、メトロポリタンギャラリーが今も販売している、ランプはデザインは優れ実用性もあり素敵な品だった。展示ビデオの中でガラスの型枠となるグラファイトを自らナイフで削りながら、「これをやっているときは職人さ、自分で削るのが良いんだ。」というようなテロップをみて、手仕事を好んでいることが伝わってきた。
3階最後となる第3章「心のよりどころ」は、ラップランドに建っているヴィルカラの家を再現した模型、実現しなかった建築の映像が流れていた。
2階に降りると第4章がはじまる。この章も多くの作品が展示されており、中でも目を惹いたのは合板の合わせ目を強調した彫刻群ですべて美しいフォルムをしていたけれど、なかでもオウムガイを模した《シェル(巻貝)》はその形状がとくに印象的だった。
また、ヴィルカラのビデオにもでてきた水鳥をデフォルメした鳥の彫刻は、木、ブロンズ、アルミと異なる素材でできており、さまざまな素材を使いこなしていたことが実感できた。


- フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン
- 2023年6月24日(土) – 9月3日(日)
- 東京都庭園美術館(本館+新館)
- 2023年8月19日に鑑賞
第5章「ヴェネチアの色」はカラフルなガラス製品を展示、作品の配色が過去にみたヴェネチアガラスの作品とは異なり、緑と紫の色がとくに印象的だった。
最後の第6章「世界の果てへ」は展示の最後に、下写真の《ウルティマ・ツーレ》とそれに関連したビデオが流れていた。本展ではこの《ウルティマ・ツーレ》のみ撮影可能だった。

まとめ
アーティストであり職人であるヴィルカラの作品を総合的に鑑賞できた展示で、東京都庭園美術館ではガラスの作品のみを覧ていたので、これだけ多彩な素材を扱った作家ということは初めて知った。また、ルート・ブリュックの夫という情報もここで初めて知った。
売店で販売していた図録(ブックレット)は19cm(横) x 21cm(縦)のほぼ正方形の図版で、作品はカラーで収録されており、本展の作品リストもかねて、消費税込み1,320円とリーズナブルだった。こちらはISBNが付加されていないため、東京ステーションギャラリーの売店での実購入可能と思われる。

関連リンク
- 東京ステーションギャラリー
- タピオ・ヴィルカラ 世界の果て・東京ステーションギャラリー・プレスリリース
- フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン
- タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック(TWRB)財団
- エスポー美術館
- コレクション・カッコネン
- メトロポリタンギャラリー
更新履歴
- 2025.6.16
撮影機材
- HASSELBLAD X2D-100C +HCD24mm +XH-Converter0.8
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