ライカM互換コンパクトRF MINOLTA CLE

ライカM互換コンパクトRF MINOLTA CLE
eye catch

MINOLTA CLEでFUJIFILM TIARA 28mmとLEICA ELMARIT M 28mm 5thで使用したレビューと写真作例

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目次

ギャラリー

作例の撮影は以下のレンズとフィルムを使用した。

  • FUJIFILM TIARA M mount modify 28mm F3.5(Ms-Optics) +FUJIFILM 100C
  • LEICA ELMARIT M 28mm F2.8 5th +KODAK GOLD 400

レビュー

Before imageAfter image

1.概要

MINOLTA CLEは1981年に発売された、世界初のTTLダイレクト測光の自動露出制御、電子制御シャッターを備えたライカMマウントのレンジファインダーカメラ。

ミノルタがライカと共同開発をした、ライツミノル CLの後継カメラだが、さまざまな事情からライカは本プロジェクトに関わることなくMINOLTA単体で販売することになった。

ファインダー枠は、28mm、40mm、90mm、後述のとおり枠を出すツメがライカMと異なるため、M ROKKOR以外の28mmレンズを装着しても28mm枠はでない。

シャッターはバルブ〜1/1000となっている。

電池はボタン型のSR44を2個かLR44を2個を使用する。

2.使用感

MINOLTA CLEは絞りを決めるとカメラ側で自動的にシャッタースピードを決める自動露出機能を搭載している。この機能をライカが搭載するのは、2002年のライカ M7まで実現しておらず、21年前にこの機能を搭載しており、電子機能を得意とする日本カメラメーカーの面目躍如と言える。

ボディはプラスチックで安っぽく、他のM型ライカカメラと比べるとチープな造りだ。所有していたカメラだけの問題かもしれないが、電池ボックスの蓋がゆるく使用中に蓋が外れて電池が脱落することがあった。CLE専用のグリップはこの電池ボックスの蓋を覆うように装着されるため、グリップを装着しておくことでこの問題は回避できた。

シャッターフィールはかなり軽めで、布走りのシャッター音は少しくもった音がする。ファインダー倍率は低く、基線長が短いため、望遠レンズの使用は難しい。また、古いカメラはファインダーのに重像が薄くなっているカメラもあるため、ファインダーの状態は購入前に確認することをお勧めする。

このカメラは他のM型ライカカメラと異なり、ファインダー枠に特徴がある。
CLEはファインダー枠の表示は、レンズ側の爪長さによる自動表示となっており、一部のライカM型カメラのようにカメラ前面のレバーで撮影者がファインダー枠を変更することはできない。

ファインダー枠の自動表示の設定は下表のようになっている。CELは28mmと90mmの表示を分けるためにCLEが使用していない35/135mmファインダー枠表示の設定に、28mmのファインダー枠表示を割り当てている。

ファインダー枠爪長さMINOLTA CLEライカ M
28/90長い9028/90
50/75中間40/5050/75
35/135短い2835/135

汎用的に使うにはファインダー枠の表示がライカとは異なることが最も大きく、35mmレンズをメインに使っていたため、35mmファインダー枠が無いことは残念だった。

このカメラは二度購入しており、一度目は2007年、二度目は2024年だ。
2007年に購入した機体はよく整備され状態のよいもので、一部部品がゴールド色に変更されて、貼り革がトカゲ革(リザード仕様)に変更されていた。このカメラは外装がカスタマイズされており安価で売られていたので、衝動的に購入した。コダクローム(KR64)を3本、モノクロームフィルム、ネガフィルムをそれぞれ1本撮った記録を日記に残している。

2024年の購入は、ジャンク品のカメラとレンズをセットで購入した。
レンズはそれなりの状態だったが、カメラはかなりいたんだ状態で、ファインダーはゴミだらけ、二重像は薄い、トップカバーはわれていると、説明通りのジャンク状態であった。ネガフィルム一本通して、機械部分の確認と露光漏れが無いことが確認できたので、中古カメラ屋の親父にこのCLEとヘキサー RFと交換する場合、どのくらいの価値になるか聞いたら、状態を見て「その個体は、うちでは無価値、委託で置いておけば、そのうち売れるかもね。」と言われたので、状態がよくないこともあり、外観写真を撮って、ジャンク品として即決価格でオークションサイトに出品したら、ものの数分で売れてしまい、家から旅立つことになった。部品取りなどで安価なCLEを探している人はいるのだろう。

3.まとめ

結論としてMINOLTA CLEをまとめると、自動露出機能があり使い易いレンジファインダーカメラだ。ファインダーは広角レンズを使用するには問題ないけれど、28mm枠を表示するためには35mmの爪が必要なのが面倒な部分である。

コンパクトなボディは魅力だが、いくつかの欠点が許容できるか検討してからの購入が必要なカメラだ。

仕様・考察など

M ロッコール 28mmのページにも記載しているが、CLEの28mm枠を表示するための、Mマウントの爪位置はM型ライカカメラでは35/135mm枠を表示するレンズ爪位置となっているため、CLEにエルマリート M 28mmの2代目以降を装着すると28mm枠は表示されず90mm枠が表示される。
面白いのは初代エルマリートM 28mmも35/135の爪長さであり、28mmファインダー枠が表示可能なライカM型カメラに装着すると、28mmファインダー枠が表示されないのである。筆者は初代エルマリートをこよなく愛しているため、初代エルマリートを使用するときは外付けファンダーを装備している。
CLEは初代エルマリート28mmで28mmファインダー枠が表示されるが、初代エルマリートのレンズ内に大きく侵入する後玉のため、CLEの自動露出は適正に働かない可能性がある。

CLEのファインダー枠は、ファインダーをから見える外いっぱいでほぼ28mmと考えて差し支えないので、枠表示にこだわらなければ、気にならないかもしれない。
しかし、ライカM型カメラでM ロッコール28mmを使うと35mm枠が表示されるため、外付けファインダーを使用するのがよいと考える。どのみちアバウトなファインダー枠なので、それしか無ければ40mm枠のすこし内を意識して撮影する割り切りで実用できる。

カメラの性能としては後に発売された、KONICA HEXAR RFは、自動露出と自動巻き上げを搭載し、ファインダー枠はライカMと互換性があるため、MINOLTA CLEよりも電子化が進み便利なカメラとなっている。

カメラLEITZ MINOLTA CLMINOLTA CLEHEXAR RF
ファインダー実像距離計式・逆ガリレオ透視ファインダー実像距離計式・逆ガリレオ透視ファインダー実像距離計式・逆ガリレオ透視ファインダー
ファインダー内部ハーフミラー多用プリズム多用プリズム多用
ファインダー倍率0.60.580.6
ファインダー枠40/50、40/9028、40、9028/90、35/135、50/75
基線長(mm)31.549.569.2
有効基線長(mm)18.928.841.5
最短撮影距離0.8m0.8m0.7m
シャッター縦走行・布幕フォーカルプレンシャッター電子制御式・横走行・布幕フォーカルプレンシャッター電子制御式・上下走行・メタルフォーカルプレーンシャッター
シャッター速度1/1000-1/2秒・B1/1000-1秒・B1/4000〜16秒(オート)
1/4000〜1秒(マニュアル)
撮影方法マニュアル絞り優先自動露出
マニュアル(露出計反応無し)
絞り優先自動露出
マニュアル(露出計反応あり)
測光アーム式・中央重点・TTLダイレクト測光シャッター幕面・中央部重点的平均・TTLダイレクト測光シャッター幕面・平均・TTLダイレクト測光
受光素子CdSSPD(シリコンフォトダイオード)SPD(シリコンフォトダイオード)
バッテリーMR-9SR44(G13) x2
LR44(A76) x2
CR2-3V 2本
ISO/ASA25〜160025〜16006〜6400・DX
外形寸法(mm)
幅 x 高さ x 奥行
121 x 76 32124.5 x 77.5 x 32139.5 × 80 × 35
重量(g)約440375約560
リリース年19731981通常(1999.1)
Limited(2001)

オプション

  • グリップ
  • 専用フラッシュ(オートエレクトロフラッシュ CLE)
  • 専用レンズ
焦点距離名称リリース年
28mmM ROKKOR1981.2
40mmM ROKKOR1981.2
90mmM ROKKOR1981.2

参考情報

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更新履歴

  • 2025.9.6
  • 2024.03.22

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