スライドカバーの太めなカメラ

OLYMPUS CAMEDIA X-3・コンパクトデジタルカメラのレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • ギャラリー写真はTIFF形式で記録したデータを縮小している。

レビュー

1.概要

CAMEDIA X-3はオリンパスが2004年に発売したコンパクトデジタルカメラ。

詳細な仕様は下表に載せるが、主な特徴として、画素数は610万画素、センサーサイズは1/1.8インチのCCDセンサー、レンズは35mm判換算で38mm~114mmの3倍ズームを採用している。

ファインダーはズーム連動・実像式・光学ファインダーを搭載しており、撮影フレームの確認だけでファインダーからピントはわからない、AF合焦音で判断するか背面液晶で確認する。

撮影画像の記録サイズはTIFF、SHQ、HQ、SQ1、SQ2があり、610万画素フルでは2816 x 2112ピクセルの画像を保存する。

背面液晶は1.8インチ13万ドットで固定式、バッテリーはLI-12Bに対応している。

オリンパスがリリースしている、マイクロSDカードをxDピクチャに変換するMASD-1には対応していない。

撮影画像の記録媒体はxDピクチャーカードで、OM-SYSTEMSのサポート情報では、大容量カードのサポートが”−”となっているが、手元にあるMタイプの1GBのxDピクチャーカードを認識したので、2GBまで対応しているはずだ。

上記表はオリンパス公式リリースより引用

2.使用感

CAMEDIA X-3のスタイリングは、薄型カメラが流行る前のずんぐりとした直方体形状で、縦横は5.6cm x 10cmで奥行4cmの厚みがあり、それなりにゴロッとしたカメラという印象だ。カメラのホールド感はまずまずで、アルミの鏡筒と表面のヘアライン加工は美しい。

電源スイッチはなく、スライドカバーをスライドさせると電源が入り、スライドカバーを逆方向にスライドさせると電源がオフになる。

電源オフ時にカバーをスライドさせるとき、カバーを左に少し移動した位置で若干の抵抗があるが、慣れないうちは、その位置を越えてスライドさせてしまい、レンズ鏡筒が収納される前に鏡筒とカバーが接触してしまうのはあまりよい気はしない。

とくに撮影データの書き込み中、レンズはカメラ内に収納されないので、電源をオフにしようとして、スライドカバーとレンズ鏡筒を接触させる可能性が高いので注意が必要だ。
データ書き込みが終わってからスライドカバーを閉じるという作法にするのがベターと感じる。

焦点距離の変更は、ボディ上部の突起状レバーでズーミングする。一部レビューでは評判の悪いズームレバーだが、実際に使ってみるとそれほど使いづらいものではない。

露出補整はやりやすく、背面の十字ボタン左右で変更でき、1/3ステップで露出を変更できる。
上下ボタンはAモードは絞り変更で、Sモードはシャッタスピード変更に割り当てられている。

撮影画像は、他レビューでも触れられているとおり、白飛びはしやすく、逆光時は怪しい光が記録される。像のゆがみは広角端が38mmなので一般的な撮影でゆがみが気になることはない。

フォーカスはオートフォーカスのみで、残念ながらマニュアルでフォーカスの操作はできない。

操作面では、マクロボタンとスーパーマクロが分離しているのが煩わしい。スーパーマクロは広角固定で4cmまで寄れる機能で、マクロを使う場合は基本的にこちらを使いたい。しかし、スーパーマクロはメニューの奥にあるため、メニューに2つだけユーザーが任意の機能を設定できるショートカットに、スーパーマクロと画質調整を登録している。

画質調整をショートカットに入れているのは、基本的にSHQで撮影するが、ここぞというときに無圧縮のTIFF画像を撮りたくなるためだ。画像の記録時間はSHQだと数秒で、TIFFはバッファに溜まって処理されるが、数枚撮影するとバッファは頭打ちになり、連続撮影には向いていないのでSHQを常用している。

画質などのカメラの設定は、メニューの「設定保持」を「する」に変更しておかないと、デフォルト設定にリセットされてしまうので注意が必要だ。

メニューについてもループ選択できるページとループ選択できないページがあるため少々煩わしい。

メニュー内にある日付設定は、20xz年の場合、2桁目のxと1桁目のzを別々に変更できるので、古いデジタルカメラでありがちなバッテリーを抜くと日付がリセットされる場合、日付再設定がやりやすいカメラだ。カメラがリリースされた年度がスタートでを20xz年から2025年まで連続で変更するカメラは、日付設定のたびにゲンナリする。

LI-12Bは互換バッテリーが2025年現在は市場で売られているため入手性に難はない。

ベータ版カメラを使ったと思われる、ITmedia記事:コンパクトデジカメも600万画素時代へ――オリンパス CAMEDIA X-3・2004年05月10日 09時00分 公開に、「64Mバイトのメディアだと起動時間は3秒弱だが、256Mバイトのメディアを使うと約5.5秒と長くなり、512Mバイトのメディアだと10秒近くかかる。」(引用終わり)との記述があるが、手元のカメラはどのメディアを使っても起動時間は同じなので、リリース時に上記不具合は修正されている。

3.付加情報

オリンパス Xシリーズは迷走を極めた存在で、初代のX-1はセンサーの異なるX-2と同時発売で、ニュースリリースにて発表の段階で生産終了の文字が書かれており、X-1は初期ロットだけ作られたようだ。これは在庫の1/2センサーを処分するために作られたカメラように感じられて不憫だ。

X-2はセンサー解像度が500万画素であること以外はX-3とほぼ同じで、基本的な性能は2年間のブランクはあるが変わっていない。

X-1とX-2は

X-1桁のカメラはこのX-3で終了となり、X-3桁のカメラに移っていくが、名称を3桁化するにともない、カメラの位置づけが初心者向けに変わり、画素数は400万画素程度に抑えらる。

X-550まではX-3と同様のスライドカバーの付いた太めのカメラだったが、最後のXとなるX-600で薄型カメラに変わるなど終始迷走している印象がある。

X-3リリース時に「高級感あるアルミニウム外装のボディを持つX-3は、一般向けモデルの「CAMEDIA μ DIGITAL」シリーズとは異なり、マニュアル露出系の機能も満載していて、ハイエンドユーザーにも対応できる作り」と謳っていたカメラとしては少々残念な結末を迎えた。

仕様

項目X-1X-2X-3
ズーム倍数x3x3x3
焦点距離(mm)40~120 (7.8~23.4)38~114 (7.8~23.4)38~114 (7.8~23.4)
レンズ構成6群7枚6群7枚6群7枚
明るさF2.8~F4.8F2.8~F4.8F2.8~F4.8
画素数(万画素)430500610
センサー1/21/1.81/1.8
ファインダー光学実像式光学実像式光学実像式
液晶1.5インチ1.5インチ1.8インチ 13.4万画素
バッテリーLI-10BLI-10BLI-12B
メディアxDピクチャxDピクチャxDピクチャ
重量(g)
ボディのみ
194194198
サイズ(mm)
幅 x 高さ x 奥行
99.5 × 58.5 × 41.599.5 × 58.5 × 41.599.1 × 56.4 × 41.0 mm
リリース年2002.112002.112004.4
カラーシルバーシルバーシルバー
価格(税別)8万1000円8万9000円オープン 6万円前後

オプション

  • リモコン「RM-1」
  • 防水プロテクタ「PT-024」

参考リンク

更新履歴

  • 2025.2.22

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