645判広角 DISTAGON 35 for CONTAX 645

Kyocera/Contax製中判・広角レンズ、DISTAGON 35mmをLEICA S Typ007で使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は LEICA S typ007
レビュー


1.概要
ディスタゴン 35mm F3.5は、1999年にリリースされたCONTAX 645向けの最広角レンズ。
レンズ構成は8群11枚、重量は約900g、フィルター径はCONTAX 645レンズのVARIO SONNAR 45-90、TELE APO TESSAR 350と同じ95mmを採用している。
ライカ Sで使用する際はマウントアダプター16038 [ライカ SアダプターC]を介して装着する。レンズにに装備された絞り環はライカSで使う場合、絞り環の機能は無視されてカメラ側で絞り値を設定して撮影する。
オートフォーカスで使用しているときも、レンズ中央のフォーカスリングで、フォーカス中に手動でフォーカスに割り込みをかけることができる。
レンズフードは専用品のGB-101を使用する。フード接続部のバヨネット形状はVARIO SONNAR 45-90で使用するGB-104と互換性がある。

2.使用感
ディスタゴン 35mm F3.5は中判カメラ・コンタックス645向けの単焦点広角レンズで、ライカSで使う場合はセンサーサイズの拡大倍率0.8をかけて35mm判換算・28mm相当の焦点距離となる。
コンタックス645フィルムカメラで使用すると、35mm判換算・0.6倍となるため、22mm相当の広角レンズとなる。
ライカ Sに装着した際のバランスはとても良いレンズで、最初の撮影結果をモニターで確認したとき、少し絞って撮影した画像のキレのある描写は嬉しい驚きだった。
オートフォーカス(以下、AF)の合焦速度は、AF速度に有利なリアフォーカス方式を採用しているため、SONNAR 140mm、DISTAGON 45mmより高速だ。他のコンタックス645レンズ同様に35mm判カメラの高速AFのような早さはないが実用的に使える水準だ。
ダイレクト・マニュアルフォーカスも可能で、オートフォーカスが合わないときはマニュアルフォーカスで調整できる。
このレンズも他のコンタックス645レンズ同様に、LEICA S typ007で使用するときは、撮影可能にあるまで少しのタイムラグがある。
レンズの劣化のためか、フード無しで使用すると逆光時にゴーストかフレアによる妖しげな光が発生し、撮影画像のコントラスト低下がみられることがあった。そのため、野外での撮影ではフードを装着することが無難だ。
専用フードのGB-101の入手が難しい場合は、LEICA Sで使うのであれば、バリオ・ゾナー 45-90mm用のGB-104でも代替できる。GB-101も入手しづらいがGB-104も入手難易度が高い。
ディストーションは風景など被写体では目立たない。しかし、広角レンズにありがちな被写体との距離が1~3m程度において格子状の被写体を写すと周辺部で樽形の歪みが目立つ。このような被写体の場合はソフトウェアで補正する必要がある。
コンタックス645の広角側レンズの3本は、DISTAGON 35mm、DISTAGON 45mm、DISTAGON 55mmの3本がラインナップされており、それぞれの特徴を簡単にまとめると、DISTAGON 35mmは解像度重視、DISTAGON 45mmは柔らかい描写、DISTAGON 55mmはその中間で中庸な描写をする。
2000年代における35mm判カメラにおける、標準ズームレンズの開始焦点距離は24mm以下となっているため、ライカSで使う28mmという焦点距離はとくに短い焦点距離ではない。
中判デジタルセンサー(45mmx30mm)で撮影するときに構図を決めやすく撮影範囲のバランスがよい焦点距離だ。
最終的にこのレンズは1ヶ月ほど使って手放した。それは、同じ中判カメラ対応のHC35mmを持っていることが大きな理由で、HASSELBLAD X2Dと共用できるHC35mmを残してディスタゴン 35mmを手放すことにした。
3.まとめ
結論としてディスタゴン 35mm F3.5をまとめると、焦点距離28mmの広角レンズとして、操作性、描写、共に満足できるレンズだ。
仕様
ディスタゴン 35mmの比較対象としては、「ハッセルブラッドHC35mm」、「ライカ エルマリート S f2.8/35mm ASPH.(Order no. 11077 | CS: 11078)」が考えられる。
残念ながら、エルマリート S 35mmは100万円近い価格で個人的な収入では入手して使用できるとは思えない。そして、エルマリート S 35mmレンズは2023年現在、商品は終売しており、中古市場で探すことになる。机上でのスペック比較では仕様・比較に示すとおりで、エルマリートSは重くて大きい。しかし、レンズスペックは優れており、開放F値が1段明るいF2.5、レンズ構成は9群12枚で非球面レンズを採用している。
エルマリート Sのフォーカスは、ディスタゴン35mm、HC 35mmと同様にガラスの小さい後群を動かして高速にフォーカスするリアフォーカス方式を採用している。
MTFチャートの比較ではライカは27mm、ZEISSは35mmまで記載と表示範囲は異なる。
補正して27mmまでの範囲でエルマリートSとディスタゴンを比較すると、グラフの線図ではエルマリートの圧勝である。エルマリートSはリリース年度が新しく、最新の設計を用いており価格が高くなることも納得できるレンズだ。
HC35mmはフィルター径はディスタゴンと同じ95mm、レンズの最大径はほぼ同じだ。しかし、DISTAGON 35mmはレンズ長が短く、鏡筒フォーカス部が細くスリムで重量も100g程度軽量である。これはHC35mmの方がレンズ構成が少し複雑なこととシャッター機構を持っているためだ。
HC35mmはHASSELBLAD X2Dで使う場合、Phocasがよい具合に補正して粗が目立たない。しかし、LEICA Sで使用してDNGを現像すると、撮影距離によっては少し樽形の歪みが気になることがある。定量的な評価はしていないがディスタゴン 35mmと同等の歪みが発生する。
レンズ名 | CONTAX ディスタゴン35mm | LEICA ズマリットS35mm | HASSELBLAD HC35mm |
焦点距離(mm) | 35.5 | 35 | 35.8 |
最大絞り | 3.5 | 2.5 | 3.5 |
最小絞り | 32 | 22 | 32 |
レンズ構成 | 8群11枚 | 9群11枚 | 10群11枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.55 | 0.5 |
レンズ長(mm) マウント面からの距離 | 108 | 122 | 124 |
レンズ最大径(mm) | 102 | 88 | 100 |
フィルター径(mm) | 95 | 82 | 95 |
重量(g) | 877 | 930/1030(CS) | 975 |
リリース年 | 1999 | 2013.10.10 | |
価格 | 287,000円 2023年中古価格7万円〜 | 847,000円 979,000円(CS) | 2023年中古価格 150,000円〜 |




参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.7.16
- 2024.2.11:改稿
- 2023.05.19:初稿
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