氷の微笑・CONTAREX BIOGON 21 F4.5

氷の微笑・CONTAREX BIOGON 21 F4.5

CONTAREX BIOGON 21mm F4.5をデジタルレンジファインダーカメラで使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例の撮影は、LEICA M9 & EPSON R-D1

レビュー

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1.概要

ビオゴン 21mm F4.5は1958年にリリースされたZEISS IKON CONTAREX一眼レフ向け広角レンズ。

対称型の光学系を採用しているため後玉がかなりフィルム面に近くなるため、CONTAREXカメラで使う場合はミラーアップ機構の着いたカメラで使用する必要がある。

このレンズは本来、コンタレックスカメラ用のレンズだ。しかし、ライカMの距離計非連動マウントアダプターが付属した状態で売られていた。2023年現在でもこの形態で売られていることを見かける。

前述の通りマウントは距離計非連動なので、レンジファインダーカメラで利用する場合は目測で撮影することになる。最近のミラーレスカメラではまったく問題にならない。

2.使用感

このビオゴン 21mmは、M/Lレンズグルメの最後期に使用したレンズ。

デジタルカメラのライカ M9、ライカ M typ240などの35mmフルサイズCCDセンサーで使用した場合、周辺減光がおこり、太陽光線の状態によっては周辺に紫色のカラーキャストが発生する。

エプソン R-D1、ライカ M8、ライカ M8.2はセンサーが小さいため、前述のネガティブはカラーキャストはセンサーサイズの関係からクロップされるため、かなり緩和される。
フィルムカメラはフィルムの発色反応がイメージセンサーと異なり斜め向きの入射光でも正常な色反応を示すためカラーキャストはおこらない。モノクロームセンサーカメラは色情報がなくなるためカラーキャストはおこらない。

カラーイメージセンサーで発生するカラーキャストの問題は、CONTAX G BIOGON21mm、ロシア製RUSSAR 20mmなどで発生する。これは、レンズ後端がイメージセンサー面に近くなる、対称光学系の広角レンズで発生しやすい現象だ。2025年現在の最新のイメージセンサーは周辺部の色変化に対処できるセンサーもあるため、古めの35mm判フルサイズセンサーを積んでいるカメラ特有の問題になってきている。

レンズ単体では0.9m程度にしか寄れないため撮影の自由度が低いけれど、補助ヘリコイドや近接リングを使うことにより、問題を回避することができる。

ギャラリーは絞り開放ばかりで、中央部分のキレは古いレンズとは思えないほどに解像している。いくつかのレビューで「氷」のようなと言われた表現はあたっている。

レンズ後玉にはレンズガードが装着されている。測光センサーの邪魔になりそうだったこと、カメラ内部に突起物が侵入するのは精神的によろしくないので、レンズ後端のガードは外して使用していた。
このレンズガードはネジ止めなので精密ドライバーでネジを緩めれば簡単に外れる。外でレンズを外さない、保管時は底の深いリアキャップを装着することを徹底できればこのガードはなくてもレンズ運用に支障はない。

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3.まとめ

結論としてCONTAREX BIOGON 21mm F4.5をまとめると、広角単焦点の好きな撮影者には刺さるレンズだ。
とくにモノクロであればデジタル、フィルムを問わずに鋭利な描写を楽しめる。しかし、カラー撮影は問題が多いのであまりお勧めしない。モノクロ、カラー共に周辺減光は対称型レンズなので諦める。

広角をあまり使わない撮影者であれば、単焦点のレトロフォーカスレンズかズームレンズを購入するのが無難だ。

仕様

CONTAREXとCONTAXのBIOGONを比べると、絞り開放F値が暗いCONTAREXはコンパクトにできている。
明るさと最短撮影距離の点で、CONTAX G BIOGONに優位性があるのは設計が新しいためだ。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
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項目CONTAREX BIOGONBIOGON G 21mm
焦点距離(mm)2121
最大絞り4.52.8
最小絞り2222
絞り羽根87
レンズ構成5群8枚7群9枚
最短撮影距離(m)0.90.5
レンズ長(mm)3535.5
レンズ最大径(mm)5559
フィルター径(mm)4955
重量(g)271 レンズのみ200
フード専用バヨネットフードサードパーティ
マウントライカMCONTAX-G
製造年19581996年

参考リンク

更新履歴

  • 2025.2.22
  • 2024.04.09:記載修正
  • 2022.11.15:最初の投稿

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