LEICA SUMMICRON M 50mm

フード内蔵・ロングセラー標準レンズ

ライカ・ズミクロン 50mm F2のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、Leica M9

レビュー

1.概要

ズミクロン M 50mmは、古い鏡筒のレンズが1979年にリリースされ、鏡筒形状を1994年に現在の形にリニューアルしており、その巻レンズ構成は同一のままである。旧鏡筒と新鏡筒であわせて10万本以上作られている息の長いレンズだ。

絞り羽根は8枚で通常の8角形、フードは引き出し式でフードのロック機構はない。フィルター径は39mmで従来ズミクロン 50mmから変更なく、同じネジ径が踏襲されている。

ズミクロンM35mm ASPH.、ズミルックスM50mm、APO SUMMICRON90mmなどと同様に、ブラック、シルバー、チタンの3色展開がおこなわれていた。チタン、シルバー色は真鍮製の鏡筒を採用しており、アルミ製鏡筒のブラック色よりも重い。

また、フード内蔵のズミクロン50mmは、バルナックライカ向けにシルバー鏡筒でL39スクリューマウント版もあるが、こちらは最短撮影距離がバルナックライカの標準最短撮影距離に合わせて、1.0mとなっている。L/M変換リングを使用すると、Mマウントライカカメラで使用できるが、1mまでしか寄る事が出来ないため注意が必要である。

2.使用感

M型ズミクロンは、沈胴型の初期ズミクロン、メガネ付きズミクロン、このフード内蔵型を使用した。いずれも描写に不満を感じる場面はほとんど無く、ズミクロン以前の50mmレンズと比べると、ズミクロンシリーズは完成されたレンズだと感じる。そのため、初代と本レンズの中間にリリースされたレンズは手に入れることなく今に至っている。

開放F2の明るさは、M型ライカの距離計でピント位置を決めることは容易で、スナップ撮影のように気軽な使い方において、それほどピント位置が意図に反することはなく、ズミルックス50mm ASPH.のカミソリのようなピント精度を要求するレンズとは異なり使い易い。

4代目は後期からフード内蔵となり、4代目前期までの別付けフードからレンズデザインが一新されている。デザインは変更されたが、レンズの明るさが同一なので、フィルターは従来と同じ径が採用されており、むやみにオプション品の仕様を変えない事は好感が持てる。

レンズ前方に絞りリング、中間にフォーカスリングの配置は踏襲しており、ズミクロンになれた撮影者であれば戸惑う事はない。しかし、レンズ鏡筒に2代目、3代目には存在した指掛かりが無くなっているため、指掛かりを始点として使う撮影者は戸惑うかもしれない。

フード内蔵型はシルバーを2回購入して、2回売ってしまったが両個体ともにフォーカスリングは軽かったのでそういう仕様と思われる。

3.競合

ズミクロンの数え方は、鏡筒の変遷でカウントする方法と、レンズ構成の変遷でカウントする方法があり、参考リンクにある、ケンロックウェルのサイトは鏡筒の変遷でカウントしており、LEICA WIKIはレンズ構成の変遷でカウントしている。

2013年にAPO SUMMICRON 50mm ASPH.として、APO仕様、非球面レンズの採用、と現代ライカレンズの仕様を全部盛りしたレンズとしてリリースされた。このレンズは性能も価格も通常のズミクロンとはまったく別物となっている。

ライカはロングセラー商品は地道に改良をするため、2023年リリースのズミルックス M 最新型と同様に最短撮影距離の短縮、非球面レンズの採用などの改良がおこなわれる可能性はあると思う。

仕様・比較

項目ズミクロン(沈胴)DRズミクロンズミクロン
焦点距離(mm)505050
最大絞り222
最小絞り161616
レンズ構成6群7枚6群7枚4群7枚
絞り羽根10108
撮影距離(m)∞〜1.0∞〜1.0∞〜0.7
眼鏡使用時(m)0.9〜0.48
レンズ長(mm)?43?
レンズ最大径(mm)485353
フィルター径(mm)393939
フードSOOFM / ITDOO / IROOASOOFM / ITDOO / IROOABuild in
重量(g)339240:Black
335:Silver,Titan
眼鏡重量(g)52
リリース年195119561994
製造本数253,314?94,573+
(1977-2005 )

参考文献・参考リンク

更新

  • 2024.11.11
  • 2023.03.01:改稿
  • 2023.07.02:初稿

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