7Artisans M35mm f/1.4
7Artisans(七工匠) M35mm f/1.4をデジタルカメラで使用した記録
目次
<ギャラリー>
写真例(HASSELBLAD X2D)
<レンズの印象>
中華メーカーからいくつかリリースされているLEICA SUMMILUXと同スペックの35mm F1.4レンズの一つ。Amazonで安売りされていたので購入し、LEICA M系のボディが手元に無いため、HASSELBLAD X2Dに装着して使ってみた。
フォーカスリングは無限から0.7mまで45度の回転角で標準的、ヘリコイドはスムーズに回っている。
金属鏡筒、ガラスレンズのずっしりとした塊感も感じ、ロゴマーク以外は安っぽい感じはしない。
しかし、レンズデザインには個人的に難を感じる。LOMOのAtoll17mmと同様に中華レンズにありがちなフォーカスリングがレンズ根元に配され、絞りリングがレンズ中央に位置するデザインは使っているときに無意識に絞りリングを回すことがあり、慣れの問題とは言え好みでは無い。
やはり、フォーカスリングはレンズ中央の一番良い場所にある程度の幅を持って配して欲しく、鏡筒デザインを見直していただけるとありがたいと感じる。
同じような名前の名匠光学・TTArtisan 35mm f/1.4 ASPHは絞りリングが先端で、フォーカスリングは中央にあり、こちらの方がレンズデザインとしては好みだ。
レンズはオーバーインフになっており、EVFで使う分には問題にはならないが、LEICA Mのファインダーで使用する場合は自分で調整する必要がありそうだ。
LEICA Mファインダーできちんと使える精度を出すためにライカ製レンズは高価とも言える。
フードは引き出すタイプの内蔵式で、引き出し後に回して固定するようなギミックは無い。フードを引き出しても10mm程度なので気休めの存在で逆光時における光線のカットには不十分で、フレアとコントラストの低下が見られる。
イメージサークルは思いのほか大きく、X2Dのオリジナルサイズ11656*8742(4:3)ピクセルで撮影し、35mm版の3:2で使えるところを切り取ると、10928*7286ピクセル残った。計算するとセンサー横幅で41mm程度使える範囲が残るので、35mmフルサイズセンサーでは十分に使えると判断できる。
また、絞り開放から十分な解像力のある写真を得ることができ、中国の光学設計も侮れない実力があることが実感できる。ライカはブランドとして確立され比較する物ではないが、このレンズの市販価格から恐るべきコストパフォーマンスだ。



<レンズの特徴と仕様>
公式ページには、Sonnar、Biogonをフィーチャーしたと記載されているが、ゾナー、ビオゴンのの特長を感じることはほとんど無くレンズ配置から得だのポリシーは感じない。最近流行の前玉凹レンズのレトロフォーカス型のレンズにみえる。
35mmF1.4の本家、LEICA SUMMILUX 35mm/F1.4ASPH.は同様に前玉凹レンズを採用しているが前群と後群で対称型(ビオゴンリスペクト)をとっている。
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 35 | |
最大絞り | 1.4 | |
最小絞り | 22 | |
レンズ構成 | 9群10枚 | |
絞り羽根 | 10枚 | |
最短撮影距離(m) | 0.7 | ∞から0.7mまではカメラ距離計連動 |
レンズ長(mm) | 69.4 | |
レンズ最大径(mm) | 59 | |
フィルター径(mm) | 49 | |
重量(g) | 404 |
<参考文献・リンク>
- 七工匠公式Webサイト
- アマゾン販売サイト(アフィリエイトリンク)/ amazonの商品写真はL/M接写アダプターの写真だけれど、商品説明の通り普通のL/Mアダプターが同梱されていた。