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大口径・中望遠レンズ SONNETAR 73mm F1.5

Last updated on 2026-04-29

MS-OPTICS(宮崎光学) ゾンネタール 73mm F1.5のレビューをデジタルレンジファインダカメラ LEICA M-P typ240、LEICA M10、ミラーレスカメラ LEICA SL typ601、HASSELBLAD X2D-100C、LEICA T typ701で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

  • LEICA M10
  • LEICA M-P typ240
  • HASSELBLAD X2D-100C
  • LEICA SL typ601
  • LEICA T typ701

レビュー

MS-OPTICS Sonnetar 73mm F1.5 MS-OPTICS Sonnetar 73mm F1.5 +LEICA M-P Typ240

1.概要

MS-SONNETAR 73mm F1.5はMS-OPTICS(MS-OPTICAL / 宮崎光学)で初となる、焦点距離73mmの明るい中望遠レンズ。

最短撮影距離は1m、絞りはF1.5からF16でクリックストップなし、絞り羽根は12枚。

最大径となるレンズ前玉を独自の取付方法の工夫により鏡筒肉厚を極限まで薄くし、フィルター径φ49mmとほぼ同じ前玉径となっている。焦点距離75mmクラスのレンズとしては異例のコンパクトなレンズとなっている。

Ms-optics Sonnetar 73mm F1.5 +LEICA M-P Typ240
MS-OPTICS Sonnetar 73mm Front lens

2.使用感

MS-SONNETAR 73mm F1.5は写真作例を見てわかるように、絞り開放では光線状態によって、中央部分にフレアがかかり、うっすらと幻想的な写りになることがある。また、背景によって周辺が暴れることもある個性的なレンズだ。
これは、MS-OPTICSレンズの特徴の一つでもあるが、少し絞れば描写は改善するため、F2.8程度にしておくと安定した描写を得ることができる。

レンズデザインは2010年代後半の宮崎レンズ同様に洗練されており、レンズ鏡筒の表面仕上げ、組み立て精度は向上している。このため、レンズとしての所有する満足度が高くなっている。

最短撮影距離はヘリコイドの繰り出し量が抑えられたためか1.0mとなっている。これは少し残念な点であり、レンジファインダーカメラの距離計連動範囲の最短距離となる0.7mまで寄れるとより使い勝手がよくなる。後述するミラーレスカメラはMマウントよりフランジバックの短いため、繰り出し機構を備えたマウントアダプターを使用することにより最短撮影距離の短縮が実現できる。

レンズサイズは大柄な50mm標準レンズと同程度のレンズ長と細身の鏡筒をしておりとてもコンパクトだ。このため、中望遠レンズだがカメラバッグへの収まりがよいため、旅行の際にカメラバッグに忍ばせておくと重宝する。実際にタイへ旅行に行った際、このレンズが一本あるおかげで少し遠い距離の被写体を撮影するときにはずいぶんと助けられた。LEICA M10の写真作例はタイで撮影したものだ。

ここからは、デジタルレンジファインダーと、ミラーレスカメラで使用した感想を記す。

デジタルレンジファインダーカメラ

デジタルレンジファインダーは、35mm判フィルムと同サイズの2400万画素、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーを搭載したLEICA M-P typ240とLEICA M10を使用した。

レンジファインダーカメラで使う73mm F1.5という仕様は、絞り開放ではM型ライカの二重像合致によるピント合わせの結果は少し不安定で、慎重にピントを合わせなければ、撮影時に意図した位置にピントがきていないことがある。正確にピントを正確に合わせるためには、後付けの電子ビューファインダーを併用するのが安全だ。

描写は絞り開放における、ピント位置に芯を残しつつ、ほんのりとフレアがかかる柔らかい描写は、このレンズならではのもので、絞ればフレアは解消していく。逆光時にはゴーストの発生が見られ、これはレンジファインダーカメラの場合、ファインダーはあくまで構図を確認するためのファインダーなので、逆光時にゴーストは撮影時に確認できない。そのため、フィルムカメラであれば出来上がりのお楽しみ、デジタルカメラはプレビューを見れば確認できる。

イメージサークルが広いレンズで、周辺部に減光は見られない。

解像度に関しては、使用した2つのカメラの結果をみるかぎり2000万画素クラスのカメラに十分な解像度と言える。

このレンズはレンジファインダーカメラで使用するにはピント精度に不安があるため、フィルムカメラで使用したことがない。とくに2020年代に入り、デジタルカメラの進化とフィルム代、現像代が高額になったことにより使用する機会はほとんどないと考える。

ミラーレスカメラ

ミラーレスカメラは、35mmフルフレーム(フルサイズ)センサーを搭載したLEICA SL typ601、APS-Cサイズセンサーを搭載したLEICA T typ701、中判デジタルセンサーを搭載したHASSELBLAD X2D-100Cで使用した。

最初のLEICA SL typ601はフィルムカメラと同サイズの2400万画素 35mmフルフレームセンサーを搭載しており、解像感は十分、周辺減光が少ないなどの描写傾向はLEICA M10、LEICA M-P typ240とほぼ同じだ。

ミラーレスカメラを使う利点は、電子ビューファインダー、背面液晶で撮影像をリアルタイムに確認できることであり、とくにLEICA SL typ601は440万ドットと高精細なEye-res電子ビューファインダーを搭載しており、F1.5の大口径レンズのピント位置を拡大機能を使わなくてもほぼ問題なく合わせることができる。また、逆光時のゴーストを撮影時に確認が可能ということもメリットである。

LEICA T typ701の搭載するAPS-Cサイズセンサーは、35mmフィルム判よりも小さいため、撮影焦点距離が焦点距離換算係数1.5をかけた110mm相当となる。

撮影結果はイメージサークルの広いこのレンズは、35mmフルフレームセンサーカメラにおいても、画面全体を均質な描写ができるが、APS-Cサイズセンサー搭載カメラは周辺部分がクロップ(カット)されるため、撮影画像全体の均質性はよりよくなる。

もっとも大きなセンサーである中判デジタルセンサー(44mm x 33mm)を搭載したHASSELBLAD X2D-100Cの場合、搭載センサーが35mmフィルム判(36mm x 24mm)より大きいため撮影写真の35mmフィルム判焦点距離はセンサーサイズの焦点距離換算係数 0.8をかけた58mm相当の標準レンズに近い焦点距離となる。

撮影した結果、センサーサイズ44 x33mmのうち、約92%の40.5 x27mm(3:2トリミング時)をカバーしており、レンズのイメージサークルが広くとられていることがわかる。このため、35mmフルサイズセンサーのイメージサークルに対しては余裕がある。

作例に示したような場面であれば、中判デジタルセンサーのすべての面積を使うことも可能で、35mmフィルム判にトリミングして使うこともできるため、2つの焦点距離を使い分けることが可能だ。

同じサイズの中判デジタルセンサーを搭載したFUJIFILM GFXシリーズは、ボディにメカシャッターを搭載しているため、HASSELBLAD Xシリーズより使い勝手はよい。HASSELBLAD Xシリーズの問題点を簡単に説明すると、ボディにメカシャッターを持たないため、電子シャッターでの撮影となり、電子シャッターは動きの速い被写体において、撮影結果にローリング歪みと呼ばれる像のゆがみが発生することがあるためだ。

X2D Crop sample

3.まとめ

MS-SONNETAR 73mm F1.5をまとめると、非常にコンパクトな中望遠レンズ。
レンズのサイズは50mm標準レンズとほぼ同じ大きさなので、広角レンズとこのレンズの組み合わせにすると、標準レンズより被写体に寄った構図での撮影ができる。
絞り開放 F1.5における描写はピント位置を除いて像が崩れていくが、それを生かした構図を見つける楽しさがある。
レンジファインダーカメラにおいて、75mmクラスのレンズは重くて敬遠している撮影者に使ってもらいたいレンズだ。

仕様・考察など

概要に示したとおり、SONNETAR 73mm F1.5はレンズ最大径 φ50mm、重量 200g弱となっており非常にコンパクトだ。
具体的に比較すると、焦点距離が2mm長くわずかに明るいLEICA SUMMILUX 75mm F1.4はレンズ最大径 φ69mm、重量 560g、そして、焦点距離は2mm長く明るさは同じVoigtlander NOKTON 75mm F1.5は最大径 φ63mm、重量 350gとなっており、いずれもレンズ径は2割以上大きく、重量は2.3倍、1.7倍と重く、SONNETARのコンパクトさがよくわかる。

MS-OPTICSのレンズで、60mmの焦点距離を超えるレンズは、本レンズとAPORIS 135mmのみである。
73mmの焦点距離を選択した理由は、設計者・宮崎氏から聞いた話によると「LEICA HEKTOR 73mm F1.9を意識した。」とのこと。
個人的には焦点距離75mmのズミルクスと同仕様にしたほうが、マーケットニーズはありそうだが、あえて73mmという選択をしたのはオールドレンズ好きの宮崎氏らしいと思える。

また、焦点距離を75mm、絞り開放値をF1.4にする場合、スペックを満たすために、レンズ長さ、レンズ径が大きくなるため、現在のコンパクトな鏡筒サイズから逆算して、現在のレンズ仕様になっていることも推測される。そして、現仕様の73mm F1.5を、大雑把に数字を丸めて75mm F1.4と謳わないことはレンズ設計者・宮崎氏の生真面目さが感じられる。

MS-OPTICS Sonnetar 73mm F1.5 LEICA SUMMILUX M 75mm F1.5 Voigtlander NOKTON 75mm F1.5
  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
項目ゾンネタールズミルックスノクトン
焦点距離(mm)737575
最大絞り1.51.41.5
最小絞り161616
レンズ構成4群5枚5群7枚6群7枚
絞り羽根121012
最短撮影距離(m)1.00.750.7
レンズ長(mm)578063
レンズ最大径(mm)506963
フィルター径(mm)49(逆付け)60(E60)58
重量(g)197560350
製造本数400 *214,752 *1
リリース年2018.319802019.8.8
参考価格(税別)¥100,000-
(再販業者によって幅あり)
¥400,000-程度・2024年
2000年代は30万円程度
¥125,000-
*1:数値はライカWikiより転載
*2:数値は2018年リリース時の数、その後再生産されたかは不明

参考情報

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更新履歴

  • 2026.3.8
  • 2025.6.11
  • 2024.11.13
  • 2024.2.10:改稿
  • 2022.01.23:初稿

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