Voigtlander COLOR HELIAR L 75mm F2.5

フォクトレンダー カラーヘリアー 75mm F2.5 L39スクリューマウントをEPSON R-D1で使用したレビューと写真作例
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目次
ギャラリー
写真作例の撮影は、EPSON R-D1
レビュー


1.概要
Voigtlander COLOR HELIAR L 75mm F2.5は、1999年にコシナからりリースされたフォクトレンダー・ブランドのL39スクリューマウント中望遠レンズ。
- 開放F値 2.5
- レンズ構成 5群6枚
- 絞り羽根 10枚
- 最短撮影距離 1.0m
- ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 1.0m
- フード 専用ネジ込みフード
- フィルター径 43mm
- レンズカラーバリエーション シルバーとブラック
2.使用感
Voigtlander COLOR HELIAR L 75mm F2.5は絞り開放F値が2.5とそれほど明るくないため、描写は絞り開放から安定しており、猫の毛の描写、前後のボケからそれが分かる。
作例の撮影カメラはAPS-Cサイズセンサー搭載のEPSONのR-D1で作例画像は周辺部がトリミングされており、実焦点距離75mmは35mm判換算112.5mmの撮影結果となる。
レンズ構成が同じ一眼レフカメラ向けのVoigtlander COLOR HELIAR SL 75mm F2.5を35mmフルフレームセンサー搭載カメラで使用したところ、周辺部にそれほど乱れは見られないため、レンジファインダー版の本レンズも同様と考えられる。
レンジファインダーカメラ向けの中望遠レンズは基本的に不人気でこのレンズの中古価格も安い。レンジファインダー向け中望遠レンズは最短撮影距離が1mに制限されており近接撮影製のに劣る。しかし、ミラーレスカメラ向けのマウントアダプターは補助ヘリコイドを装備しているものも有り、それらを使うと最短撮影距離の不足を補うことが出来る。
3.まとめ
結論としてVoigtlander COLOR HELIAR L 75mm F2.5をまとめると、絞り開放から安定した描写をするレンズで、EPSON R-D1の等倍ファインダーであれば、ピント位置については概ね問題はない。焦点距離が35mm判換算では焦点距離112.5mmとなり、パララックスの影響が大きいため近接撮影に難がある。
ミラーレスカメラで使用する場合は、補助ヘリコイドを装備したマウントアダプターを使用することによって、最短撮影距離の弱点をカバーできる。
仕様・考察など
カラーヘリアーの名称は旧フォクトレンダーが発売した6×9判フィルムカメラ・Bessa IIに付属しているレンズの一つに、カラーヘリアー105mm F3.5がある。しかし、焦点距離は35mm判換算しても46mmで、75mmとの関連は感じられない、また絞り開放F値も近い値でもない。
また、レンズ構成もヘリアー型というわけではなく、コシナ/フォクトレンダーでは、カラーヘリアーの名称は、焦点距離75mmの2レンズだけに使用された。
同じレンズ構成で一眼レフ用のVoigtlander COLOR HELIAR SL 75mm F2.5もリリースされており、一眼レフ向けレンズは最短撮影距離が0.7mと本レンズの1mより寄れる使用となっている。
コシナのフォクトレンダーシリーズは、紹介したカラーヘリアー以外に3つの焦点距離75mmのレンズをリリースしている。2025年にPortrait HELIAR 75mmが追加された。このレンズはHELIAR Clasic 75mmと同じレンズ構成で、球面収差コントロールリングが追加されている。これはMs-Opticsが2018年頃にリリースした、VARIO PETZから搭載した収差コントロール機能と同様の機構で、収差を調整することでボケ見をコントロールすることが出来る。Ms-Opticsでは、以下のレンズに収差コントロール機能が搭載されている。
- Ms-Optics VARIO PETZ 57mm F2
- Ms-Optics VARIO PRASMA 50mm F1.5
- Ms-Optics APORIS 135mm F1.5
- Ms-Optics SONNETAR 50mm F1.1
- Ms-Optics SONNETAR 50mm F1.3
- Ms-Optics SONNETAR 73mm F1.5
HELIAR Clasicはレンズ構成が3群6枚で、トリプレットの発展型であるヘリアーの面影を残している。旧フォクトレンダーのヘリアーは3群5枚で真ん中のレンズは1枚となっている。
新しい2本のレンズはレンズ構成と名称の関連はなく、絞り開放値が近いもしくは同一と言うことから名乗っているようで、コシナは焦点距離は無視してブランド名として使っていることが分かる。
今回の場合は、ウルトロン 75mm F1.9はオリジナル・ウルトロン 50mm F2と絞り開放F値が近い、ノクトン 75mm F1.5はオリジナル・ノクトン 50mm F1.5と絞り開放F値が同じと言う具合だ。
コシナ/フォクトレンダー・レンズ全体で見ると、ウルトロンは絞り開放値 F1.7〜F2、ノクトンは絞り開放値F1.5〜F1の間で使われている。
項目 | COLOR HELIAR | HELIAR Clasic | ULTRON | NOKTON |
製造者 | Voigtlander | Voigtlander | Voigtlander | Voigtlander |
焦点距離(mm) | 75 | 75 | 75 | 75 |
最大絞り | 2.4 | 1.8 | 1.9 | 1.5 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 10 | 10 | 12 |
レンズ構成 | 5群6枚 | 3群6枚 | 5群7枚 | 6群7枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.9 | 0.5 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 64.5 (フード込み) | 74 | 56.8 | 63.3 |
レンズ最大径(mm) | 55.5 | 58 | 54.1 | 62.8 |
フィルター径(mm) | 43 | 52 | 49 | 58 |
マウント | L39 | VM | VM | VM |
重量(g) | 230 | 427 | 290 | 350 |
リリース年 | 1999 | 2010 | 2023.1.16 | 2019.7 |
価格 | ¥50,000(銀) ¥53,000(黒) | ¥75,000- | ¥100,000- | ¥125,000- |
参考情報
- ヨドバシカメラ・販売終了商品・カラーヘリアー 75mm
- NOKTON 75mm
- ULTRON 75mm
- HELIAR Clasic 75mm・PDFマニュアル
- Portrait HELIAR 75mm
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更新履歴
- 2025.8.24
- 2024.11.26
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