LEITZ ELMARIT M 21mm
ライカオリジナル・Mマウント広角レンズ
ライカ・エルマリート M 21mm F2.8のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影はLEICA M9
レビュー
1.使用感
このレンズは非球面レンズを使わないため先端が膨らんだ古い広角レンズの姿をしている。この広角レンズ然としたレンズ鏡筒が好きで、この球面レンズの前期型を使って手放したあと、後期型を再度入手した。対照的に後継の非球面レンズを採用した21mm ASPH.レンズは凹凸の少ないほぼストレートな鏡筒を採用している。
このレンズは絞り開放では周辺が少し流れたり、描写が甘めなど完璧な描写ではない。もちろん、30年以上前の古いレンズなので所有していたレンズの経年劣化による影響があるかもしれないが、古き良き広角レンズの味は感じることができる。しかし、最終的にはこのレンズも他のレンズの糧として売られていった。
撮影範囲確認用のファインダーは、ライカ製の古いスチール製ファインダーを使っていた。このファインダーは、前面ガラスの端が欠けており、それほど良いものではなったが、カメラに付けたときの見た目がよいので愛用している。
当時、コシナ・ツァイスの21mmファインダーも持っていたが、ファインダーの見え具合は断然こちらの方がよい。コンタックスのビオゴン21mm、アベノンの21mmファインダーも持っていたが、こちらの見え具合は今ひとつであった。
ファインダーの見え具合としては、コシナ・ツァイス>ライカ>コンタックスであった。
2.レンズ概要
エルマリート(エルマリット) 21mm F2.81はライカ設計のMマウント単焦点広角レンズ。
ライカのMマウント21mmは、シュナイダー社製スーパーアンギュロンからはじまり、このエルマリート21mmから自社設計となり1979年から1997年頃まで製造、販売された。
その後継として、非球面レンズを採用したエルマリート 21mm ASPH.にかわり、スーパー・エルマー 21mm、ズミルックス 21mmなど、21mmのラインナップが広がっている。
余談だが、Mマウントとは対照的にライカRマウントの焦点距離21mmはズームレンズ以外は、シュナイダー製のスーパーアンギュロンをRマウントの終焉まで販売していた。Rマウントフリークとしては、Rマウントのオリジナル21mmが発売されなかったのは残念である。
本レンズのバリエーションは、最初期の最短撮影距離が0.4m2のレンズ、外観はほぼ同じでフードがピン止めの前期型レンズ、フードがフック止めになった後期型レンズ3の3種類がある。
レンズ構成はいずれも同一であるが、最初期の最短撮影距離の短いレンズはプレミア価格で売られている。
M型ライカの内蔵ファインダーには21mmのファインダー枠がないため、ある程度撮影範囲を見極めるためには外付けファインダーを使用する必要がある。
3.競合との比較
スーパーアンギュロンは、レンズ後玉がフィルム、センサー付近まで接近するため、デジタルカメラの場合、撮影画像の周辺にカラーキャストが発生することがあった。このエルマリート21mmからは、レトロフォーカスと言われる、後玉がマウント面に近くフィルム、センサー面から離れた設計になっているため、カラーキャストの心配は無くなった。
また、撮影結果は後継のエルマリート M 21mm ASPH.が断然良く、そちらを初めて使ったとき周辺までかっちりと写る現代非球面レンズの描写に感心した。
他のMマウント21mmレンズとして、コンタックス G ビオゴン21mm、アベノン 21mmを使用したが、コンタックス G ビオゴン21mmはスーパーアンギュロンに近いレンズ構成なので、カラーキャストが発生する。アベノン21mmはレトロフォーカス型でカラーキャストの心配は無いが、設計が古く、本エルマリート21mmと同じ傾向の写りで、描写は一段落ちる印象だ。
スーパー・エルマーとズミルックスについては使用したことがない。
仕様・比較
項目 | ELMARIT | ELMARIT ASPH. | SUPER ELMAR |
焦点距離(mm) | 21 | 21 | 21 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 | 3.4 |
最小絞り | 22 | 16 | 16 |
レンズ構成 | 6群8枚 | 7群9枚 | 7群8枚 |
絞り羽根 | 8枚 | ← | ← |
最短撮影距離(m) | 0.7 | ← | ← |
レンズ長(mm) | 46.5 | 46 | 43 |
レンズ最大径(mm) | 62 | 58 | 53 |
フィルター径(mm) | E60 | E55 | E46 |
フード | 12543(旧・ピン) 12537(新・フック) | 12592 14041 | 12465 |
リリース年 | 1979 | 1997 | 2011 |
製造本数 | 13,930 | 7,250 | – |
重量(g) | 290 | 415(シルバー) 300(ブラック) | 279 |
参考文献・参考リンク
- LEICA Wikiによる21mm f/2.8 Elmarit Mの説明
- ライカのレンズ P40に紹介記事ある。
更新履歴
- 2024.8.21
- 2024.03.11
- 2023.10.20
- 2022.10.15
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