Ms-optics SONNETAR 73mm

大口径・中望遠レンズ

ゾンネタール 73mm F1.5のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、LEICA M10

レビュー

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1.概要

ゾンネタール 73mm F1.5はMS-Optics(宮崎光学)では初となる、焦点距離73mmの明るい中望遠レンズ。
最大径となる前玉の取り付けを独自の工夫により鏡筒肉厚を極限まで薄くし、フィルター径φ49mmとほぼ同じ前玉径となっている。焦点距離75mmクラスのレンズとしては異例のコンパクトなレンズとなっている。

ヘリコイドの繰り出し量が抑えられたためか最短撮影距離は1m、絞り羽根は12枚となっている。

2.使用感

ゾンネタール 73mmは写真作例を見てわかるように、絞り開放で光線状態によっては、ぼんやりした写りになることもあり、背景によっては周辺が暴れる事もある、個性的なレンズだ。

Ms-opticsレンズの特徴の一つでもあるが、少し絞れば描写は改善するため、F2.8程度にしておくと安定した描写を得る事ができる。

このレンズは大柄な50mm標準レンズと同程度の鏡筒サイズでとてもコンパクトだ。中望遠レンズにしてはカメラバッグ内の収まりがよいため、旅行の際にカメラバックに忍ばせておくと重宝する。
実際にタイへ旅行に行った際、このレンズが一本あるおかげで少し遠い距離の被写体を撮影するときにはずいぶんと助けられた。写真作例はいずれもタイで撮影した写真である。

2010年代後半の宮崎レンズ同様に、鏡筒デザインが洗練されて、レンズ鏡筒の表面仕上げ、組み立て精度が向上しており、レンズのものとしての所有満足度が高くなっている。

73mm F1.5という仕様は、絞り開放においてM型ライカの二重像合致によるピント合わせが少々難しく、ピントを正確に合わせるためには、ミラーレスカメラのEVFを使うことがベターだと考える。

中判デジタルセンサーを採用した、HASSELBLAD X2Dで撮影した結果、センサーサイズ44 x33mmのうち、約92%の40.5 x27mm(3:2トリミング時)をカバーしており、レンズのイメージサークルが広くとられている事がわかる。このため、35mmフルサイズセンサーのイメージサークルに対しては余裕がある。

X2Dトリミングサンプル

3.付加情報

概要に示したとおり、ゾンネタール 73mmはレンズ最大径がφ50mmで重量は200g弱となっており、焦点距離が2mm長い、ライカ ズミルクス 75mmはレンズ最大径がφ69mmで重量は560g、コシナ・フォクトレンダーのノクトン 75mmは最大径がφ63mmで重量は350gとなっており、ゾンネタールのコンパクトさがよくわかる。

Ms-opticsのレンズで、60mmの焦点距離を超えるレンズは、本レンズとAPORIS 135mmのみである。
73mmの焦点距離を選択したのは、設計者・宮崎氏曰く「ライカ・ヘクトール 73mmを意識した。」とのことで、焦点距離75mmのズミルクスと同仕様にして欲しかった気もするが、73mmという選択はオールドレンズ好きの宮崎氏らしい選択だ。

焦点距離を75mm、絞り開放値をF1.4にする場合、スペックを満たすために、レンズ長さ、レンズ径が大きくなるため、鏡筒サイズから現在のスペックになっていると考えられる。現仕様の73mm、F1.5を、75mm、F1.4と謳わないことは、レンズ設計者・宮崎氏の生真面目さを感じる。

仕様

項目ゾンネタールズミルックスノクトン
焦点距離(mm)737575
最大絞り1.51.41.5
最小絞り161616
レンズ構成4群5枚5群7枚6群7枚
絞り羽根121012
最短撮影距離(m)1.00.750.7
レンズ長(mm)578063
レンズ最大径(mm)506963
フィルター径(mm)49(逆付け)60(E60)58
重量(g)197560350
製造本数400 *214,752 *1
リリース年2018.319802019.8.8
参考価格(税別)¥100,000-
(再販業者によって幅あり)
¥400,000-程度・2024年
2000年代は30万円程度
¥125,000-
*1:数値はライカWikiより転載
*2:数値は2018年リリース時の数、その後再生産されたかは不明

参考文献・参考リンク

更新履歴

  • 2024.11.13
  • 2024.2.10:改稿
  • 2022.01.23:初稿

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