孤高の広角コンパクト・RICOH GR21

リコー製フィルムカメラ・GR21のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- デジタル化はMINOLTA DiMAGE Scan PRO
- スキャニングソフトウェアはVueScan
- FUJIFILM X-Tra400 カラーネガフィルム
- MARIX マリックスISO100D カラーリバーサル(KODAK E-100)
- Rollei retro80s ISO80モノクロームフィルム
レビュー


1.概要
GR21はリコーが2001年にリリースした、21mm広角レンズを搭載したフィルムカメラ。
主な仕様は以下の通りで、カメラの詳細な仕様は表に載せている
- 6群9枚、焦点距離21mm GRレンズ搭載
- 最高シャッター速度 1/500
- 最短撮影距離 0.3m
- 絞り F2.8-16
- 絞り羽根 7枚

- レンズ構成図はRICOH配布のGR21 PDFより引用
2.使用感
GR 21は初購入で以前はL39マウントのGR 21mmレンズを使用していた。
購入の経緯はDMR(Digital Module R)が故障したLEICA R8をフィルムカメラとして使いはじめたら、高性能なサブとなるコンパクトフィルムが欲しくなり候補を探し、GR 21を購入した。
28mmを搭載したGR1も状態のよい物はすでに高価格で、すでに使ったことのあるため候補から外した。ミノルタのTC-1も価格が高めなので候補から外した。28mmより広角のフィルムコンパクトカメラはGR21しかないのでGR21を選択した。気になって探すと売ってるもので出会ったのも縁かと購入した。購入後により安い出物があるのは買い物あるあるで、中古は一個一個状態が違うため、状態と価格に納得したときは買うしかない。
購入したGR 21は説明のとおり、液晶部分にいくつか抜けがあり、フィルムカウンターが見辛いけれど、全部消えているわけでは無いため、撮影に支障は無い。海外ではこの液晶を取り替えるサービスをやっている業者もあるようだ。
GRシリーズは、日本のコンパクトカメラではいくつかの機種で採用されている方式の、フィルム装填すると自動的に巻き上げが始まり、フィルムの全コマをカメラ本体に巻き上げて、撮影時にパトローネに戻していく方式である。よって、フィルムの撮影順が通常のカメラと異なる。使い始めにフィルムをカメラ側に全部巻きとるため、使用開始には少し時間が必要で、撮影後の巻き上げはカメラに残った少しのフィルムをパトローネに戻すだけなので一瞬で終わる。
通常のカメラでは撮影後に巻き上げの時間が必要となるので、時間のかかるタイミングが異なる。
巻き上げあがりのときカメラの液晶にEが表示されるため、エラーの(E)かと思って焦ったらエンドのEだった。これはマニュアルに書いてあるので、マニュアルを読まない自分が悪い。巻き上げ不良してやらかしたのかとドキドキしたがそんなことはなかった。
フィルムを3本通した感じでは、装備しているGR 21mmレンズは樽形の歪みが気になる場面もあるけれど、それほど極端では無いため補正しなくても十分に実用的だ。空を撮影すると周辺部はすこし減光するが嫌に感じるほどではない。
撮影結果をみると遠方を撮っているにもかかわらずピンボケになっている写真が散見される。所有しているカメラが持っている個別問題の可能性と測距部分に不具合を起こしているかのどちらかだろう。
また、撮影時に遠方にピントをあわせて欲しいのに、カメラのファインダー内の合焦マークは、近接距離の人物マークがでることがそれなりの確率である。
気付いたときは測距をし直すが慌ててそのままシャッターを切るとピンボケ写真になる。
心に余裕のあるときは近接や遠方など撮影対象が明確な場合、自分で撮影モードを変更して任意のピントに固定して撮影するようにしている。フィルム撮影なので結果をみてがっかりする感じもなつかしいけれど、フィルム高騰の昨今なのでできれば避けたいところだ。
3.まとめ
結論としてGR 21をまとめると、コンパクトカメラでは唯一の焦点距離21mmの広角レンズを備えたカメラ。実像式のファインダーは構図確認しかできないけれど、ほぼ見えたとおりの範囲が撮影できている。
2020年代に入り、フィルムも高騰しているため、カメラを買っても使うのが難しいという面はあるけれど、フィルムが使えるうちに、フィルムカメラを使ってやるのが良いだろう。コダクロームがある時代にこのカメラを使いたかった。
テレコン、ワイコン
21mmだけでなくワイコン、テレコンを付けて汎用性を高めようと思いデジカメ用のワイコン、テレコンの使用を検討した。しかし、GR21は通常撮影モードはフォーカス時にレンズの移動が結構あるため、レンズ先端に重量物を装着してフォーカスするとモーターがイカれそうなのでやめた。
また、手持ちのニコンのコンパクトデジカメ向けテレコンは、接続ネジ径が28mmなので、GR21の30.5mmとは微妙に径が合わない。30.5mmから28mmに変換するリングを探してみたが見当たらず、30.5→37→28と迂遠な変換をする必要があるため、これまた実用的ではなかった。
仕様
項目 | GR21 | GR1(GR1s,GR1v) | MINOLTA TC-1 |
焦点距離 | 21 | 28 | 28 |
レンズ構成 | 6群9枚 | 4群7枚 | 5群5枚 |
絞り羽根 | 7 | 7 | 円形回転式 |
絞り | 2.8-16 | 2.8-16 | 2.8/5.6/8/16 |
シャッタースピード | 1/500 | 1/500 | 1/750 |
最短撮影距離 | 0.3 | 0.35 | 0.45 |
ファインダー | 採光式逆ガリレオ方式 0.33倍 83% | 採光式逆ガリレオ方式 0.43倍 縦:81% 横:83% | 実像式 0.4倍 85%/3m |
バッテリー | CR2 x1 | CR2 x1 | CR123A x1 |
記録メディア | 35mmフィルム | 35mmフィルム | 35mmフィルム |
外形寸法(mm)幅 x 高さ x 奥行 | 117 × 64 × 26.5 (鏡胴部38.5mm) | 117 × 61 × 26.5 | 99×59×29.5 |
重量(g) | 200 (ボディのみ) | 175(デートなし・ボディのみ) 177(デートつき・ボディのみ) | 185 (ボディのみ) |
リリース年 | 2001 | 1996(GR1) 1998(GR1s) 2001(GR1v) | 2000.4 |
価格(税別) | 138,000 | GR1 デートなし:90,000円 デートつき:100,000円 GR1s デートなし:95,000円 デートつき:105,000円 GR1v デートなし:98,000円 デートつき:108,000円 | 125,000 |
オプション
- 革ケース
- フード(GR21)
- フロントキャップ
- 各種フィルター
参考情報
- 高画質薄型高級コンパクトカメラリコーGR1|リコーテクニカルレポートNo.23
- RICOH GR1・Shige’s hobby
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- RICOH GR 28mm・Shige’s hobby
- RICOH GR 21mm・Shige’s hobby
更新履歴
- 2025.5.12
- 2024.03.18
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