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運慶 祈りの空間―興福寺北円堂

Last updated on 2026-05-04

2025年9月13日に鑑賞した「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」東京国立博物館の感想

目次

展概要

  • 展題:特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
  • 日付:2025年9月9日〜2025年11月30日
  • 場所:東京国立博物館 本館 特別5室
  • 【開館時間延長のお知らせ】
    毎週金・土曜日、および9月14日(日)、10月12日(日)、11月2日(日)、11月23日(日)は20時まで開館時間を延長(入館は19時30分まで)

本展のために上京した仏さま

  • 弥勒如来坐像(興福寺 北円堂安置)
  • 無著菩薩立像(興福寺 北円堂安置
  • 世親菩薩立像(興福寺 北円堂安置
  • 四天王立像(持国天・興福寺 中金堂安置)
  • 四天王立像(増長天・興福寺 中金堂安置)
  • 四天王立像(広目天・興福寺 中金堂安置)
  • 四天王立像(多聞天・興福寺 中金堂安置)

感想「東京と奈良をつなぐ記憶」

今回の展示では、博物館の特別5室に、奈良・興福寺の北円堂の内部と同じ配置で仏さまが祀られている。祀られた七尊のうち、中央の三尊は興福寺の北円堂に、四天王立像は興福寺の中金堂に安置されている。現地では異なるお堂に安置されている像を、一つの空間で見るというところにミソがある。

四天王立像が創建当初に安置されたお堂は、南円堂や北円堂など諸説あるが、本展示では、この七尊が北円堂に展示されていたらという「もしも」の世界を表している。同様の試みは2017年の運慶展でも行われたが、今回は2017年とは異なる点があり、それについてはリンク先の「運慶展2017」で説明している。

まず、北円堂の三尊は現地のお堂で鑑賞するときは、九駆の像がひとまとめになっているため中央の三尊とは少し距離ができてしまうが、今回は弥勒如来座像、無著菩薩立像、世親菩薩立像の三尊との距離が近く、より詳細に像を鑑賞できる。

弥勒如来座像、無著菩薩立像、世親菩薩立像の3体は正面から見ると、お堂でみたときの記憶がよみがえってくるようだった。そこから左に回ると世親菩薩立像の象眼に反射した光が目に入る。そのまま、背後に回ると3体のシルエットが同時に目に入り、落ち着きを感じる無著菩薩立像、たくましさを感じる世親菩薩立像と後ろ姿から両像の違いがよくわかる。また、弥勒如来座像は後背が取り外されているためお堂で見る姿とは印象が異なる。

そして、興福寺中金堂に安置されている四天王立像は、それぞれ独立して展示されているため360度すべての方向から鑑賞でき、それぞれの個性を存分に楽しめる。

入口を入って最初に見える増長天は、最も若々しい印象で、胸と腹の3つの顔の模様が異形感を強めている。その奥に立つ広目天は、ライティングのせいか金の色彩が反射して美しく、腰をひねって手を当てるポーズが決まっている。その右側に立つ多聞天は、宝塔を掲げるポーズと伸ばした腕が印象的だ。そのポーズを真似する鑑賞者もいた。出口に近い位置にある持国天は、年長者を思わせる渋い佇まいをしている。会場で4体の像を眺めていると、過去の記憶がぼんやりとよみがえってきた。

本展はライティングも考え尽くされており、とても良い鑑賞環境だった。しかし、少し残念だったのは、会場入口が増長天立像の場所になっており、鑑賞は斜め下から始まることだ。会場のレイアウト上、難しいことだったかもしれないが、入口を弥勒如来座像の正面からにすると、より現地に近い雰囲気で鑑賞できたように思われた。

奈良・興福寺の北円堂堂内には下図のように9体の仏像が安置されている。今回は、室町時代に造られた大妙相菩薩像と法苑林菩薩像、平安時代の乾漆像、そして国宝の四天王立像の計6体が上京しておらず、弥勒如来座像の後背は取り外されて展示されていない。

興福寺2013

私は2013年に奈良の北円堂を訪問した。今回の展示が行われた2025年から数えると、すでに12年前のことで干支が一回りしているため、当時の記憶は薄れていた。しかし、お堂を再現したような展示のおかげで、当時の記憶がよみがえってきた。

通常、南円堂は毎年10月17日、北円堂は春(4月末から5月頭)と秋(9月頭から11月末)に特別開扉される。

私が訪問した2013年には、南円堂創建1200年を祝う特別公開が行われ、北円堂と南円堂が同時に開扉されるという特別なイベントがあった。私は関東から車を走らせて奈良を訪れた。関東から奈良までは約450km。朝の7時に部屋を出て、興福寺に着いたのは14時頃だった。この日私は、南円堂と北円堂を鑑賞し、興福寺宝物館などは翌日に鑑賞した。

2013年当時、今回展示されている国宝の四天王立像は南円堂に安置されていた。不空羂索観音像と四天王立像を同時に鑑賞したが、南円堂に安置されている大きな不空羂索観音像との取り合わせは、とても迫力があったことを覚えている。

この四天王立像は、2018年から新しく完成した中金堂に移設され、2025年時点では常時公開されている。また、南円堂には、仮金堂(現在の仮講堂)に安置されていた四天王立像が移されている。
四天王立像の安置場所については、参考リンクの「トピックス~興福寺の四天王像の話:南円堂像・仮講堂像が引っ越し【2018年3月10日】」が最もわかりやすくまとまっている。

運慶展2017

北円堂の無著菩薩立像と世親菩薩立像、および中金堂の四天王立像は、2017年の「運慶展」のために上京していた。

その展示では、今回と同様に、北円堂の四天王を中金堂の四天王に置き換えるというコンセプトの展示が行われた。

両展示会では、北円堂の配置が踏襲されているが、2017年と今回とで異なる点は次の2点である。2017年の展示では、無著菩薩立像と世親菩薩立像の2体の像の中央に位置する弥勒如来座像が上京しておらず、写真のみが展示された。また、中金堂の四天王立像は、旧名称で展示された。

現在、中金堂に安置されている四天王像は、2018年に三尊の像名が変更されている。そのため、2017年の展示では旧像名で展示されており、2025年の展示と像名は同じだが、実際に展示されている像は異なる。

四天王立像2018年の像名変更リスト

  • 持国天(2018年改称)→旧称・広目天
  • 増長天(2018年改称)→旧称・持国天
  • 広目天(2018年改称)→旧称・増長天
  • 多聞天(変更なし)

ギャラリー

参考情報

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撮影

  • LEICA T typ701 +SIGMA 20mm DG DN
  • PANASONIC LUMIX DMC-LX7

更新履歴

  • 2025.9.15

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