単三駆動・3倍ズームコンデジ

ソニー DSC-S40のレビューと写真作例

目次

ギャラリー

レビュー

1.概要

DSC-S40はソニーが2005年4月発売したコンパクトデジタルカメラ。

主な仕様として、画素数は400万画素のCCDセンサー、レンズは35mm判換算で32mm~96mmの3倍ズーム、実像式光学ファインダー、背面液晶1.5インチ、7.7万画素を採用している。

センサーサイズは1/2.7インチで、広角端の実焦点距離が5.1mmで35mm判換算の焦点距離が32mmとの換算(換算倍率6.15)からも確認できる。

カメラを動作させる電池は単三形電池を2本使用する。使用可能な電池は以下の通りである。

2.使用感

電源ボタンを押してからカメラの反応はよく、ほぼ瞬時に撮影可能である。しかし、オートフォーカス、自動露出(明るさの加減)の追従速度は遅いので、慌ててシャッターを切ると不適切な明るさのピンボケ写真ができあがる。カメラの正確としては速写には向かず落ち着いて撮るカメラだ。

ズーム連動実像式光学ファインダーはピント位置は確認できず、撮影範囲の確認のみだ。
実際のピントは、合焦時の音と背面液晶で確認することになるが、合焦時の音はどこにピントが合っているかは不明(カメラがピントが合ったと判断して音が鳴るだけ)だし、背面の液晶スペックは1.5インチ、7.7万ドットと2000年初期のスペックを踏襲しているため、表示画像のクオリティは低くあまり当てにならない。

撮影画像の明るさに関しては、露出固定が効くため設定で露出を±しなくても、暗いところで露出を固定してから明るいところにカメラを向けると、露出過剰な明るい写真が撮れ、明るいところで露出を固定すると、暗い写真を撮ることができる。コンパクトデジタルカメラによっては、シャッター半押しでもレンズを向けた位置で自動的に露出が再計算されるカメラもあるため、露出固定ができるこのカメラはわりと気に入っている。

撮影したJPG画像のレンズの歪みは大きく、被写体によっては歪みが目立つ、Affinity Photo 2はレンズ歪み補正があるが、DSC-S40は無いが、「フィルター」>「ゆがみ」>「レンズ補正」>「DSC-S60」>「Carl Zeiss DSC-S60 &Compatible(standard)」を選ぶとそれなりに補正される。
画像処理ソフトには、レンズ歪み補正機能がついているものも多いため、ドンピシャの機種が無ければ近い機種で試してみるとそれなりの結果が得られるはずだ。
実行する際は、今後技術の進化でより高精度に補正できる可能性もあるため、コピーした画像を編集し保存してオリジナル画像はそのまま維持することが望ましいと思う。結果さえあればよいという場合はオリジナルを編集してもよいだろう。

未補正
補正後

オートホワイトバランスは、晴天下はよいがLED照明下では黄色っぽくなる。

また、ISO感度の設定はオートモードは文字通りオート設定しか無く、プログラムとシーンセレクションモードは80~400まで設定できる。ISO200以上はノイズが浮いてくるため80か100で利用したい。
露出とシャッタースピードを設定できる撮影モードはなく、唯一露光制御する機能となる露出補正はメニューの中にあるため、場面に応じて変更するのは少々面倒だ。ボタンに割り当てられているとよいと思うけれど、ボタンにはフラッシュ、クイックビュー、測光方法、セルフタイマーが割り当てられており、露出補正がないのは残念だ。
フラッシュもそれほど到達距離が無いため、常時発光禁止で使っている。

撮影画像は、ファインとノーマルの2種類で400万画素のファイン画像が、約2MB弱なので2GBのメモリーカードを使うと1000枚を超える撮影が可能である。しまし、オリンパスのSHQ画像の画像サイズが3MB程度あり、容量にして2/3程度なのでオリンパスよりも圧縮された画像が記録される。

対応メモリーカードは、メモリースティックで、Proにも対応しているため、メモリースティックDuoアダプターMSAC-M2を使うと、2GB以上の高容量カードを利用できる。

電池室とメモリーカード室が分かれているのはこのカメラの利点で、丸い単三、単四電池を使うカメラで、電池室とメモリーカード室が一緒になっているカメラの場合、メモリーカードを抜くために蓋を開けると、電池が飛び出して時計や撮影設定などの内部情報がリセットされる場合がある。特に古いカメラで内蔵電池やコンデンサーが消耗している場合は、電池が飛び出した瞬間にリセットされてしまうので、再度設定するのは面倒なため、このカメラのように電池室とメモリーカード室が別になっているのはありがたい設計だ。

電池の持ちは、それほどハードには使っていないが、ニッケル水素電池2本で100枚程度撮ったが、残量はまだあるようだ。

3.付加情報

DCS-S40は基本的なシステムを、2004年10月に発売されたDSC-L1で使われたものをそのまま用いており、レンズ、背面液晶、センサーサイズ、画素数が一致しており、兄弟のようなカメラだ。

両者の違いは以下の3点で、バッテリー、メモリーカード、ファインダーである。

カメラDSC-S40DSC-L1
バッテリー単三x2NP-FT1
NP-FD1(インフォリチウム)
メモリーカードメモリースティック /Proメモリースティック Duo /Pro
ファインダー実像式光学無し

DCS-S40の来歴を調べるまでは、DSC-S40が先行して発売され、それを小型化したものがDSC-L1だと思っていたのだが、そうではなくDSC-S40があとに発売されていることを知った。

このDSC-S40をシリーズ型番、”DSC-S”について調べると、DSC-Sシリーズは、S40以外に、S30、S50、S70、S75、S85の5機種が販売されている。
発売年度はS70が2000年3月、S30、S50が2000年の4月に発売、S75は2001年4月、S85は2001年6月に発売されている。
ボディ筐体の共通性をみると、S70は単独ボディ、S30とS50が共通ボディ、S75とS85も共通ボディであり、3つのボディ型があり、それぞれのデザインテイストは似ており、この5機種はSシリーズを形成しているのは間違いない。
その中においてDSC-S40は、2004年と他のSシリーズから離れた時期に発売されており、ボディにも共通性が無い。むしろカメラ機能としてはほぼ同等であるDCS-L1と同じ型番を与えられてもよかったと思われる。それが為されなかった理由は、DSC-S40がDSC-L1よりも大きく廉価な外観から、DSC-L1の発展系として売ることはマーケティング上好ましくないため、DCS-L2の名前は与えられなかったのでは無いかと推測する。

仕様

項目S30/S50S70/S75/S85S40
ズーム倍数3倍3倍3倍
焦点距離39-11734-10232-96
レンズブランドソニーカール・ツァイスカール・ツァイス
レンズ構成不明7群11枚6群7枚
明るさF2.8-2.9F2-2.5F2.8-5.1
画素数125万
202万
324万:S70/S75
398万:S85
410万
センサー1/2.71/1.81/2.7
ファインダー実像式光学実像式光学実像式光学
液晶サイズ 画素数1.8インチ 12万1.8インチ 12万1.5インチ 7.7万
バッテリーNP-FM50NP-FM50単三x2
メディアメモリースティックメモリースティックメモリースティック/Pro
重量(g) 本体のみ316310:S70
352:S75/S85
132
サイズ(mm)113×68×69117×71×6499× 52× 34
リリース年2000.42000.3:S70
2001.4:S75
2001.6:S85
2005.4
カラーシルバーシルバー:S70
グレー:S75
ブラック:S85
シルバー

オプション

  • アクセサリーキット・ACC-CN3TR・希望小売価格3,850円(税込)
  • アクセサリーキット・ACC-CN3・希望小売価格4,950円(税込)
  • メモリースティック / メモリースティック Pro

参考リンク

更新履歴

  • 2025.2.10
  • 2024.07.11

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