Ms-optics SONNETAR 73mm
ゾンネタール 73mm F1.5(MS-Optics / 宮崎光学)のレビューと写真作例
目次
<ギャラリー>
SONNETAR 73mm F1.5 写真例(LEICA M-P / LEICA M10使用)
<レビュー>
ゾンネタール73mmはMS-Optics(宮崎光学)では初となる、焦点距離73mmの明るい中望遠レンズ。
レンズの特徴としては最大径となる前玉の取り付け方法を工夫し、LEICA SUMMILUX 75mmのフィルター径60mmに対して、本レンズのフィルター径は49mmと75mmクラスのレンズとしては驚異的なコンパクトさを誇る。
宮崎氏のレンズでは、60mmの焦点距離を超えるレンズは、本レンズとAPORIS 135mmのみである。
73mmの焦点距離を選択したのは、宮崎氏曰く「ライカ・ヘクトール 73mmを意識した。」とのことで、筆者としては焦点距離75mmのSummilux Mに正面から挑んで欲しい気もするが、この選択はオールドレンズ好きの宮崎氏らしいと思う。
おそらく、焦点距離をあと2mm伸ばすのは、それほど困難なことではなく、74mmを超えていればマーケティング上75mmと呼ぶレンズもあるだろうから、それをしないのは設計者の生真面目さがでているのだろう。絞り開放値はF1.4まで拡張する場合、スペックを満たすためにはレンズ径が大きくなってしまうのため、それを嫌ったためF1.5にとどめた可能性がある。
いずれにせよ、他の75mmクラスレンズから少し外したところにある独特の存在感を持つレンズだと思う。
本レンズは大柄な50mm標準レンズと同程度の鏡筒サイズでとてもコンパクト、Voigtlander、Leicaの75mmクラスに比べるとカメラバッグ内の収まりがよいため所持していると重宝する。
旅行でタイに行ったときにも、このレンズが一本あるおかげで少し遠い距離の被写体を切り取るのに重宝した。
この世代の宮崎レンズと同様に、外観の仕上がりもよく、デザインも洗練されているが、絞りの回転方向がELNOMAXIMと逆方向なのが不思議である。
絞り開放ではM型ライカのレンジファインダーによるピント合わせは少々難しく、ピント精度を考えるとEVFを使うのが無難だろう。
HASSELBLAD X2Dで使用したところ、44 x33mmのうち、40.5 x27mm(3:2トリミング時)程度をカバーしている。
<仕様>
項目 | ゾンネタール | ズミルックス |
焦点距離(mm) | 73 | 75 |
最大絞り | 1.5 | 1.4 |
最小絞り | 16 | 16 |
絞り羽根 | 10 | |
レンズ構成 | 4群5枚 (ゾナー型) | 5群7枚 |
最短撮影距離(m) | 1.0 | 0.75 |
レンズ長(mm) | 57 | 80 |
レンズ最大径(mm) | 50 | 69 |
フィルター径(mm) | 49 (逆付け) | 60(E60) |
重量(g) | 197 | 560 |
製造本数 | 400*2 | 14,752*1 |
リリース年 | 2018.3 | 1980 |
参考価格(税別) | 100,000 (再販業者によって幅あり) | 400,000くらい 2024年 2000年代は30万円くらい |
*2:数値は2018年リリース時の数、その後再生産されたかは不明
<参考文献・リンク>
<更新履歴>
- 2024.2.10:改稿
- 2022.01.23:初稿
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