国際芸術祭「あいち2025」瀬戸市のまちなか・北エリア

国際芸術祭「あいち2025」瀬戸市のまちなか・北エリア

2025年10月に訪問した国際芸術祭「あいち2025」瀬戸のまちなか・北エリアの鑑賞レポート

目次

展覧会概要

  • 国際芸術祭「あいち2025」・瀬戸会場
  • 会期:2025.9.13〜11.30
  • 会場:瀬戸市のまちなか・北エリア

参加アーティスト(敬称略)

  • 冨安由真:ポップアップショップ
  • アドリアン・ビシャル・ロハス:旧瀬戸市立深川小学校
  • ロバート・アンドリュー:加仙鉱山
  • 沖潤子:無風庵
  • マイケル・コラウィッツ:梅村商店

鑑賞レポート

こちらの会場は瀬戸市のまちなかで瀬戸川より北に展示された作品の鑑賞レポート。
北エリアだけを廻る場合、こちらは住宅街で会場至近には駐車場が無いことがほとんどで、住宅街を抜ける道も狭いので、駅前の瀬戸蔵ミュージアム後か駐車場に駐車し、マイケル・コラウィッツの展示された梅村商店から、沖潤子、ロバート・アンドリュー、アドリアン・ビシャル・ロハス、冨安由真と東に向かって鑑賞を進めるのがよいだろう。
それでも各展示場所間の距離がそれぞれ徒歩10分から15分離れているため、歩きやすい靴で廻るのがよい。

また、瀬戸市まちなかをすべて廻る場合は、梅村商店から南エリアの佐々木類:旧日本鉱泉も近いのでマップを見ながら駐車場と作品の関係を見ながら廻るのがよい。

冨安由真《The Silence(Two suns)》:ポップアップショップ

商店街の空き店舗を利用した「ポップアップショップ」全体を使ったインスタレーション。

徒歩で会場に近づくと店内に白っぽい土山が見える。入口まで行くと部屋に運び込まれた土の量に驚かされる。
この灰色の土は陶器制作で使う際にでたあまり土などの廃棄物とのことで、花びら形をした破片が表層に散りばめられ、芸術祭の題にある「灰と薔薇」を体現している。そして、室内には冨安がインスタレーションでよく用いる食事テーブルと椅子がおかれ、それらは半分土に埋まり花びら形の破片が散乱し灰に覆われた世界を表現している。

灰の世界を抜けてバックヤードに入ると部屋は定期的に明滅しており、じょうじじょうじじょうじ冷蔵庫には霜が灯っており、そこはかとなく生活感がある。バックヤードには破片の装飾と壁にペイント作品が展示され、ヒルマ・アフ・クリント(Hilma af Klint)を彷彿とさせる2つの円が描かれた作品が印象に残った。

また、会場内の各所にモニターが設置され会場を移動している鑑賞者を見ることができる。これにより鑑賞者と作品の関係に異なる視点を与えているようだ。

会場となっている「ポップアップショップ」は瀬戸市の「中心市街地商店街の賑わい創出やツクリテ等の創業支援のため、銀座通り商店街の空き店舗を活用して運営されています。」(せと銀座通り商店街のインスタグラムより引用)とのこと。

冨安由真《The Silence(Two suns)》冨安由真《The Silence(Two suns)》

■アドリアン・ビシャル・ロハス《地球の詩》:旧瀬戸市立深川小学校

こちらもいわゆる「サイト・スペシフィック・アート」で、加飾された教室よりも無人の用務員室の静けさにアートを感じる。

アドリアン・ビシャル・ロハス《地球の詩》アドリアン・ビシャル・ロハス《地球の詩》

■ロバート・アンドリュー《ブルの言葉》:加仙鉱山

作品と工場の製品が同じ目線で並んでおり、作家は素材を調達した場所で展示することを選択したが、その素材を製造する工場がアート作品と同等の見栄をしている。
「サイト・スペシフィック・アート」の難しさを目撃できる。

ロバート・アンドリュー《ブルの言葉》ロバート・アンドリュー《ブルの言葉》

■沖潤子《anthology》:無風庵

丘の上にある藁葺き屋根の「無風庵」に刺繍とその道具である針で構築したインスタレーションを展開。
展示される針10万本は全国から募集して展示作品に使われている。

無風庵は「近代美術工芸家・藤井達吉ゆかりの、茅葺入母屋造のギャラリー兼休憩所。藤井と弟子たちが共同工房として使用していた建物を、小原村(現豊田市)から移築」とのこと。

沖潤子《anthology》沖潤子《anthology》

■マイケル・コラウィッツ《見えない敵などいるはずがない》:梅村商店

イラクに存在した主にテロ組織の行為によって失われた壁画をダンボールで再現している。
これら美しい色彩の実物を現在は見ることができないというのは悲しいことだ。

参考情報

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更新履歴

  • 2025.11.3

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