不人気? DISTAGON 45mm C645

Kyocera/Contax製中判・標準レンズ、DISTAGON 45mmのレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA S typ007
レビュー


1.概要
ディスタゴン 45mm F2.8は1999年にリリースされた、中判カメラCONTAX 645向けの広角レンズ。CONTAX 645で使用する場合はフィルムサイズが645判であるため、35mm判では換算係数0.62倍をかけて28mm相当のレンズとなる。
ライカSシリーズで使用する場合は、中判デジタルセンサー 45x30mmで撮影するため、35mm判では換算係数0.8倍をかけて36mm相当のレンズとなる。
16038 [ライカ SアダプターC]を用いてライカSシリーズで使う場合、レンズに装備された絞り環は無視されるためカメラ側で絞り値を設定して撮影する。
オートフォーカス中にレンズ中央のフォーカスリングでマニュアルフォーカスの割り込みをかけることができる。

主な仕様は、レンズ構成 7群9枚、重量 800g、フィルター径はCONTAX 645レンズの汎用的なサイズである72mmを採用する。詳細な仕様は下表を参照のこと。
レンズフードは専用品(GB-71)、蛇腹フード(GB-B1)を使用する。


2.使用感
ディスタゴン 45mm F2.8はCONTAX 645カメラとともにリリースされたレンズで、ライカSシリーズで使うと35mm判換算ほぼ35mmとなり、広角レンズと標準レンズの橋渡しとなる実用性の高いレンズだ。コンタックス645で645フィルムを使用すると28mmと昔の広角レンズのスタンダードな焦点距離となる。
逆望遠型のレンズ構成で前群と後群の中央に分厚いレンズが配置され、ほとんどの場面で歪みが気になることもない。中判カメラの広角レンズを試すには良い選択だ。
フォーカス速度は特別高速では無いけれど実用に耐えない遅さでは無い。LEICA Sで使用すると電源を入れてから実際に撮影可能になるまでにワンテンポのラグがあり、カメラとレンズの接続確立に時間が少し要するようで、こちらは気になることがある。スリープ復帰からも同様のラグがある。
35mm判換算で焦点距離36mmは使いやすい画角で、散歩をする際などの目的が明確でないスナップ撮影に重宝する。ライカSとディスタゴン45mmは2kg弱なので、LEICA Sシリーズで使用する場合は軽いレンズの1つだ。
2020年代初頭は中古在庫も豊富で価格も安く、LEICA Sシリーズの広角レンズとしてよい選択であった。しかし、2020年中盤に入ると在庫を見かけることが少なくなっている。これはCONTAX 645レンズ全般に言える話である。
3.まとめ
結論としてDISTAGON 45mmをまとめると、開放F値2.8と明るく絞り開放におけるボケの美しさなど、写りは大判対応レンズのゆとりを感じる。LEICA Sシリーズで使うにはほどよい焦点距離で、専用アダプターによるオートフォーカスが使えるため、汎用性の高いレンズである。
入手価格が定価の1/3であればお勧めで、1/2だとちょっと微妙な選択肢だ。
仕様・レンズ比較


中判一眼レフ形式のレンズと比較するのが妥当で、直接の比較対象としては、「ライカ エルマリート S f2.8/45mm ASPH.(Order no. 11077 | CS: 11078)」が当てはまる。こちらの定価は100万円近苦金額的な入手難易度が高い。また2023年現在商品は終売している。
机上のスペック比較は下表のとおりだ。
エルマリート-S 45mmは重くて大きい。それは9群12枚の贅沢なレンズ構成、非球面レンズの採用、ガラスの小さいリアフォーカスによるフォーカス速度の高速化など、最新の光学設計を取り入れているためだ。
MTFチャートの比較ではライカは27mm、ZEISSは35mmまで記載と記載範囲は異なるがエルマリートSとディスタゴンを補正して比較すると、グラフはエルマリート-Sの圧勝であり、これはリリースが新しく高価格なだけのことはあるレンズだと理解できる。しかし、エルマリート-S 45mmはセンサーサイズ45x30mmに最適化している割りには大柄なレンズで、これはデジタル一眼レフ向けにテレセントリック性などをレンズ性能を最適化したためと考えられる。
レンズ名 | ディスタゴン45mm | エルマリートS45mm |
焦点距離(mm) | 45.5 | 45 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 |
最小絞り | 32 | 22 |
絞り羽根 | – | – |
レンズ構成 | 7群9枚 | 9群12枚 |
最短撮影距離(m) | 0.5 | 0.6 |
レンズ長(mm) | 99 | 132 |
レンズ最大径(mm) | 80 | 88 |
フィルター径(mm) | 72 | 82 |
重量(g) | 821 | 1030 |
リリース年 | 1999 | 2013/10/10 |
価格 | 250,000円 2023年中古価格7万円〜 | シャッター無し847,000円 シャッターあり979,000円 |
参考情報
更新履歴
- 2025.5.14
- 2024.9.1
- 2024.03.04:改稿
- 2023.05.14:初稿
広告
- コンタックス・Ads by Amazon
- コンタックス645・Ads by Amazon
- コンタックス書籍・Ads by Amazon
- CONTAX 645・Ads by Rakuten
- Leica 16038 Sアダプター C Contax 645レンズ用・Ads by Amazon
- CONTAX・Ads by Rakuten
- LEICA S アダプター・Ads by Rakuten
コメントを残す