非球面 ELMARIT M 21mm

非球面 ELMARIT M 21mm

ライカ・エルマリート M 21mm ASPH.をフィルムカメラ LEICA M6で使用したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

  • 写真作例は愛知県の明治村でLEICA M6 +KODAK E100VSで撮影しNIKON COOLSCAN ED Vでスキャンした。
愛知県 明治村・Meiji Village, Aichi Prefecture
LEICA ELMARIT 21mm ASPH LEICA M6 +KODAK E100VS
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レビュー

1.概要

エルマリート M 21mm ASPH.は、1997年にリリースされた、非球面レンズを採用した焦点距離21mmの広角レンズ。。

主な仕様は以下の通りで、詳細は表に載せている。

  • 開放F値 2.8
  • レンズ構成 7群9枚
  • 非球面レンズ1枚
  • 絞り羽根 8枚
  • 最短撮影距離 0.7m
  • ライカMレンジファインダーカメラ距離計連動 0.7m
  • フード 12592

この非球面仕様の21mmは製造時期によって、6ビットコードが付加されたものと付加されていないものがある。付加されていないものはライカで有償にて6bitコードを付加したマウント部品と交換してもらえる。
球面仕様のELMARIT 21mmは、販売された時期に6bitコードが存在しなかったので、ほとんどのレンズに6bitコードは付加されていないが、こちらもLEICAカスタマーサービスで交換を依頼できる。

本レンズの属する非球面広角シリーズは、28mm,24mm,21mm,18mmとリリースされ、そのうち21mmと24mmは兄弟レンズでフードは同一ので12592を使用し、鏡筒もほぼ同じだ。

2.使用感

Elmarit M 21mm ASPH.はSUMMICRON 28mm以降に非球面レンズが採用されたレンズの一本だ。
写りは過去の広角レンズの粗をよく研究し、それらが解消されたレンズで、素の状態で歪みや周辺減光などが気になることはほとんどない。また、ボケが汚いなど非球面のネガティブな面も感じることはない。

レンズの意匠はレンズ先端径が小さくなり、フィルター径がE55(55mm)に変更された。そのコンパクトな見た目とは違い、レンズを構成するガラス枚数が増えたため、球面レンズの先代Elmarit 21mmより重い。
そのため、カメラに装着してカメラをかまえると、ずっしりとした重さがあり、M型ライカに装着するとちょうどよいバランスとなる。

レンズのフォーカスリングは、しっかりと指にかかるフォーカスレバー(指掛けレバー) があり、ライカマニュアルフォーカス特有の滑らかな回転とあいまって、撮影のはかどるレンズだ。

中古では当然だがこのフォーカスリングの回転状態は必ず確認することをお勧めする。滑らかに回転しないレンズは、鏡筒が歪んでいるか、グリスが異常を起こしている可能性が高い。その場合はメンテナンスが必要になり、ライカレンズはメンテナンス費用も高額になりがちなので、あらかじめ納得のいくレンズを購入するのがベターだ。

このレンズを使っていたときは、デジタルカメラのライカ M9とフィルムカメラのライカ M6を併用していた時期にあたり、写真作例には、ライカ M6 + リバーサルフィルムで撮影した結果を載せている。
リバーサルフィルムは、NIKONのCOOLSCAN ED VとスキャンソフトウェアVueScanで電子データに変換している。

3.まとめ

結論としてエルマリート M 21mm ASPH.をまとめると、描写に関してはフィルム、デジタル共に文句なく満足のできるレンズだ。わずかでも携帯性を重視する場合は、新型のELMAR 21mmを選択する方がよい。

仕様・レンズ比較

非球面Elmarit 21mmと新型Elmar 21mmの仕様を比較すると、ELMARは非球面ELMARITより少し暗いけれど、コンパクトで軽くなっている。

Before imageAfter image
項目ELMARIT ASPH.SUPER ELMAR
焦点距離(mm)2121
最大絞り2.83.4
最小絞り1616
レンズ構成7群9枚7群8枚
絞り羽根88
最短撮影距離(m)0.70.7
レンズ長(mm)4643
レンズ最大径(mm)5853
フィルター径(mm)E55E46
フード12592(フード本体)
14041(フードキャップ)
12465
リリース年19972011
製造本数7,250
重量(g)415(シルバー)
300(ブラック)
279

参考リンク

更新履歴

  • 2025.4.18
  • 2024.07.24
  • 2023.12.14

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